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凍華戦記  作者: 東雲 澪音
3/3

決意

「本当に辞めるのか?」

「すみません…。」

私は文官を辞めることにする。

理由は明白だ。どうしても兄の死を信じ切ることができない。そして…。

「お兄ちゃんを殺した奴に引導を渡してやる」

私はそう心に決めた。何があっても動じない。絶対にやり遂げて見せる。

(できるかどうかはさておき、どうやって情報収集をしようかな?)

ちょうどそこで目に留まったのは『北の戦場の兵士募集』の張り紙だった。

(私は武官だったお兄ちゃんより強かった。その点では何とかなるはず。でも一番の問題は…)

そう、私の一番の問題は性別だ。基本的にこういった募集は女が行っても門前払いか、下女のような仕事を押し付けられるだけだ。こういう時、お兄ちゃんならどうしたかな…。

(あれ?私の問題はよく考えると女であるということだけだ。もしかしてこのほうほうならいけるんじゃ…?でも、もしバレたら?その時に考えればいい。とりあえず行動しよう。)

その唯一の問題の解決方法はとても簡単な物だった。この国には基本的にかなり上の身分でない限りは戸籍のようなものは存在しない。

つまり、私が性別を変えてしまえばいいのだ。

女であることを捨て、男になる。今までの生活、仕事、友人などのすべての物を捨てて復讐を果たすことだけを考える。

(そこまで悪いことではない。友人など職場の同僚くらいだし、仕事はついさっき辞めて来たし、生活なんてお兄ちゃんが殺されて狂ってしまったのだから。一から男として人生を歩むのも悪くはない。)

そうと決まれば話は早い。まずは、家の中を整理して、お兄ちゃんの服を出して来て着れば服などの問題はいらない。髪を一つにくくってしまえば別に女と疑われることもないだろう。


剣は…。


お兄ちゃんが使っていたものを代わりに使おう。これが一番の形見なのだから。

同僚には迷惑をかけるだろうが、家に押しかけて来た時のために置手紙くらいは置いておいてやるか。

『私は兄の復讐を果たすまで帰りません。ごめんなさい。末永くお元気で。』

こんなものでいいだろうか。あ!忘れるところだった。

『追伸。いつも私が振舞っていた料理のレシピは調理場の上から3段目の引き出しに入っています。ちゃんと仕事ばっかじゃなくて食べて健康には気を付けてください。』

これでバッチリだ。

そろそろ家を出よう。誰かに見られてしまったらここまでの計画が水の泡だ。

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