襲撃
勇者との戦いを終えたリカは何の命令も告げずそそくさとイツキの元へ戻っていった。舞台では悔しそうな顔をしている勇者とその取り巻きがリカを睨んでいた。リカは笑みを返して模擬試合が始ったのでイツキたちのいるところに帰ってきた。
「お疲れ。」
「そんなに疲れてないけどな。」
「いや精神的にな。」
「そうだな……そうだイツキ…お前にあげるものがあったんだ。」
リカに渡されたものは石だった。
「それは?」
「六道の砕け散った破片を再構成した物だ。お前の妖力を流せば完成だ。」
イツキはその石に妖力を流し込むと、紫色に帯びたオーラが石に吸収されると同時に光が輝き砕け散った。そこから現れたのは錫杖であった。
「何故に錫杖?」
「多分だが、イツキの思いが武器になったと思う。」
「そうか…未来っていう能力に対抗するために俺が願ったものか。ならこいつの名は【幻想】だ。」
「それとこれを渡す。」
渡されたのは妖気が漂う細長い箱だった。
「砕けたリクの破片を使った魔道具だ。高い馴染んでいるならいいと思ってな。」
「そういえば。夜桜マスターに頼まれて人気になっているサイエンスってお前だったな。」
「そうだな流石にサイエンスって安直だけどな。それとそのボックスだけどなAUW起動っていってみ 」
そう言われるままその言葉を言うとボックスが光だしボックスがイツキを包み込む。光が消えると、何事もなかった。
「⁉」
イツキのそれには情報を伝えるコンタクトレンズに武装された左腕の義手、様々な細工を施されていた。それに破壊された筈の妖力回路が浮かび上がった。従来より多くの妖術がやり易くなっていた。
「凄いなこれを1人で造り上げるって流石ともいえるな。」
「流石に疲れたな皆の為にも造ったが、お前のだけ高性能にしたしな。」
「感謝する。礼は精神的に。」
「おう」
リカは皆のところに戻るとワークスを渡した。説明を一通り終えると舞台真ん中が爆発したのだ。皆がそこに注目するとフードを被った魔導師が現れた。
クロト教諭は直ぐ様生徒を避難させるよう誘導したが、その瞬間あちこちから爆音が聞こえたのだ。イツキは瞬間移動で学園内の時計塔に着くと、街から火と煙が登っていた。そしてとある札に妖力を流し、黒い弓を取り出して構える。放たれた矢は増殖し、拡散標的し、敵部隊を少しではあるが排除に成功した。そして舞台に戻ると戦闘をしているクロト教諭がいた。
魔導師が攻撃を仕掛けてくるのをクロト教諭が防いでいた。クロト教諭の後ろには避難を終えていない生徒たちを庇っていたからだ。イツキはすぐさま魔導師の背後に回り込み、回し蹴りで闘技場の壁に叩きつけるが、アンデットがクッションとなっており、無傷で立ち上がった。
すると魔導師が笑いだい魔法を唱える。地面からアンデットが数百出現した。
「さぁ行きなさい可愛い下僕たち。」
《屍魔法》
【武腐食人】
「クロト教諭ここは俺たちが食い止める!生徒たちの安全を!」
「久しぶりに暴れようぜ。なぁコウガ。」
カグツチを構えるコウガと銃を向けるマリアがアンデットらと戦っていた。
クロト教諭は「死ぬなよ」の一言を言い生徒を避難させるべく向かっていった。
「ここは俺たちが殺るお前らは市民の安全を。」
「任せたぞコウガ!」
イツキとリカは街に向かった。静かになった闘技場ではマリアらが睨みあっていた。イロハは皆と避難するように命じた。
が私もいくと聞かないため皆を守れと言って行動にでた。
そのころ
敵のアジトを突き止め突入を開始したベルト支部長とクレース3佐は、もぬけの殻となった部屋を見てため息が出てしまった。
「はぁ…またかぁ。」
「支部長ため息は良くないですよ。」
「だけどねぇクレース君。」
このやり取りをしてるとき無線が入った。
『王国内で夜明の魔剣の構成員と思われる集団が襲撃したもよう…直ちに向かわれたし』
『支部長!』
『わかってるよだけどねぇ…クレース君駄目みたいだよ。』
『何故です?』
『ほら敵さんのお出ましだよ。(情報が漏れている?)』
支部長の視線の先には夜明の魔剣の構成員が魔方陣から出現した。部下らは応戦に入る。ベルト支部長はまんまと誘きだされたと舌打ちをした。そして剣を構え戦いが始まった。