マスターとの腕試し
街中を歩くと一際大きなギルドがあった。【夜桜】と看板が立っている。中に入り、受付にて登録を済ませる。クエストボードを確認しているとギルドマスターである女性がやってきた。
「君か、新人のイツキ君というのは……私はここの【夜桜】のマスター。クリス・ハイトよ。」
「そうです俺がイツキ・イーステリアです。」
クリスに上から下まで見られる。
「ここじゃなんだし移動しようか。」
クリスさんに連れられ、外にある闘技場に移動する。
「あの…まさかとは思いますが、マスターと戦えばいいんですか?」
「そうね。」
「やっぱり……」
「ルールは簡単。使い魔無しで魔法あり。不死結界張るからどちらかが気絶するか死んだら負けだ。」
使い魔無しという点で一安心。だって俺が使い魔扱いだし。
「あと魔武器もありだ。準備はいいか?」
そう言って妖力を高める。俺は魔武器である指輪を初めてしようする。
(いくぞ、リク。)
(了解マスター。)
俺は鬼雷桜を抜く。マスターの動きを観察しようとした時
「楽しませてくれよイツキ。」
「!?」
その言葉が聞こえた瞬間に間合いに入られていた。感知の妖術を常に発動していても、感知できないほどであった。
「炎王の剛炎」
ー防げ六道ー
クリスが炎を纏った拳で殴り付ける。それを防ぐと爆風が吹き荒れる。
天界道【天血十卓の盾】
指輪が散らばり騎士の剣が描かれている白い盾となり拳を防いだ。
ー震え六道ー
人間道【魔封賢者の短剣】
魔術祭儀用の短剣の総称とされている短剣が顕現した。
咄嗟に防御体制をとったクリスに対し冷静に体勢へ移行する。
《天音流玖式》【天満幻舞】
防御体制をとったクリスの目の前で霧となって消える。それをみたクリスの動揺を見逃さず背後に移動していたイツキはクリスの身体中をめぐる魔力のツボを9箇所短剣で突いた。
付かれたツボにより魔力が乱れる。が一瞬にしてその乱れを直した。
「やはりマスターの名は伊達ではないですね。」
「な、嘗めてもらっては困る。だが、これで最後にしよう。」
魔力を最大に高める。それに対し新たに生み出した型を試して見ることにした。
《天音流伍式・改》
妖力がイツキの周りを旋回しながら竜巻が形成させる。
「炎王の…」
両手に貯めた炎を構える
【炎星拳】
【神空弧月天嵐】
互いの大技がぶつかり大爆発を起こす。
不死結界が衝撃で解除される。
クリスの傷が治った。流石と言うべきか、クリスはすぐに立ち上がってこちらに来た。
「凄かったわね…。」
「ありがとございます。」
「決めたわ……貴方【皇】ならない?」
「考えておきますね。炎皇さん。」
「気付いていたのね。」
「あれだけ炎の質量が良ければ思いますからね」
「考えておいてね」
ランクが低くとも実力があれば【皇】になれるらしい。その【皇】はいま9人いる。
話はずれたが、クリスは満足そうに闘技場を後にした。残ったイツキも闘技場を後にして依頼を受けるためBランクの任務「ゴブリン討伐」を受注して依頼場所に向かった。
明けましておめでとうございます。
これからも一生懸命書いていきます。