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やりたいこと1

 何かやりたいことは?と聞かれたら私には何もない

 だって今まで生きるだけで精いっぱいだったんだもの

 でも少し考えて答えを出せた

 私は私みたいに不幸になってる人を救いたい

「この世界には奴隷という制度がありますよね?」

「ああ、私達精霊も被害にあっている。まさか人間が精霊を捕まえれるようなマジックアイテムを作り出すとは思わなかった。それに妖精はその倍は被害にあっているな」

「だったら、私は掴まったりした人たち、精霊や妖精も含めてみんなを助けたいです。奴隷にされてしまった人たちをちゃんと家族の元に返してあげたいんです」

「それはいい考えだわ! セラは私達の力をすべて受け継いでいるわ。きっと攫われた子達を助け出せるわ」

「ああ、しかしこの子自身が捕まってしまえば・・・。心配すぎるのだけど」

「それもそうね」

 お父さんもお母さんも私を心配してくれる

 でもこれは、私がやりたいことで、それになんだか今までの私じゃ考えられないくらいに力がみなぎってるから、大丈夫、な気がする

「そうか・・・。でも無理はしないで欲しい、愛しい子セラ。お父さんの部下の精霊をつけよう。きっと君の役に立つはずだ」

「こちらからも妖精の子を連れて行かせるわ。一番妖精魔法が上手い子よ」

 こうして精霊と妖精を一人ずつ私のお供として連れて行くことで話はついて、奴隷となって苦しんでる人たちを助けに行くことが決まった

 とはいっても私は十歳で、そういったことはよくわからない

 奴隷がいて、貴族が虐げてたり攫われて売られていくって言うのは分かるんだけど、どこに行けば解放できるかなんてことは全然わからなかった

 何せ五年間は村の中だけで暮らし、その後の五年間はずっと奴隷で貴族の家から出たこともなかった

 まあ最後はどぶに捨てられて貴族の家から出たんだけど・・・

 思い出したくもない思い出。あんなふうにして殺されてる人だっているはず

 現にあの貴族の家からは拷問されて殺された子供や女性の死体がたくさん出てきたみたい

 お父さんがあの親子の心を破壊してから貴族の家は調べ上げられ、奴隷だけじゃなくて旅人にまで被害が及んでたことを指摘され、二人は近々処刑が決まってる

 奴隷を殺していたことは罪にはなってない。何せこの世界では奴隷は物だから、殺したとしても物が壊れただけ

 罪にならない

 人の命なのに、罪にならないなんておかしい

 だからこその奴隷解放

 根付いた文化を壊すのは相当に難しいけどやり遂げて見せる・・・。あれ? 私は一体何でこんな・・・

 んーん、今はそれはどうでもいい

 お母さんとお父さんがつけてくれた二人に色々聞いて頑張らなくちゃ

「お初にお目にかかります。風の精霊シルフ、名をエリアと申します」

「わ、私は妖精エインセル、な、名前はシャルです。よ、よろしくお願いします!」

 シルフのエリアさんはしっかりとしたお姉さんで、長い髪にきりっとした目、全体的に白い印象で、腰にレイピアを下げてる

 エインセルのシャルさんはメイド服を着ていて一見するとおしとやかそうだけど、少しあがり症なのかどもってる

 垂目で優しそうなお姉さん

 二人は私にお辞儀をして付き従ってくれた

「行ってきますお父さん、お母さん」

「ああ、危なくなったらいつでも駆け付けるからね」

「ええ、水鏡で見ているわ」

 この二人が見守ってくれるなら安心 

 その日私は、ようやく人、じゃなくて精霊と妖精のハーフとして自由を得て、世界を旅しつつ奴隷の解放を目指すことになった

 きっとこの旅は私にとって今後を決める大切な旅になると思う

 できるなら、世界が仲良く、平和でありますようにと願って

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