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プロローグ

 フッとして見上げていたのは空より遠い空間だった。


 見上げていたのは何だったのだろうか?考えてみても答えはない。これからも、この先も、自分に答えは得られないだろう。


 唯一見えるこの黒い闇に散らばる星が、己の知らない空であったならばとつくづく思う。それは誰がこぼしたため息だっただろう。

 息に揺らぐともし火のようにかすかに星がゆれたように見えた。

 と、さらにそれは揺らいだ。星ではない、見るほどに近くなりつつあるあれは、ゆるゆるとその炎をほの白く上げている。


「ああ、まだ……なのか。やれやれ、どうするつもりなのやら?」

 星は炎だった。自分の手元まで来たそれは扉の取っ手の形をしている。


「さて、またもぐるとするか」


それは、いや、そのヒトは燃え盛る取っ手に触れ、しっかりとそれを握った。熱を帯びているはずであろう、その炎に触れた指からは、焦げた音はしない。 炎は白さをまして、握りつぶされたように掻き消えた。取っては青銀の色に変わると、彼の手のひらに吸い付くように回り、空間には扉ができたのだった。

 今宵も、アレに会うために…………。

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