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圧倒的な

「それは…」


イツキには見覚えがあった。あれは代々封印してきた刀であることを。イツキが小さい頃に祖父が見せてくれた刀であることを。あれを解いてしまうと使用者の望みを叶えるまで命を吸い続ける妖刀。手を出したものは暴走して見境なく破壊するといわれている。


「なぜお前がそれを持っている。」

「何故って?これ僕が打った刀やし……その性質を知ってれば扱えます。」

「なんだと?」

「話して大丈夫やの?」


イツキはまた切り刻まれていた。回復したが治らなかった。しかも妖力がうまく練らなかった。


「何って君の妖力を切ったに決まってるやないの?」

「なにを……」

「特別に教えます。これは対象を選択することにより対象物を斬る。斬った対象はそれを使えなくなる。使えんっても短時間やよ?一回一回しか使えんから面倒やのよ。まぁほかに能力は備わってますよ」


《影魔法》『影突陰針シャドーガンソ


ハザマの影から突起物が出現したが避けられてしまう。さらに空間魔法にて動きを止めるがすぐに対処されてしまう。ヒルドはさらに霧魔法で惑わすがそれも駄目だった。


「ちぃ」

《炎魔法》【灼熱の獅子】

《水魔法》【大洪水】

《土魔法》【大地の怒り】


「無駄や。」


ヒルドも手数が減ってきて舌打ちをした。今までならすぐに終わる戦闘だが、こうも長く続くことは無かったためイライラし始めた。それを見たハザマはヒルドに急接近し心臓に刃を付き刺した。血を吐き倒れてしまった。

そしてイツキは剣技を放とうとしたとき、ハザマに左腕と右目をやられ吹き飛ばされて倒れる。


「詰まらへん。何も成長しておらんよ。そんなんじゃ守るものをまもれへんよ?」


その言葉で倒れたはずのふたりが立ち上がった。満身創痍ながらも立ち上がりハザマを見る。


「俺たちはお前を倒して平和を掴み取る!」

「俺はどんな強敵だろうがそれを俺の血肉にして取り入れるだけだ。」


《大妖神》【イザナミ】

《魔王化》【ネセサリウス】


イツキはイザナミと同調する。ヒルドは歴代最強と恐れられた魔王であるネセサリウスを顕現させ憑依させた。

ネセサリウスは1000年前に現れた魔王である。初代勇者と同等の力がありあらゆる魔法、仙法などの攻撃を反射させたり、空想の魔物を呼び出し配下にさせる能力などさまざまな力を持っていた。なぜ彼がその魔王を扱えるか。それは彼自身が元魔王だからだ。勇者との敗北後に己の力を封印し今まで生きていた。勇者はヒルドを殺さず人間界に連れてきて監視のもと住まわせた。やがて勇者が老いに勝てず死する前【この世界を頼む】と残し死んだ。ヒルドはこれで自由のみになったがこの世界と生きると決め、【エルティーナ家】が出来た。エルティーナ家の使命はこの世界に災いが起きたときに魔王の力を宿し平和をもたらすということだ。ラルドの血に宿る悪魔【アドバン】は魔王の欠片と副将の力が宿っている。


イザナミになったことでハザマの魔力、仙力などすべてがイツキの支配化となった。けれど使えないというのにニヤニヤしているハザマ。


「すごいんやねこれ。力が抜けてもうてる。」

「これで終わりだ。」

黄泉灯よみおくり

魔道拳まどうけん


イツキは妖力の剣を出してハザマを斬る。しかしハザマは避けず受け止めた。さらにヒルドの拳が直撃する。凄まじい爆発が起きて砂塵が舞う。砂塵が晴れるとハザマには傷が出来ておらず服だけが破れているだけだった。


「ここまで追い詰めたのはヒバリくん以来やね。はは!」

《喰い殺せ》【終焉ラグナロク


ハザマは自分の心臓に刃を突き刺した。引き抜くと吹き出したのは血ではなく妖力であった。普段見えない妖力が視認できていることは高密度であることだ。その妖力がハザマを包み込む。妖力が消え去ると姿が変わったハザマがそこにいた。


《雷鎚》【トール】


ハザマは言葉を発すると巨大な戦槌を出現させ手に取った。イツキとヒルドは何かを察知してその場から離れたが遅かった。すでに振り落とされていた戦槌は地面に叩きつけられていた。ヒルドは避けることは出来たがイツキは槌に押し潰されていたがなんとか持ちこたえていた。しかし重みは徐々に増していき支えている腕から嫌な音が出て血が吹き出していた。ヒルドはそれを見てハザマに向かっていく。イツキが与えた1つの隙を壊すわけには行かなかったからだ。ヒルドは全属性の魔力をハザマに向けて放った。


《影邪蛇》【ヨルガムンド】


その妖力はハザマの影から出現した蛇が喰らいヒルドの左腕を喰いちぎった。その蛇はハザマの腕に巻き付くと強大な魔力を放出し塔を崩壊させた。


「やってもうたか?」


瓦礫から二人は現れた。ヒルドは魔王化が解けてしまっていた。イツキは妖力が小さいながらもモードは解けていなかったが疲弊が激しかった。ハザマはまだぴんぴんして魔力も万全である。勝ち目はない。


「この姿で生き残ってんやからすごいで?」

「はぁはぁ……お前を……倒す」

「倒す?そんな体でどないしますの?」

「最後まで諦めるわけにはいかねぇんだあ!」


イツキは妖力を大量に放出した。それでもハザマには遠く及ばない。どうしようともイツキには詰んでいる。しかし目はそうではなかった。何かあるような感じであった。


「それは神々の終末か」

「気づいていたん?そうやよ神界と邪界の狭間には産み出された欠片それがラグナロクというの。ラグナロクは神々の終末の日と言われてんけど実は違うんや。ラグナロクは神の力を宿し、神界を滅ぼして邪界とさせる意味のこと。神器を手に入れることを指す。」


さらにハザマの影から鎖が出てくる。銀色の鎖が二人に巻き付き動きを封じた。

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