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ポーション職人の異世界攻略記  作者: リディア


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第20話 進化!? 言葉を持つスライム

「――おはよ〜」


朝、目を覚ました俺の耳に、小さな声が届いた。


「……え?」


見ると、枕元でぷるぷると震えているハクが、俺を見上げていた。


「今……喋った?」

「おはよ〜ぷるぷる〜」

「喋ったぁぁぁ!?」


俺の叫び声に、隣のベッドで寝ていたクロエとリーシャが飛び起きる。


「うるせぇ!何だよ朝から!」

「どうなさいましたか!?」

「ハクが!ハクが喋った!」

「「 は? 」」


二人が呆気にとられた表情でハクを見る。


「おはよ〜ぷるぷる〜」


ハクが、もう一度小さく声を発した。


「……マジか」

「すごい……スライムが言葉を……」


クロエとリーシャが、信じられないという顔でハクを見つめている。


「よし!今日は森で実戦訓練だ!」

「なんでそうなる!?」

「ハクのスキルを実際に使ってみたいんだよ!それに、お前たちの戦闘も見てみたいし!」

「……まあ、悪くねえな」


クロエがニヤリと笑う。リーシャも、少し緊張した様子で頷いた。


森に到着すると、すぐに魔物の気配がした。


「きけん〜ぷるぷる〜」


ハクが俺の肩の上で震える。気配察知スキルだ。


「どっちから?」

「ぷるぷる〜」


ハクが右を指す……いや、体を傾ける。


「右か。クロエ、頼む」

「任せろ」


クロエが軽く構えた瞬間、茂みから猪型の魔物が飛び出してきた。


「遅ぇ!」


クロエの拳が、魔物の頭部に叩き込まれる。衝撃波も使わず、純粋な格闘技術だけで――


ドゴォン!


魔物が10メートル以上吹き飛んだ。


「……一撃?」

「当たり前だろ。こんなザコ」


クロエが肩をすくめる。


「つよい〜ぷるぷる〜」

「ハクにまで言われてるぞ」

「うるせぇ」


次に現れたのは、虫型の魔物の群れだった。


「私が行きます」


リーシャが杖を構える。


「集え、風の精霊よ――【ウィンドカッター】!」


一瞬で、鋭い風の刃が周囲を駆け巡る。虫型魔物が、次々と真っ二つになっていく。


「……すげぇ」

「えへへ……」


リーシャが、珍しくドヤ顔で笑った。可愛い。


「すごい〜ぷるぷる〜」

「ハク、ありがとう……」


リーシャがハクを撫でる。ハクが嬉しそうに震えた。



「よし、ハク。魔石、回収できるか?」

「できる〜ぷるぷる〜」


ハクがぴょんぴょんと跳ねながら、倒れた魔物に近づく。そして――

ぱくっ。

魔石が、ハクの体に吸い込まれていく。


「おお、アイテムボックスに入ったのか」

「べんり〜ぷるぷる〜」

「本当に便利だな、お前……」


クロエが呆れたように笑う。


次に現れたのは、ゴブリンの集団だった。10体ほどいる。


「数が多いな」

「任せてください」


リーシャが杖を構える。


「待って。連携しよう」

「連携?」

「クロエは前衛で引きつけて。リーシャは範囲魔法で殲滅。俺はポーションで支援する」

「……お前、指揮官気取りか?」

「いいから!ハク、気配察知で周囲を警戒してくれ」

「わかった〜ぷるぷる〜」


ハクが俺の肩の上で震える。


「行くぞ!」


クロエが飛び出す。ゴブリンたちが一斉に襲いかかるが――


「遅ぇんだよ!」


クロエの拳と蹴りが、次々とゴブリンを吹き飛ばしていく。


「今だ、リーシャ!」

「はい!――凍てつけ、氷の精霊よ!【アイスランス】!」


空中から、無数の氷の槍が降り注ぐ。クロエが避けた後方のゴブリンたちが、次々と氷漬けになっていく。


「きた〜ぷるぷる〜」

「どこから!?」

「うしろ〜ぷるぷる〜」


俺が振り返ると、背後からゴブリンが襲いかかってきていた。


「くっ――」

「陽斗!」


クロエが衝撃波を放つ。ゴブリンが吹き飛んだ。


「ありがとう!クロエのおかげで助かった!」

「……別に、お前が無防備すぎるだけだ」


クロエがそっぽを向くが、ほんのり耳が赤い。


戦闘が終わり、俺たちは息を整えた。


「……楽しかったな」

「はい……みんなで戦うの、楽しいです」

「たのしい〜ぷるぷる〜」


ハクも、俺の肩の上で跳ねている。


「よし、魔石回収してくれ、ハク」

「まかせて〜ぷるぷる〜」


ハクがぴょんぴょんと跳ねながら、魔石を次々と吸い込んでいく。


「……便利すぎるだろ、このスライム」

「本当ですね……」


宿屋へ戻る道中、俺はハクに尋ねた。


「なあ、ハク。もっと成長したら、人型になれるかな?」

「ひとがた〜?ぷるぷる〜」

「そう、人間みたいな姿」

「……なれるかも〜ぷるぷる〜」

「マジか!?」

「その前に性別だな」


クロエが茶化すように言う。


「性別……そうだな。男の子か、女の子か……」

「おんなのこ〜ぷるぷる〜」

「え、女の子なの!?」

「おんなのこ〜ぷるぷる〜」


ハクが嬉しそうに震える。


「……服、用意しないとな」

「その前に進化だろ」

「楽しみですね……」


リーシャも、優しく微笑んだ。



「――これが、俺たちの力か」


俺は、夕日に照らされた森を見つめながら呟いた。


クロエの圧倒的な格闘技術。

リーシャの強力な魔法。

ハクの便利なスキル。

そして、俺のポーションと指揮。


「……悪くないな」


俺は、肩の上のハクを撫でた。


「これから、もっと強くなろうな」

「うん〜ぷるぷる〜」


ハクが嬉しそうに震える。

明日からまた、新しい冒険が始まる。

そんな予感がしていた。

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