表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/219

ひと月

イツキは1ヶ月の間に祖父……師匠の元で天音剣術を1から鍛え直した。そして天音剣術の派生型が出来上がった。それは妖天流剣術である。天音剣術と妖力の合わせた型である。天音剣術の名残を残し進化させたのだ。これには祖父も驚いていた。

さらに夜になると、イロハを連れて任務へと赴いて妖嘛の討伐を行なっていた。イロハは妖嘛は見えないので、専用の眼鏡を渡してレクチャーする。


《闇より漆黒に染まる空…人を喰らいし、妖嘛の帳を降ろしたまえ》


それを呟くと任務地の周りを囲うように包み込んだ。この空間は妖力を持たないものには見えず弾かれてしまう。その為、人払いの結界を貼らなくてはならない。そして中にいる妖嘛を駆逐していった。それを毎日のように繰り返した。


マリアは銃の命中度を上げるためアメリカに渡り、特殊部隊STARSの司令官と顔見知りであるため、特訓してもらうことに。自分の力をさらに上げる為だとか。

リカは世界中を渡り歩き鉱石などを買い漁り、部屋に閉じ籠り何かを製作していた。

コウガはこの世界に未練はなくあの世界で生きていくと決め、神継財閥との縁を切るために父、隼也しゅんやのともへ行った。そして父の逆鱗に触れながらも自分の意思を貫き通し、部屋を退出した。その後コウガは師範に剣術を教わった。

そして休みの日にイロハと京都にデートしに行き満喫した。皆のお土産を買ってポーチに閉まった。


最終日

今日でこの地球ともお別れだ。

「イツキお前は強くなった。だが負けることは悪くない。負けることで勉強し次に生かして前に進む。」

「わかっております。」

「それとお前にこれを渡たそう。」


祖父がイツキに渡したのは封印されている札だった。

妖魔の首領であり江戸時代の天災と謳われた九尾の狐である。


「いいのですか?」

「こいつがお前に反応しておる。」


封印されているにも関わらず、絶大な妖力が俺に纏わりついてくる。歓迎されているようだ。腹に熱を感じ見てみると、刻印が浮かび上がる。


「こやつ喜んでおる。儂も初めて見たが強い者が現れると契約印が浮かび上がるという。これが浮かび上がったのは()()()()()5()()()()()()、そして最悪と言われた1()0()()()()()()、そして22代目である私とそしてお前だ。これを持ってけ。」


「ありがとうございます。師範の……じいちゃんの恩は一生忘れません」


イツキは一礼をした。


「待って貴方には渡すものがあるわ……これを」


祖母に呼び止められ渡されたのは手紙だった。


「貴方は父さんが死んで母さんに逃げられたと思って自分は不幸だと思っているわね。」


「っ」

トラウマが生まれ、表情を変えた。


「だけどそれは違うわ。母さんは逃げてはないの。自殺だったのよ。この手紙は母さんの遺書……貴方に綴った愛のある手紙よ。貴方は不幸して生まれてきたわけじゃないのよ。これだけは信じてあげて。」


手紙を渡され、表情を変えたイツキを見たイロハは声を掛けた。イツキは大丈夫と涙を拭い前に進もうと決心した。


「じいちゃん、ばあちゃんありがとう。行ってきます」


ベルが空間をねじ曲げあっちの世界に繋げ、挨拶を済ませ旅立った。


イツキらを見送った庭を見つめる祖父らに奴がきた。


「あれれ…皆はん帰られたんですの?」

「まったくお前は……いつも読めんやつだ。ずっと居たのになハザマ…。」


ハザマは祖父らの背後からハザマが現れた。


「気づいてはったん?お人が悪いやねぇ師範。」

「やはりお前だったのか…イツキに手傷を追わした奴はこれも宿命ってやつか10代目師範代……()()()(はざまみれん)」


「僕は死んでからも面白おかしく過ごしてるだけですよ。」

「昔から貴様はそうだよな。そしてお前は禁忌を犯し、長年かけてようやく儂の代で殺したのだからな。」


ハザマは禁忌を犯し、妖嘛へと成り果てた。それ以降、長年かけてようやく殺すことはできたが、魂までは消滅させることが出来ず、異世界にて生きながらえていた。


「貴様がここにきたということはあれを持ち出したな?」

「えぇ僕はそれでここにきたのですからね。」

「今回は見逃してやるさっさと居なくなれ。貴様を倒すのに骨が折れそうだ。」

「おおきに。」


ハザマは立ち去った。祖父は空を見上げイツキに「負けるなよ」と声を掛けた。祖父は祖母とともに家の中に入っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ