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守護者となった退魔師と勇者の異世界譚  作者: 黒猫
異世界からの訪問者
19/219

問題児が地球から来たそうだよ。

勇者との決闘があった日の翌日…


「子供たちの生け贄か。」

「えぇ。」


朝イロハとの鍛練をしたあと、学園に霊体になって着いていき、午前の授業を受け終えた後、いつものメンバーと一緒に昼食を取っている。不意にそうヒナ生徒会副会長から話を聞かされる。


なぜ副会長がと思った。


「イツキ君……君はなぜ私がいるって顔をしているわね?それは貴方に興味が湧いたからよ」

「それはまた。」

「君の力の秘密を知りたいからよ……まぁそれは置いといて、昨日、ギルドに行った時にマスターから聞いたのよ。なんでも最近、東町の方で行方不明事件が多発していて、その行方不明になった人達は全員、何処かに拐われた子供たちを利用して生け贄が行われているって噂が密かに流れているらしいの。」

「まったく。この国では生け贄なんて禁止されているってのに・・・そんなやつらは滅びればいいのに……」


ヒナ副会長の言葉に対し、イロハがため息混じりにそう言う。

生け贄召喚が禁止されている国で密かに行われる悪魔召喚の儀式・・・その儀式は子供の未発達な魔力を動力源にして発動する禁忌の召喚方法である。

全くもって王道で愚かな行為だ。


「しかも、その噂によるとね。東町の領主がそれに加担しているみたいなの。」

「あの善人で有名な?」

「えぇ。」


因みにこの国では城下町が東西南北に分かれていて、それぞれ一つずつ領主が存在している。

そして、王が犯罪歴のない人間を選定し、その領主が選ばれその町の納めている。


「領主が加担しているんなら、今まで生け贄召喚の実態が明るみにされなかったのも納得できるな。」

「おや?フレイにしては珍しくまともなことを言うね。」

「もしや…フレイの…偽物?」

「いやいや!!なんでそうなるんだよ!?俺は本物!!本物のフレイ・ハイトだ!!」

「因みに、その領主は?」


なんかリリィとシェリカに無視されているフレイを無視して、私はそうヒナ生徒副会長に尋ねた。


ちなみに


フレイ・ハイト

炎を司る貴族の生まれ。

バカではあるが仲間思い……戦闘に関しては先陣を勝って出る。

ギルド【夜桜】マスタークリスの弟。

武器 手甲【ヴァランガ】


シェリカ・ダーク

闇を司る貴族の生まれ。

あまりしゃべらない。

武器  クナイ【クラーク】


「クリスからの話だと、スゲイ・ゲハっていう領主がやらかしているっ言っていたわ。しかもそのスゲイって人、最近、貧しい子供たちを集めているみたい。」


ふむ。生け贄召喚の為に子供たちを集めているに何をしているのやら……調べてみるか

でもまぁ、多分この生け贄召喚は主人公(一応)のコウガが潰すだろうから、俺は別に気にすることないか。


その後、皆で仲良く昼を食べ終えた俺達は普通に午後の授業を見ていたが、


(マスター。駄神様から“念話”での通信が入ってます。)


リクが“念話”でそう伝えてきた。

リクの能力で神からの通信手段を作った。


ん……あの駄目神からの通信?何なんだ?いきなり・・・


(繋げてくれ。)

(了解しました。)

(おっはー♪イツキ君♪元気してるぅ~~~?)

(元気だ。今、護衛中なんだが・・・)

(あぁ~~~大丈夫すぐ終わる用事だから)


すぐ終わる用事かぁ。


(で、用事とは?)

(ん~とな。そっちに新しい子、送っちゃったから♪てへ♪)


・・・・・・・・・(゜Д゜)

(ちょっと待て!!送っちゃったってどういうことだ!?)

(いやぁ、ごめんね♪儂、またちょっとミスをしちゃって♪しごめんねぇ〜)


ミスをしちゃって何だよ!?今度はテンプレなチート転生か!?


(うーん♪転生とはちと違うのぉ・・・間違えてそっちの世界にトリップさせちゃった♪テヘ☆ミ♪)

(テヘ☆ミ♪じゃない!!トリップってそれ、転生よりもヤバいではないか!?)


ようするにその子はあいつに会って能力とかを貰うこともなく、いきなりこっちの世界に飛ばされたってことだろ!?


(まぁ、能力とかはそっちにトリップする際、自動で特典のようなものが付いていると思うから、心配ないと思うんじゃが・・・)

(じゃがって?)

(その子がトリップした座標、生け贄商の目の前。)

(最悪ではないか!?)

本当に何してくれてんの!?この野郎!!


っていうかこのせいでトリップしちゃった子、本当に散々じゃね!?

訳もわからないまま、異世界に来ちゃうわ、来て早々生け贄商に捕まって生け贄にされそうになってるわってそれ、踏んだり蹴ったりも良いところだ。


(はぁ・・・で?とりあえず俺は今日中にでもそのトリップしちゃった子を生け贄から救出並びに保護をして、ついでにその召喚を潰せば良いのか?)

(そのこと♪じゃあ、よろしくねぇ~あぁそうそうその召喚は子供たちの魔力を集めて悪魔を呼び寄せさせようとしている。)


最後に神は“念話”で真剣に話し出した。


(それは事実か?)

(そうだ……その召喚は周りを巻き込んで失敗することになっている。儂の力ではどうにもならん……止めてくれるか?)


・・・トリップっ子を救出して、召喚を潰した後、子供たちを救いだす。

午後の授業が終え、イロハに


「ちょといいかイロハ。私はこれからちょっと出かけてくるから、留守番の方をお願いする。」

「わかった。」


イロハにそう見送られながら、俺は転送の呪符をそう言って、渡し教室を後にした。


教室から出た後、学園の屋上に立って街並みを見下ろしながら、私はそうリクに確認する。

とりあえず私は耳を強化して、王国から聞こえてくる“声”に耳を傾ける。

すると、ある一点から恐らく生け贄一歩手前の人達のものであろう悲痛な“声”が気持ち悪い程聞こえてくる。


「ふむ。儀式の会場はあそこの地下か……」

『世も末ですね。マスター。』


まったくだ。救いを求める人々を救済するため領主の屋敷の地下で非人道的な儀式召喚とは・・・神も仏もありゃしない・・・

教会の地下から聞こえてきた“声”の中に紛れていた、聞き覚えのある“声”に僕は思わず頭を抱えそうになる。


「・・・なんで君まで捕まっているんだ?先程までイロハと一緒だったのに・・シェリカ・ダークネス」


さきほどまでイロハらと一緒にいたシェリカ・ダークネスが捕まっていた。あれほど話してたのに…まぁいい助けに行こうか。


~シェリカside~


イロハたちと……別れたとき……捕まってしまった。


「うっ・・・うぅ・・・お母さん・・・お父さん・・・お姉ちゃん・・・」


私の隣には……さっきからそうやって……泣く……黄色髪の幼女……

隅には……虚ろな目をしている……金色の髪……の女の子……目を閉じて落ち着いて気品のある青髪の女の子


「オラァッ!!出せや!!ゴラァァァッ!!!」


ガンガンガンッ!!


鉄格子近くには……黒髪の女の子が……枷を着けられた……両足で鉄格子を……蹴っている……心なしか鉄格子が……若干歪んでいる……

とまぁこうも……違う三者三様の……反応を……見たら冷静にも……なるよ

とまぁそんな……ことを思っていると……


ガチャッ!!


「おい。生け贄共……喜べ。悪魔への供物になる時間だ」


ハゲのムキムキの……男が下衆な……笑みを浮かべてきた……


「次はてめぇだってよ。」ガッ!!

「あっ!?」


男はそう……言うと一人の……金髪の……女の子の……髪を掴んできた……


「痛い痛い!!髪を引っ張らないで!!」

「おい!!乱暴は止めろ!!」


さっきの黒髪の子が……そう……言ったら


「うっせぇ!!このガキ!!」


男がそう言って……拳を……振り上げた……その時


「生け贄になるのきみだよ。」


「「「!?」」」


突然何処からか……うさちゃんと描かれたシャツの人が……そう言って出てきた

「「「・・・」」」


突然の人の……登場にその場は……静まり……かえる が……


「・・・ダ・・・」


「ん?」

「万年思春期!!キターーーヾ(=^▽^=)ノ!!!」


バキィィィンッ!!


さっきの……黒髪の子が……その人を見ながら……そう言って両手と……両足の枷を……力強くで……壊した

余裕あったじゃん……


「なっ!?魔力封じの枷を自力でブッ壊しただと!?」


あっこの枷……魔力封じ……だったんだ……道理で魔法が……使えないと思った


「うわぁ~~~♪まさか、こんな所で万年思春期さんに会えるなんてぇ~~~♪うん♪オレ、もう今、死んじゃっても良いかも~~~(´∇`)♪あれもしかしてここ神界ヴァルハラ?」


そんな男を無視して……そうはしゃぐ女の子……

うんとりあえず……落ち着いて……


「ちっ!!ふざけやがって!!この野郎!!」

「うわー紫の色…。気持ち悪!」


そんな人に……殴りかかろうと……する男……だけど……


ザグ


「!?」ビクンッ!!


突然胸を刺された男は……苦しみだし炎となり……消えた……なぜ?


視点は変わり、儀式の地下牢屋に無事潜入することに成功したイツキだ。

顔が割れないようにするため、妖力兵装リクを見に纏い潜入したら、黒髪の少女がすごいハイテンションになりながら、自分の両手両足に着けられていた枷をブッ壊した。

絶対この子がトリップっ子だな……

で、そのトリップっ子に俺を殴りかかってきた商人を、分解を纏った刀で突き刺し分解させた。


「とりあえず、妖術でこの地下牢屋の空間を切り取って、時の呪符でこの地下牢屋内での一日を、向こうでは一秒ってことにして……振動の呪符でこの地下牢屋内の音や声が漏れないようにしないと・・・」


「あ……変な人だと思ったけど…イツキじゃん……」


ってえ?

何故ばれた


「誰のことを言っているの?私は『掃除屋 』といわれるよ。」

「とぼけてもダメ……魔力が感じないしイツキと同じ力を……感じ。」

「へぇわかるんだ。」


くっ……まさか、シェリカが魔力探知ができるとは…できるね。

仕方ない


「頼むよ。シェリカ・ダークネス。我がこうしてこれを潰しに来たことがわかると、色々と面倒なことになる。だから、このことはここだけの話にしてよ。」


とりあえずシェリカに急接近しながら、俺がそう言って、シェリカに頼み込んだ。

「わ、わかった……わかった……から……離れて近い……///」

「……」


うん。離れるとりあえずは離れます。

離れたはいいがシェリカ・ダークネス

なんであなたは顔を赤らめている?しかもピンクの色だし。

え?なにこれ?まさか風邪でも引いているのか?

それは気にしないでおこう。


「まぁ、とりあえずは全員分の枷と首輪を外すか。」


とりあえずシェリカのことについては気にせず俺はそう言って、生け贄一歩手前達全員に着けられていた両手両足の魔力封じの枷と、力強くで外そうとすると爆発する特殊首輪を、消滅の呪符を使って全員分斬る。


『!!?』


生け贄一歩手前達はさっきまで自分達に着けられていた枷と首輪が突然斬られ消滅したことに驚愕の表情を浮かべる。


「ちょwww思春期さんなのにお兄さんの能力ってwww あのさぁ。ちょっといいか?」

「ん?なにか用?可哀想な子よ。」

「可哀想って言うな!!オレには黒牙理科クロキバリカって名前があんだ!!」


俺がそう言ったのに対し、トリップっ子、理科はそう言う。

っていうかこの子、オレっ娘だったのね。

「で、なにか用?黒牙理科。」

「理科でいい。んとな。ここってもしかして地球じゃないのか?」


え?なにその今更な質問?


「え?今気付いた?」

「え!?じゃあ、ここってつまり“異世界”ってやつですか!!」

「まぁ、私や君からすればそうなるね。」

「マジかぁ~~~」ガクッ


ここが“異世界”だとわかった途端、理科はわかりやすいようにorzの状態になる。

っていうかマジでさっきまで気付いてなかったのかよ目の前に生け贄商人が居ればすぐに気づくかと思ったが…意外に馬鹿かな

「ここが“異世界”っていうことはアレですか?オレ、知らない内に死んじゃって、“異世界”に転生したってこと?それならせめて何か能力を・・・」

「いや。正確に言えば、きみは死んだ訳じゃないからね。あと、能力スキルなら多分ある程度はもう貰っていると思うよ。」


orzの状態で何かぶつぶつと言っている理科に対し、僕はとりあえずそう言う。


「え?オレ、死んではいないの?」


「そうだよ。君の場合は転生じゃなくてトリップ。つまりただ飛んできただけだよ。まぁ、原因はこっちの世界の世界神ゼウスとかいうんだけど。まぁミスなんだけど。」

「よし。今すぐそいつを連れてこい。ポッコポコにしてやる☆」

「ここを潰したら一緒に潰しに行こうよ。我慢してね。」

「で、オレはもう能力を貰っているってマジですか?」

「それは本当だよ。現に君はさっき自力で魔力封じの枷をブッ壊したよね。」


どう考えたってトリップする際の世界からの影響を受けてるだろ。


「あぁ~~~」

「イツキ……」

「ん?何かな?シェリカ・ダークネス」

「ほとんどの……人が無事……逃げたよそれとシェリカでいい……」


そう言うシェリカの近くには金髪と青髪の女の子しかおらず、後はほぼ全員を銀の舞台幕で逃がした。逃げなかったのは帰る場所がなかったからだ。


「礼は言うよ。とりあえずシェリカも早く逃げなよ。」

「私に…手伝えることある?」

「大丈夫だ。ここは危ないよ。……私に任せて、ほら。寮のシェリカの部屋へ。」


首を傾げながらそう言うシェリカに対し、俺はそう言いながら、寮のシェリカの部屋と地下牢屋を思い浮かべさせ、シェリカをほぼ無理やり部屋へで転移させた。


「あ、あの・・・」

「ん?何かな?」

「ありがとうございます・・・助けてくださって・・・」


シェリカを強制送還した後、今度は青髪の女の子がそうお礼を言ってくる。あれ付け忘れたか


「別に礼などいらない。私は私のやりたいようにやっただけだ・・・」

「それでも、あなたが私達をお救いくださったことには変わりありません。私は『イース王国』、第二王女、フェルト・ルー・アルカディアって言います。」


マジですか。まさかの第二王女様でしたか。


「あの。よろしければ、あなたのお名前を・・・」

「『掃除屋 』。それ以上でもそれ以下でもないよ。」

「ですが、それではあなたへのお礼が・・・」

「礼などいらぬ。『アルカディア城』の王室へ。」


俺はそう言いながら、今度は強制的にフェルト王女の記憶を読み取り、お城の王室と地下牢屋を繋げて無理やり転移させた。



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