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森の拳鬼

潜入を開始したイツキらは長い廊下を走っていた。公国の城ならば直ぐに着くはずである。伊勢童子『イリス』が造り上げた城ならば思いのまま、空間魔法で作り上げることが出来る。鬼人が現れないまま、しばらく走っていると1つの扉が現れた。

その奥に敵がいると思い皆で深呼吸する。合図で扉を開けると、そこは部屋ではなく森が広がっていた。イツキらが扉を抜けると扉は勝手に閉まり消滅した。森の中からとてつもない殺気を感じた。茂みの奥から鬼人となったクロト教諭で前世の鬼人『ザラク』が歩いてきた。


「なんだよ侵入者はたったの7人かよ。面倒だがここは通さねぇよ?」


初っぱなからクロト教諭となると苦戦を強いることとなる。クロト教諭は風皇の座に着いている。イツキとリカが戦闘態勢を取ろうとする。がイリヤが前に出る。


「皆さんは先に行って下さい。ここは私が足止めいや…倒します。」


イリヤがそう言うとマリアが引き留めた。


「お前じゃ先生には…。」

「わかってます。ですがこの先どんな強敵に会うかわかりません。私は足手まといです。なら私がすることはひとつしかありません。」

「わかった。殺るからには死ぬなよ。」

「わかってます。死ぬ気はありません。生き抜いてあの楽しかった日々に戻りましょう。」


イリヤの背中は大きく見えた。死ぬかもしれない戦いに動揺せず真っ直ぐしていた。イツキらが次の扉を目指して行動した。ザラクはそれを止めようとはせず待っていたのだ。


「待ってくれるのですね?」

「なに…最後の別れを邪魔するほど俺らは腐ってはねぇよ。人間は最後の別れすら言えずに殺していったがなぁ。それにお前を倒したあと追ってくけどな。ここは俺達…鬼人族が生まれ育った故郷を元に部屋を再現してもらったんだ。」

「そうですか。綺麗だったんでしょうね。では…じゃあ始めましょうか?」


その言葉で戦いは始まった。イリヤの光魔法で攻撃を始める。ザラクはその攻撃を素手にて弾く。様子見の戦いは暫く続き爆音が響き渡る。イリヤは枝の上にたち、ザラクの様子を伺う。


「なんだよさっきから様子見でつまんねぇよ。」

「そうですか。」

アフェイド魔法マジック

世界樹降誕ワールドエンスガイア


ザラクの足下から大きな木が生える。その頂きに足を着くザラク。イリヤはそれを見上げ構える。


「俺は森の中でなら…身体能力など全ての威力が強化される。」


周りを木々がざわつき始めた枝が伸びてイリヤの足に絡み付く。それに気づいたイリヤが切りはなそうとするがその枝に振り回され地面に叩きつけられる。ザラクの意思により森全体がイリヤの敵である。

イリヤもそんなことで倒れるほど落ちぶれてはない。枝が斬られる。ザラクはその場所を見ると服装が変わったイリヤが刀を構え立っていた。


英装れいそう》【沖田総司】


イリヤの魔武器「タロット」の能力である。英霊召喚の第二段階目を解放したのである。異世界の偉人を呼び起こし、この世界に英雄を憑依させることが出来る。リカのダンジョンにて会得した。

沖田総司……幕末の武士であり京都を守る自警団『新撰組』の一番組長であり凄腕の剣格である。


「ふん…姿が変わろうが私には勝てない。」


枝がイリヤに向けて襲いかかる。イリヤは菊一文字則宗きくいちもんじむねまさを鞘から抜き、光の速さで枝をバラバラにした。


「私は皆を救うために強くなったんです。光皇としてしてではなく仲間として!」

「小娘が!!」


光皇であるイリヤは、菊一文字の刀身をザラクに向けて、北辰一刀流の構えをする。ザラクは世界樹からゆっくりと降りてくる。着地すると木葉が舞い、ザラクの拳に集りだす。木葉が散らばるとグローブを嵌めている。しかもグローブから森の魔力が噴射していた。


「俺を侮るなよ?」

《森魔法》【斬狩】・【暴れる枝鞭】

【無明三段突き・結】


沖田総司の得意技である神速の突きを改良した技を放ち、ザラクは捕らえることが出来ず攻撃を喰らう。【結】はさらに三撃を放つ。計六撃を与えたことになる。

しかしザラクは森の回復能力にて回復する。そして森の葉が生きているかのようにイリヤに襲いかかる。【シールダー】英装【オーフルア】

を切り替える。【オーフルア】はこの世界の人物である。戦場では盾を二つ持ち、敵陣に突っ込んで勝利した人物である。その盾は光と闇の魔力を纏っており、光は吸収で闇は放出する能力である。光盾を展開させ葉を吸収し、闇盾を前に向けてそのエネルギーをザラクに放出させた。ザラクは反応することが出来ず飲み込まれた。


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