炬燵
ゆばーば(湯婆婆)ってさ、ゆたんぽ(湯湯婆)派生って知ってた?
いろんな人がリアルネット問わず炬燵を出したと言っている。
炬燵。
私の家には未だかつて存在したことがなかったのであった。
炬燵櫓は三つ四つある。
漢字をまんまコピー&ペーストしてググってくれたまえ。出てくる画像のものが家にある。
そこにはケットにくるまれた湯湯婆が入れられ、間尺に合うよう作成された上掛けを着せられ、主に猫の冬季保管庫になっている。
時々褞袍を被った人間がとりついていることもある。
だが、普通のごく一般的な電気炬燵は家にない。他家を訪問した折り、たまさか入ったことがあるくらいのものだ。
なので、物凄く欲しいと毎年思っていた。
余所のお宅ではできない、自宅ならではの首まで潜ってみたり、うたた寝して喉ががらがらになったりしてみたい。蜜柑食べたり鍋パーティをしてみたい。
他の家にはあってウチにはないと気付き、そして良いものらしいと聞き及んで、炬燵買ってよと毎年言い続けてはいたものの導入される気配もなかった。
むしろ一刀両断に切り捨てられてた。
「家の中そんなに寒くなくなくなーい?」
「えー炬燵ぅ?邪魔だよね」
「足熱いのイヤ」
「段ボールで作りな段ボールで」
「炬燵!イイネ!デモ、オマエ足イレタラ、オレ咬ム。絶対。絶対ダ」
ぐぬぅ。
だが!ババーン!
今年私はついに自力で炬燵を手に入れたのだ!ババーン!
自室に設置しミルクティを入れ満を持して入る!ババーン!
⋯⋯⋯。
ねえ、暖かくないんだけど⋯⋯⋯⋯。
うん。
みんな知ってた?
フラットヒーターの炬燵は大して暖かくないんだって⋯⋯⋯⋯。←イマココ
わあびっくり。
調べたら、石英管ヒーターとハロゲンヒーターとコルチェヒーターとフラットヒーターの四種類あって、一番あったかくないのがフラットヒーターなんだって⋯⋯。
おかしいと思ったんだよ!
店頭在庫一台限りで三千八百二十円税別とか!
ちょっと小さめだけど一人ならこれで十分だよってでっぱりがないから邪魔になんないよこの小ささなら持って帰れるしそれなら税込み三千五百円でいいよって!
うわあぁぁん!!
某電器屋のあのメガネを絶対許さない。
炬燵布団はないので毛布を十字に掛けた。
点けて二時間。
ぬくまらぬ。