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「あっ語り手~?こんなのどぅお!?何その顔!!」
「はっ?顔ですか」
蓉歌様が手鏡で僕の顔を見せた。
「‥‥‥誰ですか?」
「語り手」
「嘘でしょう」
「違う鏡も持ってきてみる?」
近くにいた人に頼み鏡を借り顔を見た。
「やっぱり僕か‥」
鏡の中に映るのは顔が全体的に腫れている男。目が特に酷く瞳が見えない。
「おかしいと思わなかったわけ!?」
「‥‥‥若干目が開きずらいと思いましたがこうなっていたとは‥‥‥」
そこになんの不幸か張平が通りかかった。
「蓉歌はんこんちは~?この不細工男はなんや??名前なんていうんや」
「ちょっと張平それ語り手よ」
張平は何を思ったのか僕に肩をまわして叩いてきた。
「語り手かぁ~。知り合いにも語り手ちゅう綺麗な顔してる男がいるんや。きついこというし裏表あるしわいに対して口悪いんや。あんさんもきぃつけや」
僕は張平を追い払って言った。
「お前が僕についてなんて思ってるかよくわかった。前者はほめ言葉として受け取っとく」
「てっええぇっ!あんさん語り手かいな!?どうやったらそんな顔なるんや」
「‥‥‥」
泣いてこうなったなんて口が裂けても言うもんか。
「とりあえず顔冷やしておきなさい」
蓉歌様が濡れた手拭いを渡してくれた。
「ありがとうございます」
「いいのよ。かなり珍しいもの見れたし」
「何が珍しいものなんですか?」
彩明が大量の書簡を持ってやって来た。
「語り手の顔よ。顔」
「顔?あっ腫れてますね。痛くないですか」
彩明が書簡を片腕に持ってから僕の頬に触ろうとした。僕はその手をはねのけた。
「痛いのか聞くなら触らないで下さい!」
「すっすみません!」
彩明が謝る姿を見て僕ははっとした。
「いえ、あの‥謝らなくていいです。彩明?手痛くないですか?」
「痛くないです」
態度を変えた僕に驚いたのかきょとんとした顔で僕を見る。
「それならいいです‥‥」
僕が呟くように言うと蓉歌様と張平が口を抑えて笑いをこらえていた。
「何笑ってるんですか」
「くくっ、そのまま続けてもらってかまへん」
「そうそう」
「用事思い出したので僕行きます」
僕が出て行った後部屋から大笑いが聞こえた。何が面白いんだ何が!




