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闇と悪魔

エンデューロ支部は闇ギルドたちが集結しているとの情報を掴み、エンデューロ湾の使われていない倉庫に駆けつけた。


「灯台もと暗しとはこのことだな。」

「どうしますか?」

「どうって……やるしかないんじゃない?皆いいね?」


ベルトの言葉に全員頷いて突入を開始した。ラルドたち数名は外で警戒を行い、残り10名は薄暗い倉庫内に入るが誰も居なかった。デマであろうと思ったが


「来たか…。歓迎するエンデューロ支部長ベルト・ホーク」


使われなくなった荷積みの上で座っていた男がいた。突入したとき人の気配はなかった。なのに荷積みの上には数人の男たちが立っていた。


「お前は…。」

「俺たち闇ギルド連合《天獄の墓碑》連合長のヒルドだ。」

「ヒルドだと…あの悪竜の尻尾マスター……それに闇ギルド連合?」

「そうだ我ら闇ギルドは獄界の門を開くため結成された連合だ。」

「獄界の門?」

「貴様らに教えるつもりはない。何故ならここで消えるからだ。」


ヒルドが手をあげるとベルトの頭に銃口が向けられた。その人物は……


「何してるの?クレースくん?」


それは右腕と慕っていたクレース・ユース副支部長だった。


「彼らに情報を流したのは私です。それに私は支部に潜入していた闇ギルド≪飢餓の種≫マスターですよ。」


飢餓の種の闇ギルドはマスターが50年間不在のギルドである。誰もマスターを知らない知ってはいけないという暗黙のルールが存在していた。だが副マスターは継がれることに知ることがある。だが50年もの間姿が変わっていない。彼はエルフだからだ。


「やれやれこういうことか……最近こそこそ動いているとは思っていたけど……。」

「知っていたんですね。」

「何年君と組んでいたと思っている。」

「なら罠とわかってここに来たんですか。」

「罠だからだよ。ここで君たちを拘束するためにね。」


ベルトは振り向くと同時に大蛇を抜き、クレースの銃を破壊した。クレースはヒルドのところまで跳んでいく。


「久しぶりだなクレース。」

「そうですね。」


隊員は副マスターの裏切りに着いていけず唖然としていたが、ベルトが声をあげ冷静さを取り戻させた。


「クレース……裏切りの罪は分かっているね。それは死んで償ってもらう。」


ベルトは大蛇の刃でクレースを斬りかかった。しかし届かなかった。ヒルドが刃を片指で掴んでいたからだ。


「俺を無視すると酷いな。」

【黒雷】


黒い電撃がベルトを襲うが、大蛇を放し電撃を避けた。ベルトは隊員らに逃げるように促し後ろを振り返ったが誰も居なかった。


《隠魔法》【神隠し】

「お仲間なら全員は冥府に降り立った。」

「余計なことするなよ。モリス。」

「貴方だけに楽しみはあげないよ。連合といっても利害が一致してるだけだからな。」

「まぁいいか。覚悟はいいか?ベルト・ホーク。」


ベルトは5人までなら相手をすることができるが10人もいるとなると骨が折れる。いやな汗が垂れるが倉庫の壁が爆発した。


「みんなの気配が消えたと思ったら…まさかクレース副マスターが裏切ったとか……闇ギルド連合ができたとか聞こえたけど面白いねぇ…まったく。」

「ラルド逃げろ!」

「逃げろだぁ?あんたいつからそんな腑抜けになったんだ。逃げるなんて漢のすることじゃねぇ。逃げるのは漢を捨てたときだ!」

追尾散弾オーティル


魔法弾がヒルドらを襲うがモリスの隠魔法で魔力弾は消えた。


《隠魔法》【神隠し】


隊員らを消した魔法が発動する。しかしラルドには聞かなかった。新たなオプションワークスで空間を断ち切る刀《無限》を取り出した。小刀のいくさを取り出して構え直す。


「まったく君と言うやつは……。」

「落胆したか?」

「いいやその逆……燃えてきたよ」

「ならあいつらに見せてやろうぜ。エンデューロの底力をなぁ。」


「おもしろい。こいハエども。」


ラルドが戦を投げると上手いぐわいに敵を分断することができた。2人でマスタークラスの実力者を10人倒そうなんて酔狂とも言われるだろうが、ラルドの内心は震えているがそれを押し殺していた。


「いくぞ!」


ラルドは魔法弾を各種展開させ、発射させる。モリスが神隠しで消し、その背後に別のマスターが氷魔法で追撃する。ラルドは小刀型オプションワークス「戰」を投げ軌道を反らす。影魔法にてラルドの自由が奪われ動けなくなってしまう。


「もらったぞ。」

「ふぅ……気配がダダ漏れだ。」

変異魔法弾クーフゥレア


ヒュレイ・ダルクスは《闇の邪人》のマスターである。彼がラルドに襲いかかる。ラルドは魔法弾は腕の動きで制御するが自由を奪われながらの操作は乱雑である。しかし魔法弾はヒュレイに直撃した。ヒュレイは傷を探し無傷を確認した。ヒュレイは風魔法を放とうとした時、ヒュレイの身体に7つの刻印が浮かび上がった。


《7つの刻印に滅せよ》

七星刻印グランシャリテーゼ


ヒュレイは青い炎に燃やされ絶命した。影魔法が解除され自由のみになったラルドが反撃をかいしする。


     変異追撃弾

        +

      強化 散弾

        II

       星砕弾セーレブラスター


魔法弾は進化し、星壊弾を編み出した。残りの4人に直撃する。ラルドは息を整えながら場を見据える。煙から一人の男が現れる。無傷である男の腕にはヒュレイの屍を掴んでいたからだ。


「危なかった。」

《影魔法》【刺影棘】


影が刃物となりラルドにきりかかる。ラルドは避けるが影は分裂し、串刺しになってしまった。


「がはぁ…。」


血を流すラルドは無理やり影を破壊しようと試みるが動けなかった。神経毒が回っており意識が混濁していた。


影毒シャトーポイズン

「貴様は私…レイ・レザルバに殺されろ。そして安らかに眠れ」


影の刃はラルドに向けられる。毒が回っているラルドは動けず反撃も出来なかった。


「ラルド!」

他人ひとの心配をしてるとは余裕だな。」、

「くそ…。」


ラルドの助けに行こうにも邪魔をされては行けなかった。傷が増えていくベルトも余裕が無くなっていた。刃がラルドに突き刺さるため襲いかかる。ラルドは影の拘束を破壊し刃をも破壊した。


「ラルド……?」

「ほぅ奴の悪魔の力が目覚めたか。」


ラルドに刺青と黒い角と羽根が生えていた。さらに時計が浮かび上がる。

ラルドとは別の存在となっていた。ラルドは幼い頃、父親に悪魔の血を無理やり注入されており、もうひとつの人格が生まれ変わった。


≪お前は弱いな。死なれては困るんだよ。ラルドよぉ≫

「何者だお前は…。」

≪何者かぁ?俺は俺だ!≫


悪魔のラルドが手をを上げると、背後に浮かぶ時計が回転し、レイは腐り骨となり砕け落ちた。


≪人間は滅ぼす。滅ぼす!≫


見境が無くなったラルドは倉庫を破壊し外へ出た。エネルギーをためここ一体を消滅させようとしていた。しかし


(俺の身体で勝手なことやってんじゃねぇよ)

≪がぁぁこいつ!≫

(俺の力だ。てめぇに奪われるわけにはいかねぇんだよ。出ていけ俺の身体だ。)

≪ぎゃああぁぁぁぁぁ≫


ラルドは自らの暴走を沈ませ、変身を解いた。膝を着きながら息が乱れていた。しばらくして息を整えるとベルトの支援に向かっていく。


≪てめぇの……情けない姿を見たら……また現れるからな……待ってろよ≫


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