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第2話【それはゆっくりと】
翌日の昼休み。
教室はいつも通り賑やかだ。
「ねえつむぎは縄文ブーム興味ないの?」
前の席に座るユーリが話しかける。つむぎはスマホをちらりと見る。
「うーんよくわからないけど懐かしさみたいなのは感じるかも」
「懐かしさってつむぎあんた縄文人!?」
ユーリが笑いながらツッコむ。
隣の心哉も苦笑した。
「まぁ、よくわからないけど、みんな盛り上がってるよな」
「俺は好きじゃないな。そういう話」
「ほんと心哉ってつまんないよねー」
クラスメイトたちは土偶の話で盛り上がり続けているが、心哉はどこか距離を感じていた。
「だって意味わからなすぎるだろ…」
「でも、土偶って可愛いよね」
「そうか?目とか気持ち悪いだろ」
「ゆるキャラとかもキモ可愛いみたいなのが流行るし、気持ち悪いも流行る要素なんじゃない?」
「まぁ、そんなもんか。」
ユーリは話に飽きたのかもうスマホをいじって自分の世界に入っていた。
「俺が気にしすぎなら良いんだけど…なんか気持ち悪いんだよなぁ」