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老人の話

大きい図書館の中をどんどん探索していく

二人組だ


こんな本もあるんですねぇとかこれ読んだことあるよーっと言ったように和やかに会話をしながら

歩き回っているようだ


よくよく見てみると、どの本も呪術に関わる本や魔法や魔法使い都市伝説などオカルトチックなものばかり取り揃えているようだ


まさにオカルトライターからしたらまるで宝の山のようなものなのだろう

しかし、本にはあまり興味がなく何かを探しているように動き回っているように見えた


「おやおや」と文が脚を止めた

25歳とは思えないような気づき方とも言える

若い世代がおやおやなど使うものなのだろうか

見た時から思っていたが、見た目とは違いたまに発する雰囲気そのものは貫禄というのがあるように見える


そしてカメラがゆっくりと何かを捉える


そこには、寝ている男性がいた

詳しく言うなら男性は全く動かず仏の銅像のような形で寝ていた


和服のようなものを着ている

60代くらいのお爺さんのようだ


ゆっくりと目を開け

なんだと一言発すると起き上がり座るような体制をとった


「お嬢様とお坊ちゃんが何かお探しですかな」

と渋く低い、よく通る声が聞こえる


レオは初めて会う人なのか文の後ろに隠れて撮影しているようだ

見ずらいのはそのせいだろう


文は別に気にすることも無く平然としている

いや…その前に、と文は続けた

「なんでそんな所に寝っ転がっているんですか…」と呆れたような顔をしているような気がする声だ


ふぅむ…と少し頭を傾げ、なぜだったかなと誤魔化すようにニヤけた


なんでかっこつけとるんですかと即座に文のツッコミが入ったが気にもしていない様子だ

「で?何をしに来た…?」と本をペラペラと捲りながら聞いてきた


「取材ですよ、レオくんはここに来たことないですからね。挨拶がてらここに来た訳ですよ」

とニコニコしている


画面上から声がする

「こ、こんにちは……」

とレオの声だ


おぉ、と感心したような声がした

「ちゃんと挨拶できるのだな、偉い」

ハッハッハッと豪快に笑った

何がそこまで面白いものなのだろうか、老人の脳内はよく分からない

こんなこと思ってしまうのは自分が若いと思っているというのもあるのだろうかと無駄なことを考えてしまった


まぁ、貴方からすれば面白いでしょうねと言って文は「写真を取らせてくださいよ」と続けた


なんだ、そんな事か

と言って「勝手に撮ってけ」と本をまたペラペラし始めた


パシャッと言う音が響いた後

ありがとうごさいましたーと文は言って

レオくん早く次行きますよと歩いていってしまった


ま、まってぇとレオも追いつこうとした時

「なぁ、外の世界は楽しいか

久々だろう。前はこんな感じに会えてはいなかったが、繋がった縁だ楽しくやろうぞ」

と言っていつの間にかあった煙管から煙をふぅと吐いた


ーージッジジッーー


…………ん?ノイズが入ったようだ

レオの声も少ししたようだが何を言っているのかまでは分からない


最後に映ったのは煙管から吐いた煙がなくなると同時にその老人は消えていた……




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