表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポーション職人の異世界攻略記  作者: リディア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/38

第19話 捕食するハク、最強種!?

「――で、今日はどうするんだ?」


朝食を終えた俺たちは、街の外れにある森へと向かっていた。クロエが退屈そうに尋ねてくる。


「ハクの能力を確かめたい」


「能力?」


「ああ。ホワイトスライムがどれだけ珍しいか、まだ分かってないことが多いからな」


俺の肩に乗っているハクが、ぷるぷると震える。まるで「わかった!」と言っているみたいだ。


「具体的には?」


リーシャが不思議そうに首を傾げる。


「まずは、魔物を倒して、その魔石や核をハクに食べさせてみようと思う」


「……お前、まさか」


クロエが呆れたような顔をする。


「成長するかもしれないだろ?」


「普通のスライムは食べても大きくなるだけだぞ」


「だから試すんだよ。ハクは普通じゃないかもしれない」



森の中に入ると、すぐにスライムが現れた。


「よし、クロエ。頼む」


「はいはい」


クロエが軽く拳を振るうと、スライムは一瞬で潰れた。衝撃波すら使わない、完全な手加減。


「核、取り出せる?」


「……お前、本気か?」


「本気だよ」


クロエが呆れながらも、スライムの残骸から小さな核を取り出す。透明な珠のようなものだ。


「はい、ハク」


俺が核を差し出すと、ハクがぴょこんと飛びついてきた。そして――


「ぱくっ」


可愛らしい音を立てて、核を飲み込んだ。


「……おお」


「飲み込んだ……」


ハクの体が、ほんの少しだけ光る。そして、ぷるぷると震えながら、嬉しそうに俺の手のひらで跳ねた。


「美味しかったのか?」


「ぷるぷる~」


クロエとリーシャが、興味深そうにハクを見つめている。


「もう一匹、試してみよう」


二匹目、三匹目のスライムも同じように倒し、ハクに食べさせた。


そして――三匹目を飲み込んだ瞬間。


『――スキル獲得:打撃無効』


「えっ!?」


俺の脳内に、突然声が響いた。いや、声というより……情報が流れ込んできた感覚?


「どうした?」


「今……何か聞こえなかったか?」


「何も聞こえなかったぞ?」


クロエが首を傾げる。リーシャも不思議そうに俺を見ている。


「……ハク?」


俺がハクを見ると、ハクがぴょこんと跳ねた。そして――


「ぷにっ」


俺の指でハクを軽く押してみる。いつもなら、ぷにぷにと柔らかく変形するはずなのに……


「……固い?」


「え?」


「ハク、固くなってる」


クロエが試しにハクを指で突く。


「……本当だ。いや、固いっていうか……弾力が変わった?」


「打撃無効……まさか」


俺は、近くにあった小枝を拾い、ハクを軽く叩いてみた。


パキン――


小枝が折れた。ハクは無傷だ。


「……嘘だろ」


「陽斗様、これは……」


「スキルを取得したんだと思う。捕食した魔物から」


「捕食で……スキル!?」


リーシャの目が見開かれる。


「そんなこと、聞いたことないぞ」


クロエも驚きを隠せない様子だ。


「もっと試してみよう」

次に現れたのはゴブリンだった。


「クロエ、弱らせてくれ。とどめはハクに刺させたい」


「……お前、本気でやばいことしてるぞ」


「分かってる。でも、やってみたいんだ」


クロエがゴブリンを一撃で気絶させる。俺はハクを地面に降ろした。


「ハク、行けるか?」


ハクがぷるぷると震える。そして――


ぴょん!


ハクがゴブリンに飛びかかり、その体を包み込む。ゴブリンがもがくが、すぐに動かなくなった。


『――スキル獲得:ハイジャンプ』


「またきた……!」


ハクがゴブリンから離れると、そこには魔石だけが残っていた。ゴブリンの体は……消えている。


「全部食べたのか……?」


「……陽斗様、これは……」


リーシャの声が震えている。


「ハク、跳んでみて」


俺がそう言うと、ハクがぴょん!と跳ねた。


その高さ、約3メートル。


「うそ……」


「スライムが、そんな高さまで……」


クロエとリーシャが呆然としている。


「まだ続けよう」


 *


その後、俺たちはさらに魔物を倒し続けた。


スライムからは『自己修復』を。


小型の魔物ハニービからは『気配察知』を。


そして――


「やばくねぇか? このスライム……」


クロエが、真剣な表情で呟いた。


「伝説級の……いえ、それ以上……?」


リーシャも、信じられないといった様子だ。


「捕食でスキルを奪取……最強系か」


俺は、手のひらの上で満足そうにぷるぷる震えているハクを見つめた。


「もしかして、もっと強い魔物を食べさせたら……」


「どうなるんだ?」


「意思疎通ができるようになるかもしれない」


「意思疎通……」


リーシャが、ハクを見つめる。


「もしかしたら、人型化も……」


「人型化!?」


クロエが驚いて声を上げる。


「あくまで推測だけどね。でも、可能性はあると思う」


 *


「――なあ、ハク」


宿屋へ戻る道中、俺はハクに語りかけた。


「お前、もしかして分かってる?」


ハクが、俺の頬にぺたりとくっついてくる。


「ぷるぷる~」


その仕草が、まるで「うん、分かってるよ」と言っているみたいだった。


「……お前、本当に何者なんだ」


クロエとリーシャも、ハクを見つめている。


「次は、どこまで進化するんだろうな……」


俺の胸に、ワクワクとした期待が膨らんでいく。


ハクとの冒険は、まだ始まったばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ