桜と鏡の演舞
ヒナ副会長とイロハは森を駆け抜けている。副会長旗の場所にはコリー書記が仕掛けた罠があるので心配はない。そのためイロハとヒナ副会長でツーマンセルを組んで行動することとなった。イロハがなにかを感じて防御魔法を展開し、その攻撃を防いだ。そこにあったのは鏡であった。
「あら……ばれてしまったわ。」
「セーレ……」
「あの子……たしか。」
「鏡魔法を使う…厄介な人です。」
「副会長には悪いのですが……落ちてもらいます。」
《鏡魔法》【鏡残光線】
鏡が出現し、その中から光の光線が射出される。それを避ける。
《鏡魔法》【鏡反射】」
光線が鏡に反射して分裂する。いくつもの鏡に反射するうちに高速で移動し始める。やがてヒナ副会長の左手に当たる。かすり傷だが火傷がひどく武器を持つに持てなかった。ヒナ副会長は回復魔法で気休めではあるが治した。二人だと状況が変わらないと思い、イロハを先に行かせることにした。
「イロハちゃん先に行って……。」
「でも……。」
「私は大丈夫……。」
「わかりました。」
《霧魔法》…【迷わず蜃気・幻】
イロハはヒナ副会長の邪魔をしまいと霧魔法にて姿を消してその場を立ち去った。
「1人で私に勝てるのですか?」
「勝つんじゃない護るです。」
ヒナ副会長が桜魔法で身を隠す。セーレは鏡魔法で光線を射出するが桜の花びらに防がれる。セーレは分身鏡で分裂し、両方向から光線を放つ。花びらが焼け、防御膜を貫いた。
ーオプションギア発動ー
『絡桜』
ヒナ副会長を貫いた光線だが直撃はならず桜の花びらのように舞っていた。このオプションギアは桜の能力である『舞い桜』が作用している。そこに実態はなく散り行く花びらのように舞っている。
「厄介ですね。」
「そうですか。では粋なさい。」
《桜魔法》【舞い散る桜吹雪・乱】
蝶の形をした桜がセーレを襲うが吸収鏡にて吸い込む。さらに吸収された力はセーレの魔力に変換される。相性が悪いのであった。
戦況はヒナ副会長が押されぎみであった。オプションギアは時間制限があり、まだ改良の余地があるため未完成な部分もある。そして光線がヒナ副会長を直撃し吹き飛ばされた。オプションギアは限界値を越えてくだけ散った。
「まだいける!来て!」
【白桜剣】
魔武器である透明で透き通った剣を召喚する。それとオプションワークス『白帝』を白桜に装着する。
《散りなさい》【白桜】
白桜の刀身が桜の花びらのように散っていきヒナ副会長の周りを旋回するように舞っている。手の動きでセーレに向かうよう誘導する。セーレは光魔法にて転移しながら移動するが花びらがすぐにセーレに移動してしまい攻撃行動に移行できずにいた。
「まだよ!白桜解放!先鋭白桜。」
ヒナ副会長らを囲うように球体になる。閉じ込められたセーレは脱出しようと球体に攻撃を仕掛けるがびくともしなかった。しかも酸素が急速に失われているため酸欠になりかねない。まさにデスゲームだった。
「ここを出たくれば私を倒すことね。」
「なら倒します。」
《鏡魔法》
【鏡分裂】
【鏡鎖】
【鏡壊砲】
分裂してヒナ副会長の左右にて鏡から出てくる鎖に巻き付かれ動きを止められてしまった。さらに破壊属性を纏った光線が放たれる。これでヒナ副会長は終わりと思われたが、使いたくなかった能力を使用せざるおえなかった。
ー鬼人解放ー《ヒナタ》
ヒナ副会長の鬼人の能力『反射』を発動する。発動時に鬼に変化する。光線を桜の花びらに付与した反射の能力にて跳ね返した。球体を突き破る威力があり、セーレはそれに呑み込まれペンダントを破壊され脱落した。
魔力をほぼ使いきったヒナ副会長はふらふらしながら旗を取りに動きだした。ヒナ副会長は鬼人の力を自分の力と考え、鍛練し身につけた。まだ足りないところもたるが強くなろうと守られるだけではいけないと思っていた。それはラルドの後ろから付いていくのではなく隣で一緒に戦うためだ。