幼女は森の主
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ありがとうございます。
スローペースにはなると思いますが、頑張っていくのでよろしくお願いしますm(__)m
本日は1話目がちょっと短いので2話投稿です。
あれから約2年。
私は毎日彼らの仲間を増やして森を広げた。
彼らの仲間は種類も数も増えたし、森もとても広大になった。
始めの頃は数分で森の端まで散歩出来たのに、今では1日じゃ森の端まで行けない。
何日もかけなくては森の端には到達できなくなってしまった。
1日じゃ端まで着けなくなってから、毎日の日課としていた森の見回り兼散歩は自分の家の周りだけになった。
今では生きる為の狩りをみんなには解禁している。
それでも最初に作りだした彼らのうちの代表と思われる数匹は、争う事なく一緒に毎日私の様子を見にやってくる。
私が森を歩いていても彼らは襲ってくる事はない。
それどころか立ち止まって、最初に私がしたようにペコリと頭を下げてくれる。
どこの日本人だろうか。
森の主として扱われているんだろうな、と勝手に解釈している。
彼らは話す事が出来ないから、本当のところはわからないけれど。
森を広げる日々の中で段々倒れる回数が減り、ついには倒れる事がなくなった。
いくら森を広げようと、いくら種をつくりだそうと魔力が枯れる事がなくなったのだろう。
その頃からだと思う。
順調に伸びていた身長も伸びなくなり、大体150センチくらいで止まってしまったようだ。
年齢的には多分14、5歳だと思うから、そのくらいならまだ伸びてくれると信じておきたいがなんとなく無理なんだろうな、って思ってる。
相変わらず人間の訪問はない。
そして人間は私には作る事が出来なかった。
何度も試したけど、結局今でも作る事が出来ない。
倒れなくなってから、毎日時間が出来るようになった。
だから家の周りを散歩する時に、なんだか傷に効きそうな葉っぱや、毒消しになりそうな実など、知らない物なんだけどなんだか役に立つ気がする、というなんとなくな思いつきでそういう物を集めるようになった。
それらをなんとなく、これはこうしたほうがいいんじゃないかなーと思う通りに、乾燥やらオイル漬けにするやらして保存する作業を色々とやって日々を過ごすようになった。
そのため、仕事場スペースは本当に魔女の仕事場のようになっていった。
魔女スペースの椅子に座って窓の外を眺めながら、なんちゃって傷薬軟膏を作る。
(ひょっこり誰か人が現れないかなぁ…)
なんて思いながら。
今日も日が暮れた。
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彼女のいる森は大陸の半分を占めるほどの広大な森となっていた。
彼女が森を作るまでは大陸の半分は荒野だった。
そう、彼女が落とされた荒野である。
神と悪魔が戦ったとされる大戦の果てに、どんな事をしても生命が生きる事の出来ない不毛の地となっていた荒野だった。
それが彼女の手により、人々の知らぬ間に大森林となった。
彼女が人間と出会う事が出来なかったのは、そんな不毛の地の中心に落とされた故にだった。
彼女が不毛の地の中心に世界樹と名付けた大木を生み出し、森を生み出した事で周辺諸国はおろか、全世界で大混乱だった。
気付いたら不毛の地と言われる場所に大陸の端からでも確認できるほどの大木が現れ、数年のうちで近隣諸国に隣接するようになるまでの大森林と変わってしまったのだから、その混乱は計り知れないものだっただろう。
そして近隣諸国は考える。
この森は一体なんなのか。
この森を自分の国とするためにはどうしたらよいか。
この森で暮らす事が出来るのか。
この森は人類に害成すものではないのか。
様々な思惑を抱きながら、それぞれの国が森の調査に乗り出すのだった。
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