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主役のいない結末

突如として門の扉が閉まり始めた。それと同時に光と共に皆が現れた。それを見たリカは開門しないよう鎖型のオプションワークスを放り投げ、開門しないよう厳重に封じ込めた。大罪たちも終わったことに安堵し帰還していった。リカは皆のところに向かおうとしたが足が思うようにいかず倒れてしまった。それもそうだ門の内部では4時間しか経っていないが、こっちでは4日間も経っており疲労もそうだが慣れないことをしたために反動がおこり倒れてしまった。

現れたのはコウガたちに待機していた治癒魔法師たちが駆け寄る。

そして治療されながらもイロハの声が響き渡る。


「ねぇ……イツキは?イツキどこ……!探してもいないの」


イロハは傷だらけの体ではありながらも、治癒魔法師たちの静止を振り切りイツキを探しにいく。その声にマリアが尋ねた。


「どうした?イロハ……イツキがなんだって?」

「居ないの……どこにもイツキが居ないの……」

「まさか……」


イロハは門の方を振り返り、そっちに歩き出した。門に向かうイロハの腕をコウガは掴み動きを止めた。


「なにするの……まだイツキがあの中に……」

「無駄だ……」

「なにがよ……無駄じゃない助けに……」

「イツキは……あいつは死んだ。」


コウガの言葉に皆が凍りついた。イロハはコウガを振り払い門に向かう。開かない門を叩きイツキの名前を呼ぶが応答はない。


「どういう事だよ!お前何か知っているのか!」


マリアがコウガの胸ぐらを掴み問いただす。コウガは無言で目をそらした。黙って見ていたヒルドが口を開いた。


「そのままの意味だ。あいつはハザマに殺され、お前らを逃がすための魔法を発動させた。」

「嘘よ……だって皆で生き残ると言った!皆で笑いあえる……世界をつくるといった!見てよまだ契約は!?」


イロハはイツキが生きてる証拠である契約の印てある紋章を見せるが消えかけていた。そして紋章は光となり砕け散った。イロハはその光を集めようとするが消えていき空になった手のひらを抱きしめて大声で泣いた。


「コウガ……お前はこのことは…。」

「最初は知らなかったさ。あいつと別れ際に言われたが戦いに集中しなくちゃいけなかったからな……」

「そうか……あいつはいつもそうだ。さっと現れて消えていく……こんなの助けられたって言えねぇよ」


マリアは拳を強く握りしめたが冷静に戻った。みんなは落ち込んだ。


「あいつが守った世界だ。大切にしろよ。」


ヒルドはそう告げ、駆けつけた騎士団により手錠を嵌められ捕まった。こうして多大な犠牲を出しながら世界を守った戦いは終幕を迎えた。


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