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依頼完了の報告

大鬼変異種と、大鬼2体を討伐後、討伐証明の部位を剥はぎとって処理を行うイツキ達、特に大鬼変異種の方は首を残した、まさに『大鬼の首をとった』のだった。

 イツキ達はその足でマハール村に戻った、村長に報告をおこなう為に。

 ちなみに、大鬼の首は土人形で運んでいた。そこは万能の土精霊という事にしよう。


※※※


―― 村長宅 ――

 イツキ達は報告の為、村長のガトー宅を訪れていた、椅子に座り話をしている。

「皆さま、真に感謝しますぞ。」


 ガトーはそう言って頭を下げる。

「頭を上げて下さい、これも仕事ですから……それにまだ依頼は終わっていません。」

 ガトーにそう言って、頭を上げる様に促す。

「いえいえ、感謝しなければなりません、なにしろ大鬼ですので、……もし村が襲われたらと思うと……。」


 ガトーは頭を下げたまま震えている。よほど心配していたのだろう。

「あ、頭を上げて下さい。」

 イロハはガトーの恐縮ぶりに困ってしまい大声でそう言った。

 その言葉を聞いて、ガトーは頭を上げた、どこか安心した表情をしている。


「では、話を進めます。とりあえず、今日の調査は終了しました。大物が退治出来た事もあるのですが、何より私達も魔力切れで……、明日も引き続き調査と周囲の魔物を間引いてきます。」

 イツキはそう説明する。


「そうですか…わかりました。明日もお願いします。……それとお聞きしたい事があるのですが……。」

 ガトー急に重い口調に変わった。


「どうしたんですか?」

イツキはその変わり様に驚いていた。

「はい、……今回の報酬の事なんですか……追加報酬になるんですか?」

 ガトーはそう恐る恐るという感じで訊きいてくる。


「大丈夫ですよ。今回は『特別依頼』になりますから追加報酬は依頼者には発生しません。その分、冒険者組合ギルドが払うんですよ。ですが今回は学園長からの依頼なので。……心配なさる事はありません。」

 イツキは思わず笑ってしまった、そして安心させる為に説明をしておく。それを聞いたガトーは一安心という顔をしていた。


 ガトーが報酬の心配をしていた事だが、それはどこも同じだろう、さすがに小さな村でその資金の捻出は難しい為、心配になって当然だった。


 しかし今回は『特別依頼』に属している、『通常依頼』では予想外の事態の時の追加報酬は基本依頼者側が出すが、今回の場合は始めの報酬が変わる事は殆ど無い。その分追加報酬分と魔物討伐分の査定は上がり、その差額はギルドだが、今回は学園長が持つ事になっている―――それがおいしい依頼の『特別依頼』だった。


 それでも、お茶会の最中、イツキは思っていた。―― 覚えていろよ、学園長…ケツの毛まで報酬を毟むしってやるぞ!其のヘラヘラした顔を絶望させてやる と固い決意をしていた。


 こうして納得したジョー達は村長に報告を終えて2日目の調査を終えた。

 そして、3日目の調査で小鬼ゴブリン19匹、上位小鬼ボブ・ゴブリン4匹、人食植物花マンイーターフラワー7匹を、狩って調査を終えた。


***********************

マハール村調査、モンスター討伐合計


小鬼ゴブリン ――42体(リュー救出時の7匹含む)

上位小鬼ボブ・ゴブリン   ――4体

人食植物花マンイーターフラワー――10匹

狼人コボルト        ーー4体

豚頭族オーク        ーー12体

大鬼オーガ         ――4体

大鬼変異種オーガ・バリエル   ――1体

***********************


 こうして調査を終えたイツキ達は4日目の朝を迎えモモガ村を出る、村長を始めガトー始め孫の女性達10数人が見送りに来てくれた。

※※※

 イツキたちは現在、冒険者組合に報告して、学園長の部屋で今回の依頼の報告していた。――非常に笑顔で。


「イツキ、イロハ、リカ、ご苦労様だったね。マハール村の周辺の問題も解決出来たみたい。それしても大鬼変異種か……大物だったね。当然査定も色をつけるし期待していいから……それで、マハール村の“アレ”はあったかい?」

 学園長は真剣な表情でイツキ達に訊いてくる。ヘラヘラしてないで真剣だった。


「なんかわからない宝玉があったがこれでいいのか?」

「そうそう!それだよ。ありがとね。」


白い宝玉を学園長に投げ渡した。


「それはそうと。学園長。」

「ん?なんだい?」

「死に晒せ!」

「あははは!当たらないよ。」

「ちぃ。」


イツキは学園長の顔面を殴ったが、当たらなかった。顔までの空間が離れているかのように。


「報告は済みましたので。これで俺たちは下がります。」

「わかったよ。イツキがんばってね。」


イツキたちはヘラヘラしている学園長のへやを後にして寮へと戻っていた。いなくなった部屋では学園長は真剣な顔で宝玉を見つめていた。



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