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胸糞バッドエンド集   作者: BAD ENDLESS
4/6

ある自己犠牲女の罪

自己犠牲とは



 何時からだろう。


 私は生まれ変わってしまった。


 

 神と名乗る、道化の男によって。



 未練が無い訳ではなかった。


 けれども、生まれ変わりたいとは思えなかった。


 もし、仮に彼と出会ってしまえばどうなるだろうかと。


 彼は優しい人だ。そんな何処にでも居そうな男の子だけど。女性には自然とモテていた。けれども、彼は誰とも付き合わずに、私と共に居てくれた。


 私が死んだ後なんて、彼なら良い人と結婚して幸せに暮らしているだろう。だからこそ、そんな光景を見てしまえば心が苦しくて辛くて…………。



 けれど、私の考えは甘かった。


 前世の、今世の私は。



 「かつて、【聖女】様には近衛騎士がいました。しかし、戦いの中で【聖女】様は近衛騎士を庇い命を落としてしまいます」



 ここは教会。


 私が死んでから長い年月が経っていたのか、老朽化はあるものの所々修繕され古くも偉大な建造物の如く未だに残っていた。



 「しかし、これに怒ったのは王族貴族―――――そして国民達でした」



 「教会も近衛騎士に対して、守るべき筈の【聖女】を守れなかったとし、処刑を言い渡したのです」



 ―――――――――ぇ。



 「処刑は、首落とし――――――つまり、ギロチンでした」


  

 ―――――――――なん、で……?



 「しかし、ギロチンの刃は近衛騎士の首半分を切りましたが、それ以上は刃を通さなかったのです。血を出し、悲鳴を上げていましたが、その近衛騎士は死にませんでした」



 ―――――――――ぎろ…………くびを…………?   



 「人々は言いました。それは【聖女の呪い】だと。守るべき筈の【聖女】を守れず、生き残った近衛騎士に対して神々が下した罰だと」



 ―――――――――呪い、私が?



 「その騎士は、火あぶりの刑・磔・絞首・刺死・薬物による注射などのあらゆる死刑を実施されました。確かに騎士は血を出し、悲鳴を上げていましたが、それでも死に至りません。教会はこれに、ある結論を出しました」



 ――――――――――生きてって。私の分まで、生きって………でも、それは、それは呪いじゃないっ!私の、わたしの、願い――――――幸せになってほしいって……………。



 「教会はその近衛騎士を【咎人】と命名し、本来【聖女】がすべき戦いを、癒やしを全てを行わせる様にしました」

  


 ――――――【聖女(わたし)】がすべき、こと…………?



 「その【咎人】はあろうことか、【聖女】様の力を奪っていたのです。その証拠に、あらゆる傷を苦痛を癒やした事が何よりの証拠。【聖女】様の代わりにその【咎人】は数多の戦いに繰り出し、そして人々を癒やしたのです。流石は【聖女】様のお力、御業です」



 ―――――――――なんて、デタラメなッ!!! 



 「しかし、その【咎人】が何時反旗を翻すかはわかりません。故に王族と教会、そして騎士団はその【咎人】を解体することになりました」


  

 ―――――――――――かい、たい?



 「【咎人】の身体は髪の毛一つまで魔力を帯び、更には決して朽ちぬ身体。まさしくそれは、奪った【聖女】様の力です。これを活用しない訳にはいきません」



 ―――――――――――まって、ま、まって、それは。



 「【咎人】の身体は細かく解体され、【魔の欠片】としてこの国にあります魔導具の部品の一部として今も尚稼働しています。そして【魔の欠片】、ここ教会にも厳重に保管しております。ですが、今回新たな仲間が来たことです。さあご覧ください。この教会の最深部に封印しています肉を断ち、肉片を抉り取られても未だに【聖女の呪い】によって再生する【咎人の亡骸】を―――――――」



 教会の最深部。


 そこは地下広くガラス張りにされた巨大な空間。


 そしてその中心には鎖によって繋がれた人間が、いた。




 ――――――――あ、あぁ、そんな。 


 「この【咎人】は愚かにも、【聖女】様に対して許されざる言葉を吐かれた。しかし、もう既に話す事もないでしょう。肉体も魂もここにありますが、既に神父様や魔道士様方が魂に罅を入れ、決して悪魔を取り逃がす事もない“神の鎖”という神々があるモンスターを拘束した鎖に繋がれています。未来永劫解かれる事はないでしょう」



 ――――――――――許されざる、言葉。もしか、して、私を、恨んでいたの。私の願いが、私の祈りが、あなたを苦しめていた…………?



 助けたい。


 けれども、単なる農民の、そして前世とは違いなんの力も無い村娘。


 眼の前には、磔にされた彼が。


 俯いて、黒かった髪も色素が抜けて白髪に。


 これが、私が求めていた願いじゃない!こんなのが、許される訳がない!王族も、貴族も、教会もッ!!!そして何より、彼をこんな目に合わしてしまった私自身も…………。


 どうすればいい?どうすればいいの…………?



 「おねーちゃん、どーしたの?」


 「こわいよぅ」



 両手に握るのは共に教会に入った妹達。私の、私の大事な妹達だ。


 ………………この国が、生活があり、豊かな今があるのは彼の犠牲の上に成り立っている。もし、彼を助けようとしたらどうなるか。言わなくても分かってしまう。そして何より、妹達を養う為にもその魔導具が無ければ、病気の妹は…………っ。


 けれど、けれど……………っ!



 私は、私は、どうすればいい?


 ドウスレバ、イイノ?



 


 

皆さんはどういうバッドエンドがお好みですか?

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― 新着の感想 ―
[一言] まあ神って本来理不尽だからなあ。
[良い点] 全て破滅してほしいですね! 人間の業が極まった世界は無に帰るべきかなぁ どういう結果になろうと結末が楽しみです!
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