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日ノ本大社

「さて、そろそろミキの家にお邪魔しようか?」

「うぅ……緊張します。」


午後2時を回ったところで、一緒に歩いていたミキに(ちなみにイロハ達は後から合流のこと)声をかけるとミキは笑顔から一転表情を強張らせた、


「大丈夫だよ、もしダメだって言われても認めて貰えるまでどれだけでも頼み込む。」


ミキを強くした俺に興味を持った両親が、力量を見たいと「旅行費」の封筒を送りつけてきたため丁寧に返しといた。


「ほう。…ミキは結構いいとこのお嬢様だったんだな。

「恥ずかしいです……。」


ミキの家の神社があるというところまで歩くと、高い山があり、その入り口には立派な鳥居がそびえ立っていた。


「この時間だと二人とも本殿でお祓いをやってると思いますから、先ずは本殿に向かいましょうか。」

「これを登るのか?」

「?はい、そうですよ?」


俺が見ているのは途方もなく続く石の階段があった

数えるのも億劫になるほどの石段が登る者を拒んでいるかのような錯覚さえ覚える。

「まあ、別に俺には関係無いけどな。」


別に階段の千段や二千段で息を乱すようなやわな鍛え方はしてないし。心配といえば普通の人間組が心配だが、一応全員に転移符を持たせてあるから大丈夫か。


「さて、行こう。」

「は、はい!……ふわっ!?」


問いかけると、ミキから緊張感ありありな声が聞こえてきたのでそんなミキが可愛らしくなり、つい手を取ってしまった。


「そんなに緊張するな。一緒に居るからな?」

「……はい!」


努めて優しく言うと、ミキは幾分落ち着いてくれたようで長い綺麗な夜色の髪を揺らしながら、鳥居の方へ歩き出した。


「ちょっと待てミキ!そのまま行くと……」


ゴンッ!!


「……大丈夫か?」

「み、見ないで下さい……////」


盛大に鳥居の足にぶつけた頭を押さえて蹲るミキを立たせ、治癒妖術をかける。そして気を取り直し、リンゴのように顔を真っ赤にしたミキを連れて歩きだした。

今からこんなで果たして両親の前で大丈夫だろうか?


「……ん?」


鳥居をくぐった瞬間、俺は世界が変わったような感じを覚えた。


「どうかしましたか?イツキく……これは…妖力…いえ神力でしょうか?」

「ああ、そうかミキは巫だしな。道理でこの微量の神力を感じ取れるわけだ。」


鳥居をくぐった瞬間、ミキの言う通り俺達の周りに微弱な神力がまとわりついてきた。


「聞いてはなかったが、この神社では何を祀っているんだ。」

「言ったなかったですね。本尊は伊邪那美命様いざなみのみことですよ」

「じゃあ。その神力が漏れてたりするかもな。…なんてそんな事は最高神より高い神格が無いとまず不可能だし、たまたま弱い土地神でも俺の妖力にあてられたんだろ。まず伊邪那美命が、本当にここに居たら大変なことになる。」

「そうですかね?」

「ああ、伊邪那美なんて言ったら、神を生んだ母神だからな。最高神ゼウスでも逆らえない。

それに、伊邪那美は火の神迦具土神を産んだことで負った火傷が原因で肉体を失って、黄泉国にいるからこっちには干渉出来ない筈だ。」


階段を登りながらミキに説明する。

所々端折ってるけど大丈夫だよな?


「それにしてもイツキくん、神様について色々と知ってますよね。凄いですよ!」

「これでも神の端くれだ。それにこの神話は地球でも有名だったからな。」


それにこのクソ長い階段を嫌な顔一つせずに登るミキの方が凄いよ……もう千段は登ってるのに。しかも伊邪那美命か、よくもまぁそれを祀ってるのか。

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