『遺言』to勇者リーディア
ーVR遺言場・マクベス商会トアル村本店ー
ここは...真・掘っ建て小屋1号!?
でもこの場所はもう
板2枚で作られた壁と屋根だけのトドおじさんの自称商店。
魔族の強襲によって滅びた故郷トアル村の自宅横...私の声の、眠る場所。
故郷両親友人知人全てを失った強いショックとストレスによる心因性の失声。
私は人と人を言葉で繋ぎ力とするタイプの愛の勇者として覚醒し即日、ほぼ無能になった。
それでも曲がりなりにも勇者として旅を続け縁を紡ぎ魔王城までやって来れたのは、両親と村の皆の最期の願いを真に受けた通りすがりのお人好しのおかげ。そう
「やぁ、リーちゃん。ポーションでもいかが?」
とりあえず飛び付く!二度と離さないと強く、強く。生きてた!やっぱり生きてた!来てくれた!
トドおじさん!!
「ごめんね、リーちゃん。どうやら私は奥の手を使ったっぽくて、ここまでみたいなんだ」
?
「このVR...いや、ここは世界に功績を残し去るものの為に神様が用意してくれた、最後の挨拶の為の場所なんだ(説明放棄)」
いやだ、そんな嫌イヤいやいやいや「ッヤッ...だ!カフッ!ひどりにじないで!」
「わお...リーちゃん声!声出てるよ!?あーショック療法...かな?さすがにこれは試せなかったねぇ」
「ずっと...ずっと話したかった!おはようも!おやすみも!いただきますも!ごちそうさまも!けど...これじゃ...」
「本当にすまない...トアル村の皆の祈りも、親御さんの願いも、パーティの皆との約束も、商会の皆との誓いもか。私は本当にダメだなぁ...」
「そんな事ない!トドおじさんは駄目なんかじゃないッッッ!!!ハァ...ハァ...私が引き継ぎます。
貴方が抱えた祈りも、願いも、約束も、誓いも、全て。
私が愛し、私に愛をくれた貴方を、嘘吐きになんてさせない」
この世界に置いて感情は、力だ。
溢れる愛の量と濃度が限界を超え色を得、周囲に満ちる。
「頼めるかな?」
「貸しですよ?」
「フフッwデカい借りになりそうだww」
「えぇ、大きな貸しです。ハグと口づけを頭金に、ローンで残りの人生を頂かないと割に合いません」
「それ私の借りが増えないかな?おじさん破産しちゃいません?」
満足そうな微笑のマクベスが足元からボヤけ始める(過剰演出定期)
「実はここだけの話、私リーディアは貴方...トド=マクベスを愛しています。1歩を踏み出す為、ほんの少しだけ勇気を頂けませんか?」
「かしこまりました私のお姫様、では失礼して」
...仮想空間が1つ愛で容量オーバーした。




