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りゅうの娘  作者: 猫田33
道中
13/36

「なんで?なんで一緒にいられないの。お互い大好きなんだよね」


泣きながら彩明は聞いてきた。僕の独断と偏見だけど答えてみる。


「お互いが好きか‥‥でも相手のことを考えてない。自分がしたいように相手をかえようとしている。だから一緒にいられないんじゃないかな」


「やっぱり難しい‥‥‥」


相手の必要とするものがわかる彩明ならわかりそうな気がするんだけど。


「ゆっくりわかればいいんだよ。彩明はまだまだ時間がある。それに答えは一つじゃない彩明が、納得する答えを探して」


僕に残された時間はあとどれくらいかわからないけどね。


「語り手さんと探しちゃ駄目ですか?」


「‥‥‥‥‥‥へっ?」


彩明どんな意味でそれを言ったんだ?


「一人で探すより何人かで探した方が早いですよ」


そういう意味か。まったく期待したよ‥‥‥?いやいや、僕は彩明をこう‥‥妹みたいな感じで好きで決してこっ!


「語り手さん珍しいですね?顔が次々変わってますよ」


気持ちが顔に出てたのか!?うわー間諜としてまずいだろ。


「そっ、そうですか?アハハッ‥‥」


うっ、動揺が隠しきれてない。


「私としては嬉しいですよ。語り手さんいつも変な笑顔ばかり。だから今の顔は素敵です」


彩明はひときわ輝くように笑った。よく薄汚れた笑顔を見る僕にとって眩しい位の笑顔だった。


「あっ!一段落したからちょっと抜けるよ」


「わかりました」


彩明は、笑顔で僕を送りだす。


「危なかった」


厠の中で僕はうなだれた。自分を管理出来なければ間諜にとって死を意味する。


「次入りたいんだから早くでろ!」


戸がガタガタ揺れるほど叩かれたので僕は急いで外へ出る。


「「あっ!昨日の」」


僕の目の前には昨日の酔っ払いがいた。


「入りたいんでしょ。どうぞ」


「あぁ、でもなぁ。お前を二・三発殴ってからでも遅くねぇ」


ずいぶんと余裕を持って殴りつけてきた。軽くひねりよける。


「脇ががら空きだよ!」


体制が崩れた所を足蹴にする。うまく決まったようで脇を押さえ立ち上がろうとした。完全に立ち上がる前に僕は逃げた。


「卑怯だ!最後までやれ!!」


お前なんかの為に割く時間はない。




「語り手遅かったな」


部屋に戻ると驍燿が、買い出しから戻ってきていた。


「まぁちょっと老いぼれだが馬が買えた。でも二十元はぼったくりだ!」


「‥‥‥いや、この街ではそのくらいとるのもありえる。この街は農家が多いから馬の需要が少ない。需要がなければ馬の数が少ない。だから僕らが供給できる馬は少ない。自然と値段があがるのは当たり前だ」


「ふぅん、需要と供給の話か‥‥確かに宿はここともう一つしかないし。日用品位しか売ってる店がないな」


「まぁ、こんな話は終わりにして彩明はどこですか。ついさっきまでいたはず」


「馬を見に行ったお前も見るか?」


老いぼれと聞くとちょっと心配だ。


「そうですね。行きましょう」




馬を見に厩に行くと彩明の声がした。


「ジャックさんのご先祖は西の国にいたんですか?」


ジャックって誰?


「ヒィーン!」


馬!?


「私の父様も西の国で暮らしたことがあるそうです」


「ヒィーヒン!」


「会ったことがあったら面白いですね」


「ヒィーフンッ!」


なんか彩明が馬と会話?らしきことしていた。確かに若い馬でないが良い馬だった。


「彩明、馬と会話してるのか」


「あっ、はい!ジャックさん面白いんですよ。くすぐったい」


馬は彩明を気に入ったのか顔を舐めた。くすぐったそうに彩明は笑っている。


「それ以上やると馬刺にするぞ」


あれ僕今なんて言った?


「せっかく私が苦労して買った馬を馬刺にするな!」


「そうですよ語り手さんジャックさんが、怖がってるじゃないですか」


……馬が物凄く見下して、笑顔なのは気のせい?


「冗談でもすみませんでした」


「ヒィッ!ヒィッ!ヒィッ!」


この馬!絶対笑ったな。


「語り手この馬どうするんだ」


「山越えるのに荷物を持たせる。山の天候は変わりやすいから厚着も持っていく必要がある。当然荷物も増えるから馬に持たせます」


「そうか出発はいつする」


「三日後に出発する。女だけ集めたのが気になる。主に直接関係ないが調べる必要があるかもしれない」


もしかしたらあの計画に差し障りがある可能性もある。たぶんそんなことはないがどんなことでも調べるべきだと思う。


「用心にこしたことはない。それでどうやって調べるつもりだ」


「女に化けて行く。まぁ、女の着物は色々隠すのには便利だし大丈夫」


吹き矢と小刀は脚にくくりつければ見つかるまい。


「そうか行ってこい」


「語り手さんこの間嫌がってたのにいいの?」


「仕事としてはどんなことでもする。驍燿、彩明をよろしく」


僕の気がかりはそれだ。脱走の危険はないが勝手にうろつかれても困る。


「任せろ」


「今夜から調査する。もしも僕が三日後戻らない場合、僕を置いて出発して」


彩明は、驍燿にしがみついた。


「え‥‥驍燿置いていかないよね語り手さんのこと?仲間なんでしょ!?何か言ってください!」


僕はその場から逃げた。


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