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守護者となった退魔師と勇者の異世界譚  作者: 黒猫
一新紀元 退魔師のいなくなった世界で勇者は奮闘する
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悪力解放

「やりますね。私の力はこれだけではありませんよ。」

悪力解放アルガロン》【血濡れの赤ずきん】」


「さぁ血に染めましょう?」


ヒイロは悪力を解放する。身体中の血が吹き出して球体となる。どんどん大きくなり弾けると姿形が変わり果て凄まじい魔力を垂れ流すヒイロがそこにいた。


「まいったね~魔力が増したよ。!?」

《血液魔法》【吸血流血】


魔力量に驚いたジークは死染筆を構えると、穴という穴から血が流れ始めた。それを拭うが流れが止まらない。しかもその血がヒイロに集まっていく。リーファの悲鳴が上がり振り向くと彼女も血を流していた。それどころか街全体からも血がヒイロへと集まっていく。ジークはすぐさまナオに言葉遊びで【守護】と描きリーファと街だけに結界に覆った。ジークは貧血を起こしてふらつき意識が朦朧としていた。ヒイロは血雨をジークにむけて放つ。ジークは避けることも出来ず蜂の巣になる。


「この力を解放したからには死んでもらう。さようならジーク・アンデルセン。」

「やれやれ…これだけはやりたくなかったけどね。」


血雨の最期の一発が放たれる。その攻撃はジークに当たることはなかった。その血雨をジークの影が防いだからだ。ジークは死染筆を回しながら魔力を高めていく。


臨界点突破

死染筆・呪命心中じゅめいしんじゅう


ジークが臨界点突破を行った。筆から墨が放出し空間を黒に染めた。真っ暗な空間に驚いたヒイロ。だがさらに驚いたのが悪力が勝手に解かれていた。発動しようにも言うことを聞いてくれない。


「また力を使うことになるなんて……やっと呪いが消えかけていたのに。そうだよねレーラ?」

「まったくよ。どんだけ切迫してると思えばこんな小娘一人に手こずるとは情けない男だよジーク。」


ヒイロはその声に視線を向けると無傷になっているジークが立っていた。しかも独り言をぶつぶつ言っていて君が悪かった。


「何をした!」

「何をってわかるでしょ?君のその力を封じたんだよ。この空間に要るものは呪いに掛かる。僕はね1分間発動している間は不死身となる。しかし不死身になるが解除後はその呪いを解くまでは死ぬことを許されない。1分で5年分の時間が止まってしまう。前回この呪いが発動し300年分の停止した時間がやっと解けそうだったのに。」

「これジーク話していると場合か?さっさと殺ってしまえ」

「そうだねレーラ。ごめんね?」

書き初め【炎葬廡鹹えんそうむかん


ジークが炎に包まれ燃やされてしまう。それと同時にヒイロの身体が火傷に覆われた。能力は禁止されているが魔法は扱える。しかし回復魔法を使用はできるがあまり効果がなかった。火傷がひどくなり黒く変色してしまう。ジークは火炙りを終えると無傷であった。


「こんなの!聞いてない!」

二筆【毒槍アイアンメイデン


毒の箱が開かれ槍が無数にヒイロを捕らえ串刺しにしながら閉まる。大量の血があふれでるなかジークはさらに筆を振るう。


これで書き締め【黒縮無消こくしゅくむしょう

「わたしがこれで消えるなん…」


ヒイロの身体が空間と同じ黒に染まっていく。染まっていた部分の感覚が消えていく。完全に黒に染まるとヒイロは消え去った。ジークは臨界点を解除すると大空が広がった。これを使用した時間は20分すなわち100年分の時間を止めてしまった。守護が解かれたことによりリーファがジークのもとへ歩いてくる。


「今回は直ぐにすんだけど敵が来ないことを祈ろう。ねぇリーファちゃん。」

「私はジークさんに着いていくだけです。この命尽きるまで貴方とともに」


リーファはハーフエルフであるため長寿である。小さい頃に救われたため、ジークを見守っている。どんなことがあろうとも命をつきるまで一緒にいると誓った。

ジークは敵に居場所を突き止められてしまったために移動しなければならなくなってしまった。居心地のよかったこの場所をこれ以上危険に晒すのはいけない。ジークは次の場所を探すべく荷造りをして去っていった。


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