11.転移とスクロール
このくらいで1話だったっけ?
「やあパーシ。元気だったかい?」
「ふ、まあね」
あれ?いつもなら『僕を死なせるつもりかこのブラックギルド!!』とか言いそうなレベルなのに……。
リィル(ああ、自覚あるのねこのロボットルーチンワーク博打野郎…)
「ん?なんか言ったか?」
「ヴェ!?マリモ!」
おかしいな、何か聞こえてきた気がするのだが。
「で、戦果は……って」
俺が言う前に、パーシはとある巻物の様な物を取り出す。
「ん?なんだこれは?」
「フッフゥーン!これは転移の【スクロール】だ!ああ、【スクロール】と言うのは、魔法を一瞬で覚える事の出来る………………
「何これー。凄いなー。魔法職誰かー」
………代物で、何と持たせて頂だいたブルーウルフの毛皮100枚と交換してもらったんだよ。ん?そんな価値があるのかって?全く、愚問だ、何とこれは、炭鉱や、ダンジョンボスの戦利品で出て来るんだが……………
「あれ?誰も居ないなぁー。作業中か。まあいーや。俺が使ってもいいよねぇ」
フォォン
………その確率たるや何と0.005%程度と推測されているらしい。何と、世界でも100個あるかないかの激レアなんだよ。これをなぜ僕がって?それはねぇ、何と本土ではブルーウルフが出ないらしいんだ。そして、今は冬だ。現実と同じでね。何が言いたいか分かるかい?…………
「わっ!俺の中に魔法が!?分かるぞ!詠唱すれば良いのか………中々恥ずかしいなぁ。」
………何とブルーウルフの毛皮をコートに使いたいと言ってきたチームがいてね。何と全部買い取りたいと言ってきたんだ。しかし、結構競争率が高くてね。僕は沢山のチームに言い寄られたよ。だから、俺もなるべくならば、良いものをこのギルドに持って行きたいと思ったから、交換条件を一つ一つと交渉していった訳だ。…………
「えーっと。空間の呪文よ、俺の点とあの点を結べ、開門!」
フシュュュン
………そこで、あるチームがこのスクロールを出してきたんだ。すぐに僕は決めたよ。この取引にしようって。このギルドはやっぱりこの島が本拠地だと思うんだ。だけど本土にも出たいだろ?だからこそ、このスクロールがあればって何をやっているんだい?
ってええええええあえ!?もう起動してるしぃぃぃ!?てもうてかお前が覚えたのかぁぁぁい!?
「ん?ダメだった?」
「いや、うん。もうだめだぁ、これ。」
そう言ってパーシは作りたてほやほやの家へ入っていった。
そして、俺は自分で作った門の中へと入っていった。
不定期ですね、はい。