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第5話:賊と攫い人

 自室まで戻ると、兵士がやはり入り口の前で警備に立った。


 「あれをどうにかしないといけないわね…」


 「そうですね、私が何とかしてみます」


 そういってティルアは兵士に声を掛けた。耳を澄ますと微かに話が聞こえてきた。


 「ええ、ですから厨房まで…」


 どうやら兵を引き離す為に宝物庫とは正反対の厨房まで連れて行くつもりらしい。


 しかし、そう上手くはいかなかったようで、。1人はティルアについて去っていったがもう1人はそのまま警備に残ってしまった。


 どうしようか考えて浮かんだ案はやはり使いに出すしかない、という結果だった。


 「ねえ、お願いがあるのですけど…」


 そこに立っていたのは硬そうな髭が印象深い男だった。


 「何でしょう?」


 「お父様に伝言を伝えて欲しいの、ここに書き留めてあるからこれを渡して来てくれないかしら?」


 兵は承知したと手紙を受け取るがすぐには離れようとはしなかった。どうやらもう1人の兵が帰ってくるのを待つつもりなのだろう。


 だがそれではメイリが身動きできないのに変わりはない。


 「急いで欲しいの、警備は必要ないから今から行ってくれないかしら?」


 その言葉に戸惑いを見せたものの渋々承知して兵は部屋の前を離れた。メイリは部屋の辺りを見渡して誰もいないことを確認し、剣を掴んで部屋の外に出た。


 回廊を歩いていると何回か兵と出くわしかけたがなんとか隠れ、時間はかかったが宝物庫近くまで行くことが出来た。


 随分静かね…もう捕らえたのかしら?


 ゆっくり辺りを見回して一歩踏み出した瞬間、前方から喧噪が聞こえてくる。どうやら賊はまだ掴まっていないらしかった。


 急いで隠れようとするが、あいにく身を隠せる程の物陰が無く、賊を待ちかまえているかの様になってしまった。


 少しすると、黒い布で顔を隠した賊が前方から走ってきた。その後ろを兵が追いかけてくる。メイリの姿を確認した兵が驚いた顔で、叫んだ。


 「そ、そこで何をしておられるのですか!早くお逃げ下さい!」


 そう言われても逃げる場所がないのだ。メイリは持っていた剣を抜いた。一応稽古は受けているから、扱えないわけでもないが、実践で一度も使っていない剣を持つ手は震える。


 それを感じ取ってか賊は剣を抜くことなくメイリの手首を手刀で打ち、剣を落とさせ腰を攫う。いきなり賊の肩に抱えられてメイリは恐怖のあまり声が出なかった。




久しぶりの投稿ですwやっと賊を出すことが出来た^^

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