俺専用の…
「イツキ作ろうか。」
「あぁそうだな。」
「らじゃ、私から」
少し離れたところに移動し、骸福の試し撃ちしているマリアを背景にしながら、魔石に魔力を流し込む。
魔力を流し込まれるにつれて形が変わっていく。どうやらイロハの刀らし…い?ちょっと待って、刀にしては刀身がめちゃくちゃ細い上に長くない!?
柄の長さからして片手持ちだけど
形はワンハンドの柄に、楕円のような刀身。よく見ると、刀身に燕が刻まれている。
形が固定され、光が消えていく。すると光に覆われていた刀身が露になった。
「この子は【天叢雨】。
能力は刀身が分裂してピットになる。
ビームサーベルになる。
魔法斬り
能力強化
限界突破
などある。」
イツキはその刀に見惚れていた。
「イツキもしたら?まだクロス君はあれだし。」
「そうだな。」
早速魔石に妖力を流し込む。
バチバチバチ!!
途端に電撃が魔石に走る。魔石を変化させていく。
流し込みながら思わず疑問に思った。本当にこれは武器なの?剣でもなく、銃でもなく、弓でも槍とかでもない。
形は俺の指の大きさぐらい、いや、俺に合わせてきてる?紋章が浮かび上がると光が輝き出した。
やがて光が消え、姿を表した私の魔武器なのだが……
「おい、お前それ…。」
「言うな!」
「しかもそれって。」
マリアンが半分呆れつつ、半分ニヤつきながらやって来た。
でも確かに全力で妖力を流したけど、まさかリングに変わるとは思わなかった。
『マスター、私に名を』
「へぇ喋るんだ。」
『私たちにも意志があります。とはいえ、妖力を持つものしか私たちと会話出来ませんが』
リングは私の方を向いて話し掛けてきたびっくりしてしまった。
「性別ってあるか?」
『とくにはありません……念じればマスターが思った姿に変わります。』
「そうか……」
うぅぅん……何にしようかな…これからの相棒だから変なの付けたくないし……
「じゃあ……『リク』なんてどうだ?」
『ありがとうございます。よろしくお願いします、マスター』
「こちらこそ。」
「おぉし、終わったな。んじゃ、改めて魔武器についての講義をするぞ」
『リク』と名付けたところで先生の声が響き渡ったので、イロハとリリィのもとに合流する。
「魔武器には展開と待機の二つの形態がある。普段は待機形態として小さくなっており、魔力を流すことで展開される。展開している間、さらに魔力を流すと属性や特殊効果を付与出来る。剣とかなら切れ味を上げられる。杖や本なら魔法の質を上げられる。百聞一見、模擬戦をしてみろ。」
という訳で模擬戦開始~て、投げやり過ぎでしょ!?
「イツキ、もっと使い方教えて~」
「私も。」
「わかった。」
妖力にて実体のある幻覚にするとツーマンセルとなり残り時間みっちり教えた。
にしてもリリィになんか偽りの匂いを感じたが気のせいか?