急募: 物欲センサーを切る方法
さーて、アンケートの結果は……?
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①錬金術素材を集めてシャークくんで大海原を行く! (71%)
②乙姫・サンゴにサメかイルカを借りる! (有料)(21%)
最終結果◯◯◯票
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「おー、こんなに一瞬で三桁も票が集まるとは……すごいですね。というわけで、お守り作りのほうに決定です!」
私が拳を高々と挙げて声を張ると、コメント欄が一瞬にして真っ白に埋まる。
うわぁ……多すぎ。
大多数はシャークくんの活躍を願うコメントだったので、この子もみんなに受け入れられて愛されているということだろう。可愛いもんね、ぬいぐるみサイズのシャチ。
「クォォ?」
「そうですよ〜、シャーくんが泳げるようになるよう、私素材集め頑張りますから!」
どことなく不安そうなシャークくん。推せる。
ツルツルとした肌を撫でまわしながら、ユルルングルのほうに視線を向ける。
「……ぁ、いえ、あの、僕……私のことはお気になさらず。どうぞご自由に叫んでください」
ドン引きだった。
そういえば動画配信しているのが分かるのは、配信の仕方を認識できている人達だけだね!? 配信中はカメラのようなものが周囲を飛ぶものの、最近はちょっと高めの……具体的には透明になって撮られているのが気にならない&分からない仕様のカメラを用いて配信している。
配信機能もこうして課金すればアップグレードできるから、結構前からそうしてたのだが……天楽の里では不審がられないように気をつけていたのに、ユルルくんの前ではすっかり普通に喋ってしまった。そりゃ引かれもするよね!!
っていうか、ユルルくん今、『僕』って言いかけました!? そっちがもしかして本来の一人称ですか! そうなんですか! 人前だからって丁寧に一人称を『私』にしているけれど、焦って素が出ちゃった感じですか!!
……ユルルくんお持ち帰りできないのかな。
「ぴえっ、あの、頑張ってくださいね! それでは!」
そんなことを考えてジーッと見つめていたら、ユルルくんは体をぶるりと震わせて泉の中に沈み込んでいってしまった。寂しい。
『身の危険を感じたんじゃないのw』
そうかも……。
「ま、とりあえずはお守り作りです! 低確率がなんだ! そんなの私の聖獣にかける情熱には敵わない! どんなことがあろうと、私の情熱はなくならない! 挫けない! 燃え続けるのです!!」
目指すは、海イベントのときの場所! 『海の国へ繋ぐ砂浜』へレッツゴー!!
◇
「出ないー!! もう嫌ですーーーー!! 情熱が消火されちゃうーーーー!!」
【悲報 心が折れかける】
そんなテロップが配信画面に表示される。あ、やべ、本音が。
『えーっと、なんだったっけ。私の情熱はなくならない? 挫けない? 燃え続ける? で、今は?』
「情熱は死んだ!!」
『草』
『挫けるまでが早かったwww』
『よく考えたらいつもはジンのおかげで低確率もどうにかなってたのか……』
『今までが運良かっただけでしょw』
意気込みながら砂浜までやってきたところまでは良かった。
そして、砂浜から以前屋台でフローズンアイスを売った穴場のような場所から浅瀬に入り、極端に深くならないところに点在する鉱石発掘のできる岩場をカンカンし続けた。
ユルルングルが言っていたように、気泡の出ている鉱石発掘ポイントはレアが出やすいらしいため、そこを重点的に狙ってである。
まあ? レアが出やすいイコールレアが出るってわけじゃないんですけどね! ドチクショウ!!
『ジンは連れてこないの?』
「なんか、今それで頼ったら確率に敗北したみたいで嫌です!!」
『なにと勝負してるの???』
まあ、つまり、そういうことである。
それに、できれば依頼を受けたこのメンバーでなんとかしたいからね!
なお、オボロは砂浜の際で迫り来るさざなみ相手に大はしゃぎしながら走り回っている。テンションが高い。可愛い。
アカツキとプラちゃんはそれぞれ水と海水がダメなため、砂浜の上に置いたレジャーシートの上でくつろいでいる。
シャークくんは私の勇姿を見届けつつ、砂浜で優雅に砂の中を泳ぎながら近くを通る一般プレイヤーをビビらせているようだ。うん、あんまりやりすぎる前に止めよう。
砂浜で砂に埋まったまま迫り来る背びれを見たらそりゃあビビるよね。あの子はサメじゃなくてシャチだけども、背びれだけじゃ種類なんて分からないだろうし。
つまりだ、カンカンするのに戦力になるのは自分だけである。
コメントでは『風呂入ってくる』とか『夜食食ってくる』だとか、しばらく見つからないだろうと思われているし、皆さん長期戦の構えだ。
「くそう! すぐに見つけてやりますから!!」
浅瀬で腰まで海水に浸かりながら雅な地団駄を踏む。
「エレガントな女性は冷静に、理性的に、コツコツと仕事を進めるものです! 物欲センサーなんてオフにしてやりますからぁ!!」
なおこの後移動しながら三時間カンカンし続けて、ようやく『泡沫の鉱石』が一個手に入るのだった。
だが忘れてはならない。お守りに使う以外にも、エインガナへの納品のためにもっとたくさん見つけなくてはならないということを……うん、それは深海ダンジョンのほうで探せばいいや。今はもう、ムリ、やだ。
え、物欲センサー? 切ることができたらこんなに苦労しないよね!!!
>>雅な地団駄
ナニコレ?????




