孤独な王様
昔々、ある所に独りの王様が住んでおりました。
王様は世界を知らず、夢を知らず、希望を知りません。ですので王様は心を知りませんでした。
そんなある時、王様の元に白い鳩がやってきてこう言いました。
「ぼくと友達になろうよ。」
王様は鳩と友達になり、鳩は様々な事を王様に教えました。
王様は初めて出来た友達が嬉しくて嬉しくて、鳩と毎日遊びました。
しかし、そんな王様の前に、
今度は闇が現れて王様にこう言いました。
「君の望みを全て叶えてあげる代わりに君の全てをくれないか?」
そう言って、闇は王様に歪な形をした黄金の冠を手渡しました。
王様は闇を受け入れ、
より多くの友達が出来ました。
100人、1000人、遂には10000人と友達になった王様は、もう白い鳩の事など覚えてはいませんでした。
そんな王様の元に一通の手紙と天竺葵の花束が贈られました。
王様は世界を知らず、夢を知らず、希望を知りません。ですので王様は心を知りませんでした。
王様は初めてその手紙を読んで泣きました。
誰かも忘れた友達の手紙に心を動かされ、ポロポロと涙を零しました。
38日間もの間、王様は誰とも会わず、誰とも顔を合わせません。王様は初めてその日”心”を知りました。
鳩は二度と王様の元に現れる事はありませんでした。
しかし、王様は鳩に教わった事を生かし、100万人の民を養う王様へと成長したそうです。
お終い