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聴覚障害者の日常

聴覚障害者の日常 家族の会話編

作者: ぷかぷか

家族は、夫と三つ子の子供たち、アタシをいれて5人。

アタシ以外はみんな健常者だ。

我が家はどちらかというと会話があるほうだと思う。

男組と会話することはめっきり減ってしまったが、それでも何かしら話をしていると思う。

子供たちだけでも、おたがいに学校であった事をはなして話しているようだし、アタシにはもっぱらムスメが報告をしてくれる。ムスメとは、途中から読み間違いが起きてしまうので(※読み間違い編を参照)、しばしばかけあい漫才みたいになってしまうのだが…。

何か問題が発生すると、すぐ家族会議を開く。議長は夫だ。

そんなわけで、家族みんなで日頃から自分の考えをまとめて言葉にするようにしているつもりだ。

だから、家族みんなが声に出して話しているのは当り前だと思っていた。


子供たちが4年生の夏休みに、子供たちを手話サークルに連れて行った時のことだ。

子供と普通に話をしているつもりだった。もちろん、アタシは声を出してしゃべっていた。

ところが、サークルの一人が

「何を一人で話しているの?」

と聞いてきた。

「いえ、子供と話をしていたんですが。」

「あら、子供は声を出していなかったみたいだけど?」

「はぁ?」

子供の顔をみると、気まずそうに言った。

「うん、声を出してなかった。口パクだった。」

と白状するではないか。

つまり、アタシと話をするときは3人とも口パクだったらしい。

唖然として、その夜、夫に言った。

「オレも君と話すときは口パクだな。楽なんだもの。」


ええええ????


ぜんぜん気がつかなかったよ。

じゃぁ、道で歩いているときに話してても、つまり、アタシ一人でしゃべってたってこと?

それじゃ、アタシはただの変なヤツじゃない?

驚きとショックとで返す言葉が見つからなかった。


その事実を知ってからも、相変わらず、アタシと話すときは口パクな家族である。




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― 新着の感想 ―
それは思いつかない聞こえないならわからない。 情景を思い浮かべ笑いがこみあげてくる。 なにゆえに口パクになったのかの経緯を想像(たぶん当たらない)し家族の想いを想像しもするが、聴覚障がいをもたない私に…
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