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それぞれの思い

海での戦闘はカリンの登場により状況は悪化していた。ほとんどのオプションワークスが使えなくなってしまった。カリンのデモンズトリガーは相性最悪の代物であった。


「どうしたの?何か見せてくれるの?それとももう打ち止め?」

「な訳あるかぁ!」


リカは立ち上がる。どんな不利な状況でも諦めないと誓った。あのときから……


「俺はあんたに近づくためにいつも努力はしてきた。」

「努力ねぇ……そんなんだから落ちこぼれなのよ。あんたは私のスペアでしかない。どんなことがあろうとも私には勝てないのよ。」

「やってみねぇと解らねぇ!」

《ワークス》【武刃タケミカヅチ】

「ラクエイに見せたやつね…いえ、少し違うわね。それだけは美しいわ。」

「妖刀……村雨」


タケミカヅチにワークスして妖刀を呼び出した。

リカはカリンに向かって走り出す。カリンはメデューサの能力を発動する。しかし妖刀の力により跳ね返りダークトリガーが石になった。カリンは解除する。それを好機とリカはそのまま走り出す。カリンはリカの刃に傷をつけられた。村雨の侵食が始まる。カリンは服を破り胸に埋め込んであるトリガーをリカに見せた。


「とっておきを見せてあげる。裏トリガー発動!」


胸に魔力を流し黒い霧で覆われた。霧が晴れると黒い翼をはためかせ変貌したカリンが姿を表した。


「これが悪魔因子のトリガーを人体に埋め込んだ最高傑作。それがルシファーよ」


カリンがリカの目の前に現れる。リカは村雨にて防御する。村雨の刃を破壊し胸を貫かれた。


「あら死んじゃったの?」

「ざ、雑草の戯れ」


リカは雑草魔法で蘇った。しかし息を吹き返しただけで傷は治っていない。オプションギアで応急措置をし折れた村雨を構える。


「あらそんなしょうもない魔法あったわね。」

「あんたに……追い付く。来い紅桜」


淡い桜色の刀身が顔を表した。リカが一から鍛造した最高傑作の刀。

カリンは地中から鎖を射出しリカを縛り上げた。


「さぁ痺れなさい。感度150%」

「あぁぁぁあぁぁぁあ」


電撃がリカを襲う。刺激指数が上がり気絶しそうな激痛がリカに伝わる。リカはそれでも鎖を破ろうと足掻くが激痛が続いてついに気絶してしまった。


「まだまだいくわよ。」


気絶してしまったリカを続けて電撃をくらわせる。リカは夢を見た。それは無能だった地球での出来事を……カリンに追い付くために何度も努力した。しかし追い付くところか離されるばかり。神にカリンを上回る力を得てからもしこの世界に現れた対策を取っていた。それでも追い付かない。リカには何が残るのか……それは仲間を思う気持ちだ。仲間がいたから最高の物が出来上がった。


「…………」

「どうしたの?」

「負けねぇ……もう負けたくねぇんだよ!」


リカは無理やり鎖を引きちぎった。カリンはそれに驚きリカから離れる。


「紅桜……俺の命を吸い奴を倒せ!!」


紅桜がリカの命を吸い始めた。紅桜は命を吸うことで力を発揮する。不死のリカにとって命はもうどうでもよい。カリンを倒すためならなんでもやると。


「命を吸うって貴方は…」

「奥義……」


カリンは反応することができず木っ端微塵となった。


【妖桜舞散】

「ばぁ馬鹿なぁ…。」

「ありがとうな…ねぇさん?さらに俺は強くなれる。」


カリンに感謝しこの戦闘は終結した。リカは倒れそうになるが紅桜を杖代わりにしなんとか踏みとどまった。重症ではあるがまだ戦争は終わっていない。勾玉が現れると消えていった。


絶望に落ちたカイトの魔法は以前より威力が増して強力になっていた。血鎌で跳ね返そうにも弾幕が襲いかかるため避けるしかなかった。


「どうしたお前の力はそんなものかぁ!」

《闇符》【刻まれる闇の手】

「糞が…。」

《血符》【血盟の盾】

「ユウ!」


闇の手がユウヤの盾を通り抜けて拘束させる。

レナが支援魔法を放とうとしたときユウヤが止めた。

拘束を血の刃で解いて次の妖術を発動するが無効化されてしまう。


「レナお前は見ていろ!」

「…わかった。」

「足手まといがいると可哀想だなユウヤ」

「レナは足手まといじゃねぇよ。」

「俺はなぁ?邪魔だったリースを殺したよ。この手でな!」

「!!」


リンテス聖国の王女をカイトは殺していた。常に付きまとわれていた。絶望に落ちる前から彼女は鬱陶しくて邪魔な存在であった。敗北を重ねてから強くなろうと努力しようとしたが彼女が邪魔をして修行にもならなかった。あの王女がいなければと思ったときあの方…敵であるはずのハザマがやって来た。

【強く成りたければ殺しなさい。そうすれば力が手に入る】

その言葉をカイトの心に響き闇に落ちた。彼女を手に掛けた。そしてハザマの力の一部を手に入れることができた。しかしカイトは満足しなかった。殺したいという衝動に狩られ自身の使い魔をも手に掛けた。そうして強くなっていった。ユウヤを殺せばカイトはさらなる力を持つと信じた。


「てめぇは仲間を殺して満足か!」

《血符》【赤血剛魔球】

「満足いや……渇いているこの渇きはぁ!ユウヤを殺して潤うんだぁ。」

《闇符》【無妙】

《妖嘛解放》〈渇望〉


妖嘛を解放するカイト。その姿は黒い瘴気が身体全体に纏わり付き獣と成り果てていた。

血で作られた球を斬り裂きながら高笑いしながらそう言ってくる。


「狂ってやがる……なら俺がお前を討つまでだ!」


ユウヤはオプションワークス【死鎌しにがま】を発動する。両手に鎌を持ち和服姿となった。


【刈れ死鎌】


空を駆け死鎌を投げる。鎌が回転しながらカイトに襲う。カイトは黒い瘴気で魔剣ダーインスレイヴと呼ばれる武器を作る。それは血を吸い尽くすまで暴れ続ける最悪の魔剣である。ダーインスレイヴで死鎌の回転を受け止め、ユウヤは左手に持ってあるもうひとつを投げる。回転しながら片方の鎌に繋がれている鎖を引き体勢を崩す。カイトは肩に鎌が突き刺さった。


「それがどうしたぁ!」

《乾符》【果てる絶望】


肩に突き刺さった鎌を抜き鎖を引っ張る。それの反動でユウヤはカイトに引き寄せられた。カイトはダーインスレイヴを振るう。ユウヤは無理やり体を捻らせてそれを避けた。地面に脚が着くと同時にカイトを蹴り死鎌を引き寄せた。回転しながら着地した。


「お前に殺される俺ではない。」

「いいねぇそうこなくちゃあなぁ!」


激闘はまだ続く。

ユウヤは修行で強くなった。それは初代巻き込まれと戦ってわかった。それでもユウヤはまだ弱い。それは強敵に合っていない。まだ臨界点を突破してないからだ。血鎌は共鳴し始めた。


《血鎌臨界点突破》

【血に濡れ時を狩る鎌クロノス】


ユウヤは臨界点を突破した。血鎌は漆黒に染まり命を刈り取る死神のような鎌になっていた。


「な、なんだよそれは」

「問答してる暇はない。」

《対象選択》【神経】


ユウヤはクロノスを振るうと後ろに時計が現れた。針が回転する。カイトは黒餓鬼を落としてしまった。持ち直そうとするが手が言うことを聞かなかった。


「何をしたぁ!」

「クロノスは対象を刈り取る能力を持つ。しかしクロノスを所有するには条件がある。俺が神にならなければ所有者としてみとめられない。これが証拠だ。」


それは神の証拠である羽が表した。死を司る冥炎神に昇格したユウヤである。クロノスの使用の代償は時間である。命の時間を奪われる。しかし神となったユウヤにとって時は小さい代償としかない。人間界での死を迎えれば冥界の王補佐として仕事することとなる。



《対象選択》【魔力】


カイトの魔力を刈り取り魔力が失われた。そして視力と聴力をも刈り取った。


「聞こえないだろうが……今まで楽しかったよさよならだ親友…。」


そしてユウヤはカイトの命を刈り取った。カイトは人形のように倒れ死んでしまった。クロノスを解いてカイトのもとへ近づいて涙した。レナがユウヤの背中を抱き締めた。


「なんでだろうな……。」

「ユウは悪くない……。」

「なさけねぇよな……なんで涙が出るんだ悲しくないのに。」

「それはあの人を友達と親友として見ていたからじゃない?」

「そう……かもな。自分てめぇがどれだけ嫌ってようとも長く付き合ってれば少しは思っていたのかもな……もし。」

「わかってる。何も言わないで……。」

「レナ……ずっと居てくれるか?」

「当たり前でしょ……ユウが神さまになっても私は貴方と添い遂げる。」

「ありがとな…レナ。」


レナは暫くの間ユウヤを抱き締めていた。レナもまた癒天使に昇格した人物である。ユウヤが神になったことでリカが神を紹介して天使にしてもらった。これから悠久という時を二人は過ごすことになる。


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