模擬試合
「いやぁwwwなんだかんだで楽しいねぇwwwカズトwww」
スイカ割りを終えた後、いろいろ遊んでいたリカがそう話しかけてくる。すっかり当たりはオレンジ色に染まりかけていようとしていた。
「さて、じゃあ私達も別荘に戻るか。」
「そうですね・・・別荘に戻って、この状況でも気絶してしまわれているクロス様を・・・フフフ・・・」
・・・フェルト姫ェ・・・
背中からなにやらドス黒いオーラを放ちながら、なにやらぶつぶつ言いながら笑っているフェルト姫に対し、内心引いていると、
「ちょっと待ってくれないか。」
「ん?なにかね」
「どうしたのぉ~~~?リンク君~~~」
突然俺達を呼び止めたリンクに対し、俺は首を傾げ、サラさんも首を傾げながらそう尋ねる。
「実はイーステリアに頼みがある……」
「俺に?」
何だろう?ってこのシチュエーションだと大抵良い頼みごとじゃ
「俺と今、ここで手合わせして欲しい」
「・・・」
・・・やっぱりかあぁ
「リンク君!?」
「前々から気になってたんだイロハの使い魔……おまえの実力今……それを知りたい・・・」
リンクの突然の模擬戦の申し立てにフェルト姫が驚くなか、リンクが途切れではあるが、そう言葉を紡ぐ。
っていうかバトルかよ!!
まぁいいか。強いやつと戦えればもっと強くなれるが…面倒い。
「良いんじゃない?リンクとイツキが戦っても。ね。皆。」
『はい!!』
い。ってえ?マスター!!
「私、イツキの強さをもっと知りたい。」
「わたしも……」
「言われてみれば、確かに。私も。是非とも拝見したいですね。」
「私もぉですーーーっ♪」
「私もぉ~見てみたいなぁ~」
突然横槍を入れてきたイロハの言葉に対し、俺が思わず固まっているなか、他の皆は口々にそう言う。
「っていうか訳だから…頑張って…イツキ。」
「っというか。イロ。」
「なに?」
「・・・私の意思は?」
「なしよ。」
「さいですか。」
「良いでしょ。別に。そんなに(身体的に)疲れてないだろうし。」
「・・・わかりましたよ・・・」
こうして俺はテイラーと模擬戦をすることになった・・・はぁ・・
「それでは。イツキ様とリンク君は所定の位置へ着いてください。」
コウガが“防死結界”を張ったのを確認した後、フェルト姫はそう俺とリンクに言う。
「来い。」
フェルト姫に言われ、所定の位置に着きながら、俺はイザナギ・イサナミを出現させる。この短剣は俺が打った剣である。
リンク「・・・・・」
対するテイラーも黒刀を取り出し、構える。
「それでは、今から私がこのコインを弾きますので、このコインが落ちたら開始です。」
フェルト姫はそう言いながら、一枚のコインを手に取り、
ピイィィイイィィィイイィィイィィィイイィンッ!!
と弾いた。
弾いたには弾いたが、光の“身体強化”をしてからやったのか、フェルト姫の弾いたコインは天高く弾かれた・・・
「よーい。アクション。」
パンッ!!
ってそっちかいコインはなんだったんだ?
ずっこけそうになったイツキだった。
フェルト姫はそう言って模擬戦開始の合図を出す。
っていうかアクションってあなたは何処の監督ですか