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結ノミコト  作者: 空腹原夢路


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11/20

第11話【声のない繋がり】

朝のニュース番組。


「昨今、10代から20代の若年層において“機能性失語症”と診断されるケースが急増しています」

「言語能力に異常がないにもかかわらず、発語が困難になる現象で、専門家の間では“集団的な心理的要因”が指摘されています」


つむぎは制服のまま、朝食の手を止めてテレビに見入っていた。


画面には、街頭インタビューに応じる若者が無言で首を振る映像。

その背後で、スマホを手にした若者たちが身振りだけで会話を交わしていた。


(でも、みんな困ってなさそう……)


学校。


心哉は教室の空気に異変を感じていた。

誰もがスマホを見て、目が合えば踊りだす。

けれど、言葉を交わす者がほとんどいない。


「なあ、お前ら……なんでしゃべんねぇの?」


声をかけても、クラスメイトは微笑んで肩をすくめるだけ。

一人、また一人、誰かが静かに踊るだけで、まるで言葉が不要になったような光景。


「なにこれ……変だろ……」


そんな中、つむぎが教室に入ってくる。


「おはよう、心哉くん」


その声だけが、教室に響いた。


「お前……しゃべれるんだな」


つむぎは笑う。


「私はね。でも、私たち、もう言葉はいらないんだよ。気持ちはちゃんと伝わるんだから」


「“私たち”って?」


「……ふふ」


放課後。


心哉は駅前のスクリーンで流れる緊急報道を目にする。


『SNSで流行中の“ダンス”が、脳波に特異な影響を与える可能性──学会で研究報告』


その下には、“集団催眠”という言葉が、静かに浮かび上がっていた。

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