《恋愛短編》幼なじみにお弁当!?仕方ないなぁーあたしが作ってあげるよ!みたいなお話
あたしは、市内の高校に通う女子高生。
「浅宮 紬 」16歳。
ある日のお昼休みの時間に、窓際に集まっている三人の男子生徒達から聞こえて来た会話。
「翔平!なんだよーその弁当は………?おかず無しのThe日の丸弁当じゃねぇかー!アハハハハー」
「いやー実は………母親が急に入院してしまって………」
と、少し恥ずかしそうに答えるのは、あたしの隣の家に住んでいる幼なじみの【松田 翔平】だった。
(えっ!翔平のおばさん具合が悪いのかなぁー?)
と、心配になったあたしは、気づいたら翔平の前に立っていた。
「おばさん………具合い悪いの?」
あたしは、視線を悟られないように、横目で噂の日の丸弁当を見た。
「あっ!………真っ白だぁ!」
そのお弁当は、日の丸の赤丸である梅干さえも無い! お米だけの真っ白なお弁当だったのだ!
「梅干くらい入れたら………?」
それが、数ヶ月ぶりに話しをした幼なじみへの言葉だった。
それから、あたしは翔平のおかずを毎日作って持っていってあげた。
「紬………ありがとうな!」
と、小声で少し照れながらお礼を言う翔平だった。
「おばさんが大変なんでしょ!?」
と、おばさんの体調不良を口実にあたしは毎日翔平と接触した。
本当は、以前から昔のように何も気にする事なく翔平と話したかっただけなのかも知れない、、、
おばさんには悪いけど………いつまでも今の状態が続きます様にと願ってしまったのだった。
しかし、甘ーい日々は、そう長くは続かなかった………
翔平のおばさんは、元気に退院して、そしてまた翔平のお弁当を作り始めたのだった。
そして、あたしと翔平の距離がまた、遠くなってしまっていたある日の下校時、
「おーーい!紬ー」
とあたしを呼ぶ声がした!
振り向くと、その声の正体は、翔平だった!
「えっえっ………なに?」
と、少し戸惑い気味のあたしに翔平は一言!
「紬!一緒に帰ろ」
!!! とっさにあたしは、
「うん………」と答えた。
こうして、あたし達の赤い糸は………まだ繋がっていたのだった……………