勉強会
「お願いします。イツキ様、哀れな私めに勉強を教えて下さい。」
「あぁ…うん…わかった。」
立ち直ったグレンが綺麗な土下座をしながら頼んできたので流石に可哀相になり承諾した。
「はぁ、自業自得なんだから……放っておけばいいのに…お人好し…なんだから……。」
イロハが呆れたようにため息を吐く。自覚があるので反論できないのが悲しい。
何故か他の転成者が嫌がる皇と生徒会の役職に付いてるしな。
「まぁまぁ、どうせテスト勉強する必要も無くなったんですし手伝ってあげましょうよ。……属性貴族の嫡男が留年なんて笑えませんし。」
「確かに、このクラスから留年者が……出るのはいただけないし仕方ない……。」
「フェルト様…イロハ様ァァ!!」
二人の言葉を聞いてグレンが感激の余り抱きつきにいく
「「抱きつくな変態!」」
「ゲフッ!!」
するとイロハが顎に掌底を、フェルトが鳩尾に当て身を当てられて、グレンは白目になり崩れ落ちた。
「今のはしょうがない。」
「自業自得よ」
「グレンざまぁwww」
「ふむ、もう少し強くても良いですね。」
「今のは…グレンが悪い。」
「しまった。やるなら新しく使えるようになった拷問器具を打ち込もうとしたのに……。」
リンク、シェリカ、セーレに言われるのであった。
それとフェルト姫、その拷問器具ってあれだよな?それやったらグレン死ぬからな。
…ああ、でもギャグキャラ補正が働くか。
放課後…部屋に戻り、教科書などを読ませたのち、テストを始める。
「というわけで、これより『目指せ!赤点回避!地獄の勉強会~ポロリ(涙的な意味で)もある!~』を始める。」
「「「「イエーイ!!」」」」
「「………(www)」」
俺の宣言に合いの手を入れてくれたのはマリア、イリヤ、リカ、サラの4人で、明らかにテンションが下がった(片方はわからんが)のはフレイとグレンだ。
ちなみに今は予備クラスが使っている教室に来ている。
「どうせなら勇者組も勉強会に加えた方がいいだろうということでここに来たわけだが。先程テストを受ける人間全員に俺が作った全教科の模擬テスト(満点阻止問題入り)をやった。その結果を発表する!」
マッハ20で採点したからテストが終わった瞬間に採点が終わったような感じだろうな、ユウヤ達にとっては。
「え~、今回は薬学、戦術学(戦術や応急処置を教える科目)、歴史、古代語(日本語)、数学(算数、いやむしろさんすう)の5科目を一教科100点満点の合計500点満点でやりました~。では結果発表〜!!」
とりあえずリカが皆にそう説明をし、俺が発表にする。
「まずはフェルト姫が488点!リンクが496点!サラが487点!ユウヤが475点!コウガが500点!マリアが480点!イリヤが490点!セーレが470点!イロハが500点!シェリカが500点
……で、フレイ、226点!
………グレン……45点。以上だ。」
ちなみに今俺が言った点数は全て全教科合計のものだ、決してグレンだけ一教科しか言わなかった訳じゃないぞ。
「うん、この結果を見る限り二人以外は心配要らないな。この調子で行けば本番450はいけるだろ。
でェもォ……問題はてめえら二匹だよバカ共。」
「「……はい(www)」」
二人並んで正座をしているフレイとグレンに目を向ける
「フレイは数学と古代語は95点、これはいい……だが他の教科が一律⑨点ってどういうことだ!」
「うわぁ。マジだスゲェwww君ってば⑨ねwww」
「それとグレン!!」
「はい!」
「全教科⑨点って嘗めてんのか貴様は!中等部の生徒でももうちょっと点数とるわ!!」
「ごめんなさい!」
「ハァ…ハァ…決めた。貴様ら戯け二匹、一週間まともに寝れると思うなよ?そのつるっつるの脳ミソにテスト範囲みっちり刷りこんでやるよ……。」
「「あ、俺死んだ。」」
こうして地獄の勉強会が本格的にスタートした。しかしバカは予想以上に駄目であった。
~数学~
「だから速さを求めるんだったら距離÷時間をするんだって!」
「距離÷時間?……距離ってどれ?」
「問題文読めやぁぁぁ!!」
~薬学~
「それで、この薬草とこの薬草を磨り潰して湿布にしたものが擦過傷に良く効くんですよ。」
「擦過傷って何?」
「擦り傷のことですよ。」
「この薬草とこの薬草だっけ?ww」
「あ!フレイ君、それを混ぜたら痺れ薬になっちゃいますよ!」
「あ~!ww薬草類多過ぎだよなwww錬金術で一発だ。」
~古代語~
「じゃあこれを訳して。」
「子子子子子子子子子子子子…何だこりゃ?」
「分かるかこんなん!」
「ちなみに元は古文だ。」
「いやww高校生が解く問題じゃないよねww」
「じゃあ『海海海海海』でなんて読む?」
「だからwwwってグレン!wwしっかりしろ!耳から煙が出てるぞ!www」
読者の皆は解けるかな?www
~戦術学~
「えっと、基本的に対人戦で一対一の場合は攻撃には上級魔法とか消費魔力が多い大規模な魔法じゃなくて小規模で消費魔力が少ない初級から中級魔法を使います。その理由は分かる?」
「え~、デカい魔法バンバンぶっぱなしてもよくね?」
「男ならガツンと一発だろwww」
「てめぇら、真面目に考えろ。」ドパン、ドパン
「「だからよ…止まるんじゃ…ねぇぞ…。」」
俺は切れて馬鹿3人に対して希望の花を咲かせた。
「ちなみに答えは大規模な魔法を放つと自分の魔法が帰って視界を遮るし、消費魔力が多いからすぐに魔力切れを起こすからだね。
コウガやイツキみたいに卓越した魔力コントロールがあれば規模や消費魔力を抑えて通常の威力で上級魔法を放てるけど普通は無理だよ。」
「チートと一般人を一緒にしないでください( ^∀^)」
「おめぇもチートだろうが。」
「そうですた。(๑>◡<๑)」
~魔法史~
「え~、約1000年前に当時最強の魔法使いと呼ばれていたテード・サーティが魔法陣による設置型魔法の理論を確立、及び実用化を成功させた。」
「殺せんせ~?その魔法使いって男ですか?」
「誰が黄色のタコだ!…一応記録では男になってるな。それがどうかしたか?」
「いやww…な、何でもないwww……ブフォッ!wwwあひゃひゃひゃひゃ!!wwwwww」
魔法史の授業をしていると何故かいきなりリカが爆笑し始めた、よく見るとマリアとコウガ、ユウヤも体を苦笑いしているようだ
「ちなみにテード・サーティは生涯独身を貫いたそうだ………あぁ、なるほど。」
ようやく地球組(男子陣)が必死に笑いを堪えている理由がわかった。確かにこれは笑うな。
そんな感じでその日は10時過ぎまでの勉強会は進んでいった。