表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
200/219

地獄の内部

「てめぇは!」

「なにをしに来た!マリアをやった闇ギルド長が」

「殺してないのだから別にいいだろう。」

「んだとぉ!」

「落ち着けぇ!」


ヒルドが近づいてくるのでユウヤが喧嘩腰になったときラグナ前陛下がとめた。


「久しいなヒルドよ。」

「陛下もお変わりなく。」

「知っておられるのですか?」

「知ってるもなにも…こいつは王国特殊隠密作戦軍第0課【影楼かげろう】ヒルド・エルティーナだ。それよりもやることはあるだろ。」


衝撃の真実が告げられ、動揺を隠せない皆。

さらに特殊隠密作戦第0課は2人しか所属していない。それも300年もの前に出来た組織で任務は闇ギルドの潜入及び調査となっている。だれも知らなくて当たり前だ。

そしてヒルドの背後に元副支部長のクレースもいた。


「こいつも俺の仲間の一人だよ。」

「すいません支部長……任務でしたので裏切ってしまって……」

「いや……いい。こうしてでも会えたんだから……任務を話す馬鹿はいない。」

「ありがとう……ございます」


クレースもまた影楼の工作員の一人である。そして涙を見せながらベルトと和解した。

ヒルドはヒナの元へ近づいて傷に手を触れると治っていた。イツキでさえ直せなかったことをヒルドをやってのけた。


「やはり何度見てもすごいのぉ……。それは」


《忘却魔法》【再聖さいせい


再聖は瀕死の重症を負ったものや傷を負ったものに使う治癒術。死んでなければ魔力、体力すべて回復させる高等魔法の一種である。

さらに広範囲の術式を展開して傷を治して魔力をも回復させてしまった。


「俺は任務を遂行しただけだ。」

「やはり堅物だよ。昔から行っておろう気楽にやれと。」

「これが俺です。」

「で何か解ったのか?」

「はい。長年の調査で獄界の門は300年前に造られた古代遺物の一種。門の内部は地獄と繋がっており亡者……犯罪を犯したものが集う場所としか解らなかった。それにハザマたちが勾玉を集めたといっていたが全ては揃っていない。俺の持っていた勾玉はダミーだ。本物は俺を殺さない限り出現しないよう書き換えておいた。さらにラルドに憑いている悪魔はラルドの力を引き出すための魂にしかすぎない。ティタールはラルドを目覚めさせるトリガーでもう目覚めている。」


黒い穴が出現し、そこからラルドが姿を表した。


「すまねぇ……俺はもう逃げない。ヒナを世界を守るために俺は戦う。」

「じゃそうだよ。それでイツキどうするんだ。」


皆がイツキに注目する。そしてイツキはこう告げた。


「門に突入する。命を無駄にするなよ。命あっての物種だ。ハザマを倒すまで死ぬなよ。」

「「おぅ!」」


「待て…俺も行くぞ。」

「まてお前の体じゃあ無理だ。」

「無理じゃねぇよ。俺はやらなくちゃいけねぇんだ。」

「お前は今じゃない…その傷を癒すのが先だ。」

《眠術》発動


カグツチを杖代わりにしてゆっくりとやってきたコウガだが、その体で戦うのは無理だと判断して、イツキは眠りの呪符で眠らせた。コウガに今死なれては困るとイツキが思ったからだ。コウガはなぜか死に急いでいるような感じがしたからだ。

眠らせた後、突入部隊と門から亡者が現れた場合対処する部隊待ち構える部隊を編成し、そしてヒルドが門に突入するため想像魔法にて小さな飛行船を作り、乗り込んだ。すべての操縦は魔法で行われるため自ら操縦する必要はない。そして突入を開始した。これより最後の戦いが始まろうとしていた。

小型飛行船に乗り込むと起動し、門の内部へと侵入を開始する。景色が変わると火山が噴火し大地は黒く変色しており無惨な光景だった。まさに地獄ともいえる。


「獄界の門の内部は地獄へと繋がっている。ここで死ねば亡者になる。」

「ハザマはどこだ……」

「奴なら……あそこだ。見えるだろあの巨大な塔が…。」


窓越しに見えるとてつもない巨大な塔が聳え立っている。モニター越しに人が徘徊しこちらを見ている。白い装束を見に纏い胸に鎖が延びている。


「門に近いものから罪が軽い奴らだ。最深部に行くにつれ強大な力を持った亡者が捕えられている。そしてハザマは最深部にいる奴等を手駒として利用している。」


話している最中にアラームがなると爆発が起きた。船には損傷が無いものの爆発が続く。モニターを確認すると亡者らが魔法をこちらに向けて放っている。


「どうする?」

「俺……」

「「俺たちで足止めしてやるよぉ」」


扉を開け飛び出したのはフレイたち滅魔魔法の使い手達だった。


「お前ら!」

「ここは俺たちが足止めしてやる」

「てめぇらは早くハザマとかいつやつを倒してこい。」


グレンが足場を作り黒い大地に降り立つ。数百万と言える軍勢が押し寄せる。そしてなぜか四騎将のユノ・アルトラが混じっていた。

しかも生身の肉体ではこの地獄の空気には耐えられないが事前にヒルドが状態異常の魔法を掛けておいた。


「死ぬなよ!」

「おめぇもな!」


イツキは拳を握りしめながら5人を見送った。飛行船は次第に見えなくなっていった。


「行っちまったな。」

「残ればよかったかグレン。怖じ気ついたか?」

「そういうお前は……なわけないよな。」

「貧乏くじでもあの世界を守れるならよぉ!俺たちは喜んで飛び込む。」

「行くぞ……平和がまっている。」


数万の軍勢に走り出したリンクたち。


《アイスメイク》【氷竜鎧ドラゴンアーマー氷滅剣アイスソード

第二魔法セカンドマジック》【風魔装フェイルー

《炎王装》【炎王ヒート灼熱鎧クラルーガ

《破壊装》【破滅エンディエラフール

術式着衣クラナスアームズ》【あまつ


各位それぞれの鎧を発動して亡者に飛び掛かっていく。黒い血に染まりながらも懸命に戦っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ