情け
マリアはすべての敵を撃ち落とした。アーサーの魔力が突如消えたことに気づいた。立ち止まらず走りづつけるマリア。
(狼狽えるな……耐えろ生きろアーサーの分まで!っ殺気!)
まだ敵がいないか確認すると空に熱源があることに気づいた。空を見上げると男が立っていた。
「優秀だな。しかしまだ未熟だな。」
その人物は天獄の墓碑連合長のヒルドであった。マリアは直ぐ様ヒルドに目掛けて炎弾、雷弾、幻弾など装填して放つ。弾がヒルドに向かってくるが動こうとしない。
《幻惑》【惑わされる幻影】
弾がヒルドをすり抜けた。マリアは驚いたが違う弾を装填して撃ち放つ。弾が拡散してシャワーのように降り注ぐ。
《錬成》【空魔光壁】
弾のシャワーをヒルドは錬成術を使用して空気と光の壁を作り防いだ。マリアは荷電粒子砲に変化させそれを放つ。が壁を破壊する事ができなかった。
《光符》【断罪の光剣】
呪符で光の剣を作り射出するが、それもすり抜けて当たらなかった。そのほかの呪符でも試したが効果が無かった。
「……ならぁ近接戦闘で!」
遠距離攻撃が無理と判断したマリアはワークスビットを牽制のために放ちつつ、銃身を刃へと変化させ突っ込んだ。
《天音剣術玖之型》【神天峰】
空気の壁に刃を叩きつける。この技はマリアが習得した技である。1度の攻撃に5度の打撃を与える技。それを使用して壁を破壊して次の技を放とうとしたときマリアは重力に押し潰された。
「がぁぁぁあ!」
《重力魔法》【ペルシードグランディエーラ】
弾丸を地面に撃ち込み重力魔法を強制的に無力にさせた。マリアは身体全体に罅が入っており立つのもやっとだった。マリアは次々に魔法や技を繰り出すが効かなかった。ヒルドは全ての技を見せてくれた情けを掛け眠りの魔法で眠らせた。
「貴様らは強くなる。俺の目的はお前らじゃない。殺しはしない。」
ヒルドはマリアを置いていき消えていった。ここにユウヤたちがやってくる。気絶しているマリアをレナに治癒してもらった。警戒しつつユウヤたちは休むことにした。