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りゅう視点です
「お父様!語り手さんがっ‥‥」
彩明は、茶を飲んでいる私とサンの所に駆け込んできた。
「もしやヤーミ姫に連れていかれた後!?あの世とこの世では流れる時間に差があるのを忘れてたわ」
「なんでそんな重要なことを忘れてるんだ」
「だって‥‥」
そのうち彩明についてこようとした蓉歌と従者、寺の坊主達、成夫妻がやってきた。
「そんなに慌ててどうしたのよ彩明!」
「語り手があの世に連れていかれたらしい。私達としては残念ながら打つ手がない」
「嘘!」
残念ながら私には、語り手を助け出す方法がわからない。
「あるにはあるわ」
「サンお姉様どんな方法ですか!?」
珍しく彩明は、声を荒げてサンに詰め寄る。
「りゅうが死んであの世で騒ぎを起こすのよ。その間に語り手をこの世に逃がす」
「それ以外に方法は?私では駄目ですか??」
私の心配をしてくれているのか。‥‥‥この子は本当に母親に似て優しい子に育った。
「私が死ねば語り手が助かる。そしたら語り手と幸せにおなり」
「なんでそんなこというんですか?‥‥‥お父様!お父様は大事です!でも語り手にこれ以上枷を嵌めたくない」
「枷か‥‥。もし語り手がそう思っていたら私は妻のもとに行っただけだと言いなさい」
「嫌!嫌です!」
頑固な所もか‥‥‥。
「あの盛り上がっている所すまないがうまくいけば誰も死なない方法がある」
蓉歌の従者が言った。たしかギョウヨウ?とか呼ばれていただろうか。
「「「「えっ!?」」」」」
「聞かせてもらえないだろうか」
私は従者に尋ねた。それは、寿命が短く他人を思いやる人間ならではの方法だった。




