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3.ブルーウルフ

俺の前に、青い狼が立ちはだかっている。


「おいおい、俺の最初の料理はジビエかよ…」


青のカーソルが付いている。つまりは、モンスター。因みに、赤がボスモンスター、白はプレイヤー、緑がアイテムだ。


「やるっきゃないな。」


俺、そう呟いて覚悟を決めた。Lv.1だが、何としてでも勝たせてもらうぜ。


「俺の糧になりな!」


「グルルルァァァ!!」


そういうと、青い狼はこちらに駆け出し、その鋭い青みがかった牙で嚙みつこうとした。


「オラァ!」


そこを、足で狼の顎がバキバキっと言う程蹴り上げた。


「グルウァァアア!」


狼は一度距離をとる。


自分の身にどれほどのダメージを負ったかを知り、先程までとは違い、怒りを露わに相手を倒す事だけに全神経を捧げる。


「グァァァァァ!」


狼がそう咆哮すると、狼の体が一瞬光り、光が途絶えた瞬間また襲いかかった。


その攻撃は、先程の攻撃とは段違いのものだった。


何だと!足で……受け止めても……っ!…重い!


「うぁっ!」


あまりの衝撃に吹き飛ばされる。


「ぐはぁ……」


地面に叩きつけられ、痛みがジンジンせり上がってくる。


くそっ!何か策は……。辺りを見回す。すると、道端には手頃な石が沢山あった。


そうか!それがあったか!


俺は、その石をとにかく沢山手に入れた。幸い、ゲーム世界だからか、手に入れた石はアイテムボックスに結構入らしいし、狼は技の反動で少しの間動けないようだ。


「グァァ!」


おっと、狼が反動から立ち直った。


ピシッ。


石を投げつける。


ピシッピシッ。


まだまだ。


「グルルルァァァ!!」


狼がこちらに向かってくる。それなら……!


俺は横に飛び回避した。ふぅあぶねーや。


そして、その間石を投げ続ける。


狼はまた反動から立ち直り……こちらに襲いかかっ……


ピシッ!


「ウガァァ……ア……ア……」


狼は技の発動前に息を引き取った。


良かったー。やっぱゲームだから小さな攻撃でもダメージはいるのねー。


『称号【ハメ殺し】を手に入れました』


な!この称号は少し心外だな。ハメてなどいないに。全く失礼なゲームだ!


『Lv.2になりました』


ほうほう。そりゃあいいけど。何故かWorld Gameはステータスが見れないんだよなぁ。何故だ?


『ヘルプ。お答えしましょう。自分のステータスを見るためには、スキル【ステータス閲覧】が必要です。また、そのスキルの入手方法は秘匿されています。』


はぁ。どうやって手に入れるの?という問いは尋ねる前に消えてしまったか。


それにしても何てゲームだ。初期武器も無いし、自分のステータスも閲覧出来ないとは。こんなゲームが世界中の無職人みんながやってるなんて。まあ、風景とかの再現度は超一流だが。


まあ、いいや。兎に角、池戸や丘屋もこの島に転移してると思うし、早く見つけなけきゃな。



**********************


三十分後。


**********************


俺が道なりに進んでいると、(ほぼ獣道だが)古びた建物らしき物が目に入った。


その建物に進んで見ると、倒壊した洋風建築の下に洞窟ができていた。


「ダンジョンか?」


ダンジョンとあれば、入るに越した事は無い。危険がある可能性は無くはないが、奥には宝があると運営が散々言っていた。


「やるっきゃないっしょ!」


俺が奥に進むと光はみるみるうちに無くなり、50mほど進むと、真っ暗になってしまった。


「流石に明かり無しじゃこれ以上は無理か…」


と思い、歩みを緩めようとした時ガーンと硬い物が膝に当たった。


「いってぇ」


確認してみると、そこにはドアのような物があった。そしてちゃんとドアノブもある。


ギィとドアノブを捻って引き寄せると、俺が10分間待ちわびた光があった。


「なんだここ?」


中に入ると、そこはホールのような場所で引っ越したてのマンションのように何もなく、明かりとしてのランプが壁に付いているだけであった。


「あへ?もう来ちまったのか?」


声がする方を向くと、そこには剣を持った人物がいた。否、人ではなく髪の毛が蛇、片腕は荊のような棘のある植物が絡み合った物、もう片方は、獣のような鋭い爪を持った魔物だった。


「第一号のお客様、いらっしゃい。不完全なダンジョンで申し訳ないわ。」


「すると、お前がダンジョンマスターか?」


「ええそうよ。ここのダンジョンマスターとして謝罪するわ。」


「へぇ。意外と礼儀正しいのか。」


「ごめんなさい。もう一度謝罪があるのだけど、このダンジョンの糧にしたいので、あなたを………殺してしまうわ。」


「…………そうかい。そりゃあ残念だ」

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