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動き出す者達

魔大陸……エンテイス魔王国


魔王城円卓会議にて魔人騎たちが集まっていた。数年に一度開かれる会議で何時もなら埋まっている席は空席が4つあった。


「あれー全員そろってないじゃん。僕帰っていい?」

「馬鹿なこと言うな。……話聞いてなかったのか?シェイラ……。」


シェイラ

魔人将序列4位……『快楽者シャルネア

快楽主義者で楽しければそれでいい呑気なやつだ。得意魔法は糸。鋼鉄の糸や見えない糸などさまざまな攻撃をしてくる。


「もぅ冗談だって〜。メラデイールわかってないなぁ。」

「冗談は嫌いなもんでなぁ。」


メラデイール

序列3位……『剣魔ブラッドレイ

獣人で人間嫌いだが仲間にはとても優しい一面をもつ強面。魔法も切り裂くほどの技量を持っている。


「それよりもセーレとミュードラが居ないじゃん!」

「二人ともそこまでにしときなさい。……彼女は今人間界で諜報活動中ですよ。あの研究狂いが来るわけありませんよ。」


「はーい。そうだよね。あの引きこもりが来るわけないよね〜。」

「わかってる。ゾォディア。」


ゾォディア

序列6位……『幻魔ルフォード

悪魔ながら紳士の人物。常に眼を閉じている。眼を開けると相手に幻覚や石化など敵を錯乱させる能力を持っている。


「急に集まった理由は何でしょうか?ディアゴ。」


ディアゴ

序列1位……『支配者ドミネーター

「お前たちにはもう分かっているだろうがギドとベルゼネアが死んだ。」


オーガのギド

序列9位……『軍勢製造ギルディーガ

自分より格下の種族を従える能力を持つ。


悪魔のベルゼネア

序列7位……『影騎シャガル

影魔法で相手を拘束したり、影を奪うことが出来たりなどの能力を持つ。


「弱いやつらだっけどね〜。」


弱いと言っても何万もいる魔族の上にいる

選定九騎デイッドクワバトーラ

弱いはずがないがシェイラにとっては格下しか思っていなかった。強い精鋭を従えている魔王はどれ程の技量を持っているのか。


「黙れシェイラ。」


「ッチ……相変わらずだね。ラルク。」


序列2位……口数が少なく能力も解っていない。知っているのは魔王と序列1位のみ。


「早く……本題。」

「まずは、ミュードラの実験で小鬼皇帝と進化した小鬼を人間界に送ったがやられたようだ。だがまぁまぁの成果をのこしたようだ。これを機に増産するとミュードラが息巻いていたよ。」

「へぇ。あれがよくやったんだぁ。」

「期待はしてないが使えればいい。」


小鬼皇帝の事件はミュードラというマッドサイエンティストにより、作られた変異生命体である。ある程度のデータを取れたことにより皇帝種の製作に取り掛かるという。



「後、ギドとベルゼネアは決して弱くはない。だが死んだ。それはなぜか。」

「それはある男に殺られてしもうたからや。」


「「!?」」


突如天井からテーブルに降り立つシルクハットの男に驚いた。この男の気配が突然現れもすれば誰もが驚く。序列では計り知れないが不気味が悪い。


「何者だ……貴様。」

「僕ですかぁ僕はハザマとええます。よろしゅう。」


へらへらと喋っているハザマに対し、シェイラは糸魔法で拘束し、縛り上げる。


「不法侵入とはやるねだけど。こんなよわっちぃのに気づかないなんて。」

「誰がよわっちぃんです?」

「それは君だ……よ!?」


シェイラが見たものは拘束してるはずの男が後ろから話しかけていたことだ。


「どけぇシェイラ!」

メラデイールは剣を振り回し男に襲いかかる。振り下ろした剣を目の前に軽々と避ける男。そして剣に軽く触れると砕け散った。


「もう眠ってぇな。」

「がっ!?」


メラデイールにデコピンすると奥の壁まで吹き飛び気絶した。巨体を片手で吹き飛ばすなど不可能だ。しかも解析が得意な幻魔でさえ、何が起きたかも分からずにいた。


「止せぇお前ら。」

ディアゴの言葉に戦闘体制だった者らは制止した。


「すまへんな1位さん。」

「貴様の為じゃないこいつらのためだ。」

「解ってるって。」

「ある男とは?」

「イツキちゅう人間界の学園にいる使い魔やね。」

「それはセーレから報告は聞いていたがそこまでなのか。」

「せやね彼は神と昇格した世界の守護者やからね。」

「情報ご苦労……」

「それと僕も仲間に入れくれへん?」

「なんだと。」

「暇なんでなんでもやりますよ。」

「もういいなんでもいいから議題に移ろうか。今後のことについて。」

「おおきに」


ハザマはニヤリと笑い会議に参加した。序列9位と新たに加わって始められた。イツキ、コウガは人間界での特記戦力となり魔族に伝わった。これにより命を狙われることが多くなるだろう。

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