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守護者となった退魔師と勇者の異世界譚  作者: 黒猫
生徒会総選拠篇
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勉強会III

そして次の日……馬鹿共とコリーを含め勉強会を開くことにした。


「はい、じゃあ今日の勉強を始める。」

「起立www礼www」

「「「よろしくお願いします!」」」


「はい、よろしくお願いします。……ってお前ら息ぴったりだな。打ち合わせでもしたのか?」


勉強を始めようと声をかけたら、何故かリカが号令をかけられ、三人が綺麗な立礼をしてきた。

つい反射的に返してしまったじゃないか。


「いやwww完全なアドリブだwww( ・∇・)」

「それはそれで凄いな。まぁ、授業を始めんぞ。コリーはこの模擬テストをして、バカ二匹は教科書とノートを開け。」

「は~い♪」


そう返事をしてコリーは問題に取り掛かる。


「何か俺達と扱い違わないか?」

「扱いの改善を要求する。」


そしてバカ二匹はぶーぶーと文句を垂れてくる。


「別にいいが。ほら、コリーが今日やってる模擬テストだ。解いてみろ。」


そう言って二人にコリーの模擬テストと同じものを渡す。


「おっしゃあ!」

「どれどれ。」


二人は気合いを入れて問題に取り組み始め、


「「……………」」


数秒で二人そろって頭から煙を出して機能停止した。


「おーい?大丈夫か?」

「……大丈夫だ問題ない。」

「すいませんでした、今までどおりお願いします。」

「はいよ。」


ちなみに二人に渡したテストは<コリー専用に作った>数学で、内容は地球でも相当難しい計算を出している。具体的に言うと何重も式を変形させなければ解けないし、普通は関数電卓を使わないと解けないレベル。コリーはこの計算を暗算で解いてしまうのが恐ろしい。計算をおえて古文に入っている。


「いっちゃん、これってなんて読むの?」

「ん、これはこおろぎだな。虫の一種だ。」

「は~い♪」

「いっちゃん!この薬の材料は?」

「ああ、これは昏睡草とマロミダケを乾燥させて粉末にしたものを混ぜるんだ。効果は強力な睡眠導入剤になる。

そうだ、丁度ここに実物があるから嗅いでみろ。ナイトメアコーヒーと併用するとどうなるか気になってたんだ。」

「ちょ止めろ!本当に出すな!いっちゃんって呼んですいませんでした。」

「いっちゃん、この場合どう反撃するべきなんだ?」

「よし、じゃあ身をもって体験してみろ。俺に反撃できるまで何回でも付き合ってやる。」

「すいませんっしたぁぁぁ!!」


面白がってコリーの呼び方を真似してくるバカたち。二人に返しつつ三人に授業を進めていく。


「おーい、飯だぞ~。」

「お~、今行く~。」


すると、金髪の俺の分身がエプロンを着けて教室と化した部屋に入って来た。

……今考えると髪の色が違うとはいえ自分のエプロン姿と会話するって結構シュールだな。


「よし、一旦飯にしようか。」

「「「は~い(♪)(www)」」」


こういうときの返事はいいんだなこいつらは。


「もがもがはぐはぐっ!!」

「もう少し落ち着いて食えよグレン。」

「はっへひほひへふははひとはふはっひはふはほ」

「おかわりは一杯あるんだから。」

「待て今のが通じたのか。てか何で最近俺が食うものは刺激物ばっかなんだよ嫌がらせか?」


口一杯に食べ物を詰め込むグレンをたしなめながら俺も箸を進める。今日の献立は、青椒肉絲に、餃子、そして担々麺………何で中華?

自分の分身が作ったとはいえ疑問を禁じ得ない

まあ美味いからいいけど。


「ってこらピーマンを残すんじゃない。」

「え~……苦いの嫌い~!」


コリーに青椒肉絲のピーマンを残していたのを指摘すると嫌そうな声をだした。

てか苦いの嫌いとか子どもか!!


「……はぁ、ちゃんと食べないと大きくなれないぞ?」

「ヒナちゃんより大きいからいいもん……」

「何の話をしてるんだお前は……。しょうがない、食べないなら用意しておいたケーキは無しだな。」


「わ~!食べるよ~!かっちゃんのいぢわる……」

「なんでしょうこの親子の会話。」

「てかさりげなく会長がディスられたわよね」

「(会長に親近感が湧いてしまった……)」


そして食事を終えた俺達は部屋に戻り再度勉強を始めた。


「………ん、コリー、もう10時回ったぞ。そろそろ帰った方が良いんじゃないか?」

「ほぇ?もうそんな時間?」

「ああ、部屋まで送るぞ?」


同じ建物内とはいえ夜に女の子一人で帰すのは気が引けるしな。


「ん~、そこの二人はまだ帰らないの?」

「え?ああ、そこの二人は寝ないで勉強するんだとよ。」

「「お前がやらせてるんだけどな?」」


失敬な、寝ずに付き合ってやっているのはこっちも同じだぞ。


「やかましい、そもそもおまえらがもう少しいい成績を取れば、わざわざ1週間オールなんかしなくて済んだんだよ。」


「「サーセン」」


コリー一人だけだったら毎日放課後2時間だけで十分だったわ。


「でももうちょっと教えて欲しいところあったんだけどなぁ………。」

「ならまた明日来ればいいさ。どうせテストまで毎日やってるから来たければ毎日来ても構わないし。」

「うん!じゃあまた明日来るね!」

「あ~…おにゃのこ成分が~……」


「フレイ、リエムが泣くぞ?」

リエムとはフレイの許嫁だ。未練がましい声を出すフレイに釘を刺してコリーを連れて部屋のドアから直接寮の部屋の玄関に繋ぎコリーを部屋まで送った。ちなみにフレイは婚約者がいる。変態なのに……。


「あ~www頭がガンガンするwww」

「あの無限ループは辛かったぜ………。」


そして勉強会開始から一週間、本日よりテストが始まる。

フレイとグレンは昨日の深夜ナイトメアコーヒーの効果が切れ、一室で死んだように眠り、先程まで一週間のことを夢で無限ループするという本人達にしてみれば拷問を受けていた。

ちなみに寝たまま放っておくと丸一日寝続けるので死者の目覚めで強制的に起こした。


「でもあんだけやればどうにか赤点は回避できんだろ。」

「おう」

「んじゃ、行ってくるぜ」


ちなみにグレン、フレイ以外のメンバーは本日は休みとなっているので、俺も今はラフな私服姿で屋敷の玄関で二人を見送っている。


「あ!いっちゃん♪おはようなのだ!」


「ああ、おはようコリー。今日から試験だな、頑張れよ。」


バカ二人を見送ると直ぐにコリーが現れた。


「うん!いっちゃんに教えてもらったからね!」

「了解した。コリー。」

「じゃあ、行ってきます。」

「行ってきます。お兄ちゃん!」

コリーとユリにそんな話をしていると本日試験を受けるイロハ達が出てきた。


「よし、全員頑張って来いよ!」


イツキは家事に戻る。

数日後結果が帰ってくると。バカ2人はギリギリではあるが赤点回避していた。あれだけやったのに低いことに驚いていた。後で説教が必要だな。

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