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神巫と門

「姿が変わったところで……貴方の負けは哀しいことに決まっている。」

「それはどうかな?」

「あれ……妖術が発動しない?」


アイカは魔法が発動することが出来なかった。しかも大気中の妖力がイツキの元に集まっていた。


「この状態になったら全ての支配権は俺に移る。」「まさか……」

「支配下となった魔力でお前を潰す。」


イツキが腕を動かすとアイカの体が勝手に動き、自身に天符……黒穴を発動し吸収されてしまう。そのなかアイカは


「貴方は私より強い……けど!哀しいことにあと8人私より強いものがいる!ハザマ様もいる!おまえは……」


それを言い残し吸収されてしまった。だがそこに残ったのは勾玉だった。それをイツキは拾う。同調を解くと凄まじい疲労感が襲って座り込んだ。


「この形態は……消費が激しい……修行し直さないと。」


アイカとの戦闘はイツキが勝利をおさめた。

一方ラクエイとの戦闘をしているリカはオプションギア『タケミカヅチ』を使用して激しい戦いが続いている。鉄扇から放たれる電撃の斬撃を斬りつつラクエイの間合いを詰めるがうまく行かない。リカはラクエイとの距離を取り構えをとる。


(ふー)

「なんじゃ?アイカが殺られてもうたか……儂ら決着を着けようかのう?」

《雷符》【天よりの雷罰(ジャッジエンド)


鉄扇を振るうと強力な風と電磁波が発生する。その膨大な重量が放たれる。リカは眼を閉じたまま動こうともしなかった。


(今だ!)

十掬とつかつるぎ


それはリカを呑み込まなかった。いやその妖術が発動すると同時にラクエイの背後に瞬間移動し、タケミカヅチを納刀するとラクエイの中心から切れはじめ、再生することなく消滅した。そこにはアイカと同様に勾玉が落ちていた。

リカはオプションギアを解いてイロハたちもとへ歩いていった。イロハたちは傷だらけの二人を見ているだけしか出来なかったため拳を握り絞めていた。


「気にやむことなはい。イロハもよくやったよ。」

「でも…。」

「そうだぞ?イロハがユナを守ってやらなかったら俺たちが死んでいた。」

『そうです。十本指を倒してくれましてありがとうございます。みなさま』


ユナから神巫である『シエル』に成り代わった。


「その前に聞きたいことがある。」

『わかっております。ハザマたちが私を狙う理由ですよね……それは私の能力を覚えてますよね?』

「封印魔法だったか?」

『そうです。私の封印魔法は命代償にして発動しますが……その反対もあるんです。開門魔法があるんです代償は同じです。ハザマたちは開門魔法で獄界の門(デモンズゲート)を開こうとしている。』

「獄界の門?」

『獄界の門とは地獄から亡者を呼び寄せ、現世を混沌に陥れる最悪の黙示録とされています。』


~ヘンネの黙示録~

獄卒が現れラッパを吹く。その音で地獄より亡者が現れ世界を滅ぼすとされている。1000年前に一度起きた。しかし初代勇者たちが死に物狂いで止めたとされている。開門されぬようシエルが魔法にて閉門魔法にて封じ込めた。


「それと何が関係……」

「そうです。不完全でも命を代償にすれば、開門されますが閉門はできません。ハザマたちはそれを狙っているのです。』


開門されれば閉門魔法は使えず世界は滅びる。そして亡者は世界を蹂躙する。人間はいなくなれば魔族の楽園ができてしまう。


「それと勾玉は持っていますか?』

「それなら」


リカとイツキは勾玉を取り出した。勾玉は浮かびシエルの体内に取り込まれた。


『勾玉は私の力の一部です。封印魔法を施した際に私の力が世界に飛び散りました。それらは12個ありますが……恐らくハザマは10個を部下達に分け与えているでしょう。御二人は感じたはずでしょう。神巫の一部とハザマの一部を合わせたらどれ程の強大な力になるのかを……そして私の力を取り戻したとき封印魔法は私の命で発動することが出来るでしょう。ユナの無事は補償します。』

「そうか…それに二人を倒したから残り10個か……。」

『8個はハザマの部下そして残り2個は……闇ギルド≪悪竜の尻尾(レギオンテイル)≫のマスターと≪大疫の鬼(トライデントオーガ)≫のマスターでしょう。さらに獄界の門は悪竜の尻尾に押さえられています。そのマスターはハザマと繋がっているため……私を狙ってくるでしょう。』

「まぁ考えるのは後にして……帰ってから作戦を練るしかないだろ?」

『よろしくお願いします』


シエルは眠りにつきユナに入れ替わって倒れた。倒れたユナを抱え寮に帰っていった。



悪竜の尻尾本拠地


「神巫が目覚めたようだ。ついでに世界を滅ぼすのもの一興か?」

「そうでございましょう。ヒルドさま。」

「さぁみんな仕事を始めようか。」


闇の住人たちが動こうとしていた。これからさきは何が起きるかわからない。ヒルドという男は何を考えているのだろうか。


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