地下墳墓
コウガは痛みで目が覚めた。身体を調べると、右肩の骨に罅が入っているだけで致命傷となるものはなかった。肩を抑えながら他はあたりを見渡すと真っ暗だが、わずかな光が差し祭壇みたいなものがあるのがわかった。
「っ…ここは…。」
「ここは歴代魔王が勇者に倒された忌々しい場所だ。だが今はどうでもいい。ここで貴様を葬る。」
巨大な斧を振り回してコウガへと襲いかかる。コウガはサクヤで防御しようとしたが激痛が走り、よろけてしまう。その隙が生まれたことにより反応が遅れカグツチで防ごうとする。カグツチで防ぐことには成功したが魔王の斧による衝撃波で吹き飛ばされ、吹き飛ばされた。コウガは壁に叩きつけられ血を吐いた。
「くそ…片目が…。」
コウガは左目を押さえながら立ち上がる。回復魔法を掛けるが塞がらなかった。それはあの斧には強力な呪いがあり簡単には治らない。
コウガは服を破り、左目を抑え眼帯のように応急処置ぐらいしかできなかった。
「その傷で何が出来る?そのうえ身体もぼろぼろだ。どうだ?貴様の命と交換にこの戦争終わりにしてもいいが?」
「それも…いいかもな。これだけの傷を負わされた。間も無く俺は失血死する。」
『こ、コウガはん!』
「ほうなら…。」
「だか断る!」
「なに?」
「たしかに俺の命でこの戦争が終わるなら安いもんだ。だかなぁ勇者がここで心が折れてしまったら、散って行った仲間たちに申し訳ない。だから俺は俺の責務を全うする!」
「そうか…なら問答する必要はないようだな。」
コウガはサクヤとカグツチを構えながら魔王にそう伝える。魔王はがっかりしたような顔でコウガを見つめると背中から無数の触手のようなものを出現させた。
「ならば死ね!」
「っち!」
脇腹に激痛が走る。コウガは一瞬目を離すと脇腹に触手が刺さっていた。凄まじい速さで触手が放たれたことにコウガは焦りが見え始めた。
【加速する触手】
【回転する触手】
【灼熱の触手】
コウガは右目の視力を強化させ、サクヤの気配探知強化を発動させ索敵範囲を広げる。
「無駄なことを…なぜそれがわからぬか!」
《天音剣術二刀一式》【仙刀天眼】
カグツチを逆手にして回転する。無数の触手は粉々となり消えていく。
《二刀二式》【天日回刀】
縦回転しながら魔王へと強襲するが届かなく弾かれてしまう。魔王は無数の魔法陣をコウガへ展開して逃げ場を無くす。
「散れ!」
《魔導魔法》【爆裂波動】
「しま…」
コウガは反応が遅れ魔法を喰らってしまった。止まない魔法が次々にコウガへと襲いかかる。