絶望
皆は魔王の城を目掛けて分断し走り出した。まず勇者組は空に展開する魔族を対処する。マリアがオプションギア破壊の聖母の改良型である【不羅盾・雲龍】を同時召喚する。不羅盾が音波を発生して敵を破裂させていく。雲龍は魔法を反射する。反射して敵魔族を壊滅させる。
「お前ら先に行け!」
「いいのか?」
「あぁ…進行ルートを切り開く!ワークスビット展開!乱れ撃つぜ!」
射撃型特化の完全武装【射天撃】はシールドの内部よりビットが射出して敵に向かって移動しはじめる。ランダムで移動するビットに翻弄されている魔族が次々に撃ち落とされていく。道が開くとユウヤとコウガは走り出した。二人を守るようにシールドが展開される。マリアは空へ掛け敵を撃ち落としていく。
ユウヤとコウガは中央公園だった場所にたどり着くと深い霧が立ち込める。その霧からあいつが現れた。
「なんでお前がいるんだよカイト!」
聖国の勇者で行方知れずだった勇者カイトがいた。しかしあの時の面影はなく闇に染まっていた。
「何って…お前らを殺す刺客だよ。あの方より賜った十本指の食指を受けた絶望の勇者だよ。」
「はぁいつも迷惑かけて困らせる。お前ってやつは……勇者の分際でなに闇におちてんだよ!あぁ!」
今まで見せたことのない怒りの形相を見せたユウヤ。地球でもこんな怒りを覚えたことはない。
「コウガ……」
「わかってる。死ぬなよ。」
「ありがとな。」
ユウヤの心情を悟ったコウガは魔王城へ向かっていく。
「止めなくてよかったのか?」
「俺はな?まずお前の絶望する顔が見たいのさあ!」
「そうかよならお前を殺す!」
ユウヤは【血鎌】を振り回しながら構える。カイトは真っ白だった白峰が漆黒に染まっていた。白峰は黒餓鬼と名前を変えていた。二人が動き出す。ユウヤが雷弾と水弾を同時に放つ。黒餓鬼はそれを弾き血鎌とぶつかり合う。
「弾けろ。」
カイトの言葉にユウヤの身体から血が吹き出した。黒餓鬼を弾き距離を取る。何をされたのかも分からなかった。ユウヤは血を拭いて血鎌を構え直す。
「てめぇ」
「絶望しろ。」
「誰がするか!」
《雷符》【招雷】
「こい。」
《闇符》【影穴】
雷は影の穴に消えていきユウヤが雷に喰らい膝をつく。
《血符》【赤血躁矢】
親指を噛み切って手を叩き、自らの血を弓矢へと変換させ矢を放つ。矢は生きているかのように動きながらカイトへと向かっていく。影穴を使用する。しかし血の矢は穴に引き込まれず消えていく。矢は囮だった。
《血符》【血班駆動】
《血符》【血盟剣】
血の流れを活発化させ、カイトの懐へ飛び込み血の剣を顕現させ首元へと向かう。
しかしそれを避けて後退する。
「へぇやるねぇ。」
「お前こそな。」
2人は見せたこともない顔をしながら相対してした。