俺より妹の方が優秀な件
眠いです
「つ、疲れたぁーー」
あの暁とかいうバケモンと戦って(俺は避けただけ)帰ってきたら、ものすごい体がだるかった。
「優くんお疲れ〜本当にさっきの空振りは傑作だったよ〜」
「うっ……」
やめてくれよ、ワースト5に入るくらいの黒歴史になってんだから……
「大丈夫ですよ優さん!才能がなくても、努力すればいいんですよ!」
「うぅ………」
プリン、悪気のないその言葉、傷つくって知ってたか?
まぁ、落ち込んでても仕方ないからな、なにか別のことを―――
ガチャ
「ただいまーー」
「あ、おかえりー」
ん?莉香か。そういえば、今日帰ってくるんだっけ。
「うぅ、頭痛い。お兄ちゃーん、修学旅行のお土産、カステラなんだけど、よかっt……」
っと、リビングに入ってきた莉香は、言葉の途中で途切れた。
まぁ当然だよな、自分の兄が、見知らぬ女の子二人を部屋に入れてたら、そりゃ驚くよな……
「り、莉香、これは訳があってな………」
「お兄ちゃんが、わ、私がいないうちに、へ、変なこと、し、してた!?」
「なんでそうなる!?」
「あ〜、君が優くんの妹さん?」
「へ?あ、はい、そうですけど」
「おお、僕、えっとー、どうしよ、まぁ気軽にマスターってよんで」
「どこが気軽だよ!」
「あ、はい、私、莉香っていいます。よろしくお願いします、マスター」
「言うんかい!」
「あ、私、プリンっていいます!よろしくお願いします!」
「こ、こちらこそ」
「あ、あの、莉香さんの服とパンツ、借りてますけどいいですよね?」
「よくねぇわ!てか気軽にいうな!」
「へ?あ、いいですよ」
「いいんかい!」
ツッコミどころが多すぎる…
「あのー、お二人はどうして家にいるんですか?」
「ん?あ、実はね優くん達に用があって、んでー居候させてもらっているんだよね〜」
ん?なんか引っかかるところがあったよーな。
「はー、じゃあ、訳ありの居候ってことですね?」
訳ありじゃなかったらなんなんだよ……
「ま、とにかく、莉香、そうゆうことなんだわ」
「はーよかった〜お兄ちゃんが変なことしてなくて〜」
「どんな勘違いだよ!」
さすがに妹に言われるとショックなんだが…
「あ、実はね、優くんってば、結構なテクニシャンでさ〜―――」
「いらんこと言うなよ!」
「三人ともなんか食べます〜?」
「え?どうしたんだよ莉香、僕が作ってもいいよ?」
「ううん、いいよ、私が作る」
「でもお前さっき、頭痛いとかいってたんじゃ」
「あーなんか、リビングに入ってきた瞬間、綺麗さっぱり引いちゃって。だからもう平気」
「あ、ああ、無理すんなよ」
大丈夫かなぁー?
「ふふ、いい兄妹ですねー」
「そりゃどーも」
「うっ……」
「ん?どうした?」
「い、いや、なんでも、ない」
「ん?」
本当に大丈夫か?
ピタッ
俺は莉香のおでこに顔を近づけた
「ふぇ?」
「んー熱はないみたいだなー」
熱はないんだったら、一安心だな。
「っ!」
と、突然、莉香は後ずさりしてしまった。
「ど、どうしたんだよ」
「な、ななな、なんでもない!」
「?」
なんだよ、訳が分からない…
「お、お兄ちゃんは座っといて!」
「?お、おう」
とりあえず僕は椅子に座った……
「優くんと莉香ちゃんって、義兄弟なんだよね?」
「ま、まあそうだけど」
「ふーん」
「な、なんだよ」
「優くんさ、鈍感って言われたことない?」
「え?いや、特に」
「莉香ちゃんかわいそう」
な、なんでそうなる?
「!?」
急にプリンが立ち上がった
「ん?どうした?プリン」
「マスター!」
「はぁ〜、一日で二回とかマジついてねぇ〜」
「どうしたんだよ」
「暁が出ちゃった」
「また!?」
あんなのとまた戦わないといけないのかよ。
「仕方ない、プリン、優くん、いこっか」
「あれ?三人ともどこ行くんですか?」
「莉香、すぐに戻るからここで待っていて」
「え?う、うん」
「おい!いったい暁はどこなんだ?」
「700メートル先ぐらいです!」
結構近いな。
「あれ?莉香ちゃんは?」
「あいつなら家に置いて来た、危ないだろ」
「優くん、その優しさは評価するけど、彼女に来て欲しかったんだよね〜」
「は?」
な、なぜ?
「莉香ちゃん、特異点だよ?」
ゑ?
「ええええーーー!!??」
マジで!?え?あいつも特異点?だったらさっき頭痛いって言ってたのは……
「まぁいっか、それよりこっち優先。ん?あいつか?」
そう言った先に見えるのは、さっき見たデブの暁ではなく、比較的小さいやつだった。
「プリン!サーチ!」
「了解です!」
さっきと同じように、プリンの目が黄色になった。
「ま、マスター」
「どした?」
「あ、あいつ、強い(確信)」
なにその言い方
「あいつ、素早さが以上にたかいです!」
「そうか、よっし、さっさとかたずけよう」
なんか気合いはいってんなー。僕はどうしよう。できることないし。
「そのために、優くんの新しい能力で、片付けちゃってください!」
え?なにいってんのこの人?
「ほら、早く〜優くん、やっつけちゃってください!」
だから、なにいってんの?
「も、もしかしてだけど、能力、開花してないの?」
「あ、ああ、してない、と思う」
「なんで?暁に触ったよね?」
「ああ、触った」
「優くん、本当に才能が無いのかもね☆」
「笑顔で言うなー!」
「マスター、来ます!」
プリンがそう警告をした、その瞬間、
「なっ!!」
信じられないほどの速さでこっちに突進してきた。
「チッ!」
マスターは間一髪でよけだが、
「ぐわぁぁ!」
「きゃぁ!」
俺とプリンは避けきれなくて、突き飛ばされた。
「優くん!プリン!」
俺は突き飛ばされた挙句、壁に叩きつけられた。
「ぐはっ!」
………痛い、ものすごく痛い。
くそ、どうやってあんなの倒すんだよ!
「優くんはそこで待ってて!プリン、出来るだけあいつに向かって撃て!錯乱させてくれ!」
「了解です!」
ぼ、僕も、あの二人だけ任せっきりじゃ、僕がいる意味が―――
「お兄ちゃん!」
え?
「莉香!?」
「お兄ちゃん、大丈夫?すっごいボロボロじゃん!」
「莉香、なんでここに……」
「さっき、ものすごい音がしたから、駆けつけてみたら……」
「り、莉香、ここは危ない、早く、離れた方がいい!」
出来るだけ遠くに、と言おうとした、そのとき、
「え?」
暁が莉香の目の前に突進してきて……
「きゃあああ!」
「莉香ぁ!」
俺の目の前に突き飛ばされた。幸い、僕の目の前だったので、自動的に僕に乗っかる形になった。
「莉香、大丈夫か!?」
「う、うん、平気」
「ごめん優くん、あいつ、速過ぎて行動が読めなかった」
「マスター!」
ギンッ
「ッ!」
マスターの剣と暁がつばぜり合いになった。
「莉香、とにかくお前は離れてろ」
「そ、それが、お兄ちゃん、なんか周りが変な世界に見える」
変な、世界?
「ど、とうゆうことだ?」
「な、なんて言うか、力が溢れてくるっていうかなんというか……」
「ん?」
な、なんか、莉香の目が……
「な!?」
み、緑なってる!?
「ど、どうしたの?お兄ちゃん」
確かこれは、能力を使っているときにでる………
「優くん!避けて!」
「うぉぉおお!」
間一髪、ギリギリで避けたが、莉香を置いてきてしまった。
「り、莉香!大丈夫か!?」
「あれ?あれ?あれ?」
「え?」
ど、どうゆうことだ?一瞬で、100メートル先のところまで移動ができるか?普通
「おお!莉香ちゃん、お兄さんより先に開花しちゃうとは、莉香ちゃんは才能があるかもね〜」
「へ?へ?能力?どうゆうことですか!?」
「マスター、これならあいつに対抗できるんじゃ」
「そうだね、莉香ちゃーん!僕の武器貸すから、そいつを切ってくれないかなー?」
「ええええー!?む、無理ですよ!!こんなバケモンと戦うなんて!」
「まぁまぁ、とりあえず、ほい!」
マスターは自分が持っていた剣を投げ渡した、危ないな……
「ええーー!?わ、私、剣なんて使ったことーーー」
「ほらーグズグズしてると襲ってくるよー」
マスターがそう言ったら本当にに襲ってきた。
「グェェェエ!」
奇声をあげながら、ものすごい速さで攻撃した、が…
スカッ
「あ、あれ?」
暁はさっきの俺のように空振りをした。あ、あの速さを軽々と避けてる!?
「み、見える!?動きが、見える!」
そう言って、莉香は剣を構えて、目のいろがさっきより濃くなっていた。
「すぅぅー、はぁぁー」
大きく深呼吸をし、そして、
「莉香、いきます!」
あの暁に比べものにならないくらい速く動いた!?
「み、見えない」
剣先は愚か、莉香自身も見えない位速い。も、もしかして、莉香の能力って、
「んーこれは音速を超える位速く動く能力みたいだね〜」
や、やっぱりそうだよな、漫画とかアニメとかでよく見るあれだよな。
それを俺の妹が?
「はあああっ!」
「グェェェエ!!」
ズタズタに切っていく莉香。暁はほとんど自立が出来ない状態になっていた。
「莉香さん!弱点は首です!首をちょんぱしてください!」
グロいわ!
「わかった!」
莉香は剣を力一杯握り、突進をして…
「はっ!」
暁の首がはねた。やっぱりグロい
「ふぅー、これで一件落着だね〜」
そして、俺は、莉香の方へ目をやると……
「す、すごいぃぃ!」
目をものすごく輝かしていた。
どうも、レイ部です。
今回の話はバトルが中心になってしまいましたが、戦ってるシーンを書くのってかなり難しいですね。もっと勉強します。妹キャラを書くのも大変です。ま、個人的には気に入ってますよ、莉香いい子ですよね。
では、また次の話で。