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双方の幕間

数人の男女が円形のテーブルを囲んでいる。

「僕らのIEを使ってくれるなんて、うれしいネ」

青い短髪の男が、脚を組み替えながら発言する。

「ですが、ゴドウィン様。このままですと、奴らはもっと食い込んできますよ」

黒いビジネススーツをびしりと着こなした女性が応じる。

「けけっ。お前にはもう関係ないだろ、エクリシア」

パンクロッカー風の、革ジャンを来た男がちゃかす。

エクリシアと呼ばれた女性は、無表情に彼を見つめる。

「私もあなたと同じ ね。九丈」

二人の間に、無言の火花が散る。

「じゃ、じゃあ、私が行ってきましょうか?」

割り込むように、眼鏡をかけた真面目そうな女性が立ち上がる。

「いいわ、ナナセ。まだ戦闘になると決まったわけじゃ無いもの。

一度、話をしてきても良いでしょうか?ゴドウィン様」

ゴドウィンと呼ばれた、青い髪の男性は、少し考えてから決断する。

「僕は、今はクルミの事でいっぱいいっぱい。

適当に時間稼ぎが出来ればいいヨ」

「はい、わかりました」

「はーい!」

今まで無言でやり取りを見ていた、白と青のロリータ服の少女が手を上げる。

「あたしも行っていいかな?ゴドウィン」

「ミィがやる気になるなんて珍しいネ。いいヨ」



「木星を見るのは飽きましたか?」

ぐだるようにごろ寝をしていた女性に、彼女の上司からの通信が入る。

窓からは、太陽系最大の惑星、木星が縞模様をくゆらせているのが見える。

「いえいえ、そんなことは~ないですよ。もう、ここ最高です。

なーんにもしなくてもいいんですから」

伸び放題の黒髪に隠れ、彼女の表情は見えない。

「ふふ、あなたらしいですね。ソラリス」

「そりゃ、アタイはそういう産まれですからねぇ」

「すみませんが、地球圏に戻ってもらう必要があります。

セントがリナックスと戦闘し、かなりのダメージを受けたようです」

「あちゃ~。アイツ、リナが絡むと頭に血が上るから」

「えぇ、リナックスの探索と回収は、フェドラにお願いしていたのですが、

セントの方が先に出会ってしまったようです」

「で、アタイは何をすれば?仕事は一回にいっこだけですよ」

「セントを回収してきてください」

「らじゃ~。ユニックス司令」

ソラリスは、通信が切れた後も、しばらく寝っ転がって木星を見つめる。

「は~、全くもう。フェドラの事だから、ガチ迷子になってるんだろうなぁ」

よっこいしょ と掛け声をかけて立ち上がる。

向かうのは、久方ぶりの地球圏。


「神よ。世界の、迷える子羊たちをお導きください。

ついでに、私たちもお導きください」

純白の服を着た女性が宇宙船の床に跪き、熱心に祈りを捧げる。

すっぽりと被った白いベールで、彼女の表情は見えない。

「アレ、どう見ても火星じゃないですか?」

宇宙船の窓からは、赤い惑星が見える。

「神父さま。神は、我々に試練を与えているのです

彼女に会うためには、この道を通る必要があったのです」

神父は、そんなわけねーだろ と言いたいのを我慢する。

伊達に聖職者をやっているわけでは無い。

「フェドラさん、次はちゃんと『move』してくださいよ」

「神父さま。私は、まだ、本当の信仰(faith)に辿り着いては居ません。

Fを冠する資格が無いのです。エルドラ とお呼びください」


faith(信仰)のエルドラ。

その信念は、硬い。


次話「クライムリリス」

2人目のヒロイン登場です。


ミィは、「Me」でなくて「3.1」です。

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