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4.お家が良い

プルプル!プルプル!、ピッ!

「はい。もしもぉし。立川だよ」


僕は振動したスマホの通話ボタンを押して、耳につける。スマホから聞こえてくるのは、


『も、もしもし。承天寺、です。駅に着いた』


「はぁい。じゃあ、迎えに行くねぇ」


今は放課後。明日からお弁当を取りに来てもらうために、巳波ちゃんには僕の家を覚えてもらうことにしたんだ。近くの駅に着いたみたいだから、そこまで迎えに行ってくるね。


「………あっ。巳波ちゃん!」


「た、立川君。こんにちは」


「ふふっ。こんにちは」


緊張したのか挨拶してきた巳波ちゃん。僕も笑顔で挨拶しておく。それで巳波ちゃんの頬は若干赤く染まった。恥ずかしがってるのかな?


「じゃあ、行こうか」


「う、うん」


手を差し出してみたけど、流石につないで歩いてはくれなかった。やっぱり恥ずかしいのかな?他の人に見られるのは嫌なのかもね。どうせ見られたも、仲の良い兄弟くらいにしか見えないと思うけど。


「……はい。とうちゃ~く」


「え?ここ?」


数分歩いて僕の家に到着。巳波ちゃんは目をぱちくりとさせてる。「え?ここ?」っていうのは、たぶん汚いとかボロいとか小さいとかいう意味じゃない。そうじゃなくて、


「え?大きいんだけど」


そう。大きいのだ。僕も最初はこんなに大きくなくて良いと思ってたんだけどね。最近は大きくて良かったって思い始めてるよ。色々と便利だし。


「ふふっ。大きいだけじゃなくて、ちゃんと高性能だよ」


僕はそう言って、家のドアノブに手をかける。

ピッ!

と、音を出して扉が開いた。なんと、指紋認証のドアなのだ。もちろん、指紋認証が上手くいかなかったときのためにも鍵は着いてるけどね。ただ、そっちはそっちで開き方が特殊だから簡単には強盗には入れないよ。


「はい。いらっしゃい。何か食べてく?」


「え?あ。良いの?……お、お邪魔します」


井波ちゃんと一緒に家へ入る。雰囲気に慣れないみたいで、巳波ちゃんはずっとキョロキョロしてる。見てると面白いね。小動物っぽくて可愛い。……普段そういう扱いされてる僕が言うことじゃないかもしれないけど。


「飲み物とか持ってくるけど、どこで待ってる?」


「え?え、えと……じゃあ、立川君の部屋を見たい」


ほう。僕の部屋かぁ~。巳波ちゃんも以外と積極的に攻めるねぇ。


「いいよ。じゃあ行こうか」


「う、うん」


僕の部屋に向かっていく。僕の部屋は幾つかあるんだけど、女の子に見せるなら2階の部屋かな。


「はい。ここだよ~」


「お、お邪魔します。……おぉ。何て言うか、イメージ通りのお部屋」


「ふふっ。ちょと子供っぽかったかな?」


2階の部屋は、少し子供っぽいメルヘンチックな部屋。ぬいぐるみとかも沢山おいてある。……まあ、ただ可愛いだけのぬいぐるみじゃなかったりもするんだけどね。でも、巳波ちゃんには分からないでしょ。きっと大丈夫……じゃないかな。


「じゃあ、僕は飲み物持っているねぇ。お茶が良い?ジュースが良い?」


「あっ。えと、ジュースで」


「分かった~」


僕はキッチンの冷蔵庫に向かう。コップに2人分のジュースを入れて、巳波ちゃんのには()()も入れちゃおうかな。


「……はい。持ってきたよぉ」


「あ、ありがとう」


僕が部屋に戻ると、巳波ちゃんはぬいぐるみを眺めてた。50体くらいいるから、きっとどれかしらは気になるのがあるよね。

僕は巳波ちゃんにジュースを手渡して、一緒にごくごく。暫く雑談とかをして巳波ちゃんお好きな食べ物を聞いたりしながら時間を待った。だいたい20分くらい経ったかな。そろそろ良いはず。


「ねえ。巳波ちゃん」


「ん?ど、どうかした?」


僕のベットの上に座ってぼぅっとした様子の巳波ちゃん。そろそろ入れた薬が効いてきたみたい。顔も赤くなってるし、少し息づかいも荒い。


「僕の部屋まで来たんだから、そういうことしたいって事だよね?」


「ふぇ?」


不思議そうな声を出す巳波ちゃんを、そのままベットに突き飛ばす。


「た、立川君!?」


「あれ?そういうことじゃなかったの?」


戸惑ったような巳波ちゃんに、僕はイタズラっぽい笑みを向ける。数秒見つめ合った後巳波ちゃんは赤い顔で、


「い、良いの?」


「良いのって、何が?」


「そ、その。……私で良いのかな、って」


モジモジしながら言う巳波ちゃん。僕の相手が自分でいいのかって事だね。


「ん~。巳波ちゃんはどういう関係を望んでるのかな?流石に僕も結婚とかは出来ないけど。これくらいの関係にはなっても良いよ」


そんな言葉を告げながら、ゆっくり巳波ちゃんのお腹を撫でる。巳波ちゃんは顔を赤くしながら僕の手に慌てふためいた。でも、すぐに覚悟を決めたみたいで、


「あ、あの。お、お願い」


覚悟と期待のこもった目で僕を見てくる。今、ベットに突き倒して影響で巳波ちゃんの前髪がどけられて顔が見えるようになってるんだけど。……なんか、どこかで見覚えがある気がするんだよね。どこだったかな?

……まあどこでもいいいか。


「はぁい。お願いされるね」


「んっ//」


ゆっくり顔を近づけて唇を塞ぐ。ふふっ。今日楽しく過ごせそうだね。巳波ちゃんは帰らないといけないみたいだから、あんまり遅くならないようにしないと。

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