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サボテン女に水をやりたい

作者: 黒楓

世間一般から見ると、オレは…まあ恵まれている方だと思う。


法律上は非嫡出子という事になるが、“三人”の親からの寵愛を余すことなく享受した。


笑っちゃう話だが、ガキの頃のオレは本当に“現金”で…母さんと義母(かあ)さんの両方からお小遣いを貰える我が身の上をたまらなくラッキーに思ったものだ。


オヤジは…個体として強い“オス”なのだと思う。


身体能力に長け頭脳明晰眉目秀麗…漢字で書くと仰々しさが増し増しだが…この人間的余裕が“優しさ”を醸し出していて…あの母二人がぞっこんになるのもうなずける。


残念ながらオレはそこまでの形質は受け継がなかった。


体はオヤジより貧弱だし、地頭だって良くはない…

オレ自身はいたって“普通”の人間だ。


ところが、母は母で稀代のクリエイターだったので…

“あの”コマキヤスコの“お子さん”と呼ばれ… 

オレの出生が知られると“東野将崇(とうのまさたか)”の嫡子として扱われた…


苦痛だった。


でも努力はしたんだ。


うん!


オレの小学校の頃の日課は“運動”と“勉強”の同時進行…


おかげさまで中高一貫の男子校でもトップを落とした事は無かった。


ただこの実績を維持するのには勉強にかなりの時間を割く必要があったので…高校になってからは体育会系の部活はやらずに趣味のボルダリングで筋力維持を図った。


こんな仕上がりだったので…


大学生になってから…


これほどまでに自分がモテない男だったとは

思いもよらなかった。


そこでオレはまた、“あくなき挑戦”を始める事となった。


4年間プラスMBA取得の為の1年と数か月の間に“関係”を結んだのは計184人(延べ1000回以上)


多忙だった。

でもヤりがいのある“スポーツ”だ。


一連の“行為”を、そのように考えると

実に楽しい。


さて、MBAを取得していざ就職となると…

オヤジの会社なんてまっぴらごめんだったので外資系のコンサルティング会社へ就職した。


そこから2度目のキャリアアップでのbossがMr. Smithで…彼のホームパーティーでwifeのKarenと出会ってしまったんだ。


彼女との5か月は…決して忘れる事ができない。


そして別れの辛さにお国柄は関係しないのだなと

涙ながらに思ったものだ…。


これまでのキャリアがふいになった痛みなんて…これに比べれば大したことはなかった…


しかし自分も食って行かなきゃならないので…

恥を忍んで頭を下げ、オヤジの会社にコネ入社させてもらった。


ここでも


オレの“スポーツ感覚”に共感してくれるオンナが居ないわけではなかったので…何人かとは“楽しんだ”のだが…


ある日、LIN●に…


『できちゃった』

のメッセと

“赤ん坊”のスタンプを送られて


“なんじゃこりゃ?!”

になった。


仕方ない…運用のタイミングがずれて…半年?1年?はムダにしてしまいそうだが…手持ち資金から5000万取り崩そう。


オレは結婚する気はまるでないし…オレに関わる“遺伝子”をひとり親にさせる気もさらさらない。

だから、()()なんてものが生まれる前に『消し去る』べきだろう。


オレはわざわざ経理部長に頼んで…オレの口座から現金で5000万を用立てさせた。


その5000万が…今、経理部の作業テーブルの上に10束ずつ積まれて並んでいる…さすがにそこそこの物量だ。


これをbetしてもいいが…目に前にこれだけ積まれてオレの要求に首を縦に振らないオンナは居ないだろう。


って言うか…こちらをチラ見している天地さん(彼女が経理部の所属だからこんな回りくどい事をしたのだが)…既に目の色が変わってるしな…


さあこれだけのbig potをraiseしたんだ。


刺激あるゲームだ!


オレもみすみす総取りはされたくないし…色々な角度からウラは取るよ。



--------------------------------------------------------------------


ウチの母さんが…半ば職権乱用で…天地さんに関する“手作りレベルの”ウラ取りを制作部の女の子二人にやらせているのだけれど…


このふたり…


いずれも()()


さっそく“お姉さま”の方は食事に誘って…

色々ヒヤリングした。


この子は女子間での信望が厚いので…ヘタ打たないようにじっくりと攻略プランを練っている。


さて、問題はもう一人のオンナだ。


こっちは…“初物”のニオイがプンプンで…初めて会った時に試しに肩を抱いてみたら

いい反応をしていた。


オレ、頭の中の“台帳”を繰って指折り数えてみる。


このペースで行くと…記念すべき200人目は…オレも初体験??


へへへ、オレ今、絶対『越後屋』か『お代官様』の顔つきだよな「お主もワルよのぉ」って言う…


しかしこのオンナ トゲだらけのサボテンだから

迂闊に触れないんだよなあ


オレ、痛みに塗れるのを良しとする程…Mじゃないし…


調べてみると

サボテンの水やりは…

『水やりするタイミングは、「土が乾燥しきった時」』で…『「鉢底から水が滲み出るほどたっぷりと与える」のが正しいやり方』なんだそうだ。


含蓄たる暗示は…この上なく参考になる!!


これを見ている今は月曜日で…オレはこの間オープンしたばかりのホテルのバーカウンターに居る。


なかなかにいい雰囲気だ。


週末のシングル・ダブルルームを予約するか…


こちらのゲームも…


実に面白い!!




。。。。。。




イラストです。


今日の主人公のコマシくん



挿絵(By みてみん)






前回の主人公で、今回は『サボテン女』と呼ばれている谷繫さん



挿絵(By みてみん)



不遜なオトコの子を書くのがこれほどまでに面白いとは…


クセになってしまいそうです( *´艸`)



ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!<m(__)m>

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― 新着の感想 ―
[良い点] サボテン女への水やりが成功しても失敗しても 主人公は楽しめるタイプだろうなぁと感じました。 この主人公が完全に負けを認めている“オヤジ”は とてつもない怪物ですね。
[良い点] ……まいったなぁ(苦笑) イヤミが無いどころか好感や敬意まで感じて仕舞いますよ、このコマシ君には(苦々笑々) なんだかんだで“サラブレッド”なんですね。
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