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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

共同 本文 (仮)

作者: 土鎖 乃碌

 雪が辺り一面を埋め尽くしたある日、朝一番に学園内に期末テスト結果が張り出されていた。そこには、他の学校とは違い、個人名ではなく、グループ名…というべきなのだろうか、スペイン、ポルトガル、アラビア、カタカナ、漢字…様々な語句が使用された語句が長い紙、横一列に並んでいた。その紙の前では誰もが自分たちの順位を見に、そして上位五位までのグループを見に混み合っていた。そして、誰もが上位のグループ名を見てざわめき、驚きの声をあげた。


「すごい…なこれ…」


「先生の採点ミス…なわけ無いよね……」


「あんな女がリーダーでよく…」


「オイ、おまえら、どいてくれないか?」


 騒いでいる生徒の後ろから殺気を放ちながら立っている男がいた。制服を着ていてもその下にある筋肉が服の隙間からその存在をアピールしていた。その姿を見た男子生徒は身を引き後ろに下がる。その男の後ろでは、女生徒たちの黄色い声の中にさらにもう一人男がいた。


「ディーターは元が怖いんだからさ、もう少しにこやかにできないわけ?お嬢様達が逃げて来ちゃったじゃないの…可哀相に…」


 そう言いつつ女生徒を両手一杯に抱え込んでいる男を見てディーターと呼ばれた男は睨みながら紙に向かって進んでいく。


「エマに迷惑掛ける事は慎めと何度言ったらわかるんだお前は、騒ぎにしたら怒られるのは彼女なんだぞ?だから俺はお前と一緒に行動するのは嫌なんだ。」


 そう文句めいたことを言いながら小さなメモ帳に熱心に上位グループ名を書き始めた。ディーターのキツイ目付きを見て、男の周りにいた女生徒達は、蜘蛛の子を散らしたようにいなくなってしまって寂しい両手をズボンのポケットに入れる。


「お前は…俺に何か恨みでもあるのか…?」


 残念そうに前にいるディーターの元へと歩いていく。ディーターは書くモノを書き終えたらしく、その場から離れていった。


「お帰りなさい。ディーター、カルメン。帰ってきて早々悪いのですけど…助けてくれませんか?」


 女生徒が帰ってきた二人を涙目になりながら迎え入れた。ディーター達が来たのは訓練場だ。訓練場といっても複数あり、その中でも、二番目に広い訓練場Ⅺに来ていた。その訓練場は東京ドーム半分ぐらいの広さで、予約を取っていればどのグループも使用が可能だ。予約なしでいろんな施設出入り可能なのは年間八回あるテスト結果のトータル点数が多かった上位三グループだ。


「エマどうし……あぁ、そういうことか…」


 室内に入ってエマが涙目になっていた理由をすぐに理解した。その後からカルメンも入室してきてその光景を目の当たりにすることとなった。


「おい、ミロン、アルフやめろ。魔法の衝突は何を起こすかわからないから禁止なはずだ。」


 ディーターがそう言うが、灰色の綺麗な髪は動きを止めなかった。そして、その反対側にいる赤髪の小柄な子も動きを止めようとしないでお互いのことしか見てはいなかった。


「カルメン、どっちをやる?」


 エマと一緒に様子を見ていたカルメンに手伝えと言う意味で聞いた。カルメンはしばらく考えた後、決めたように、アルフで。といい背中に背負っている剣を抜き仲裁に入る。


「アルフ、落ち着け。っ…~」


 見えないモノがアルフに近づいてくるカルメンの頬を掠める。それ以降も何度か持っている剣に何かがぶつかる。


「お前、召喚するなら見えるやつにしろよ…!」


 力一杯剣を振り下ろす。すると、剣が床に着く前に床にヒビが入った。


「俺、こうゆうの外さないんだわ。さ、この意味のわからないの返喚しろ。」


 仕方がないように小さな声で呪文を唱え始め言い終わると同時に剣の下にいた何かが光の粒となっていなくなり、剣が音を立てて床に落ちた。


「ミロンと今度は何があったんだ…?」


「何もありませんよ。ただ、僕たちは手合わせしてただけですよ?ね、ミロン先輩?」


「うん。そうだよ?なのに君らは俺たちの間に入っちゃってさ、ひどいよね?せっかく楽しんでいたのにねぇ~」

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